全曲試聴:https://open.spotify.com/playlist/4TAWIiaqrdb5hVIituqUoR
テーマ曲:①Heading Out / Pieces Of A Dream (from『We Got This』Shanachie SHA-5523) 4:01
1) ①Marvelous-Lee / David Sneider (from『Introducing』Cellar Live CM110424) 5:06
■David Sneider (tp) Erena Terakubo (as) Jacob Chung (ts) Tyler Henderson (p) Joey Ranieri (b) Willie Bowman (ds) 2025.1.5, NJ
《2021 Carmine Caruso International Jazz Trumpet Solo Competition》で審査員のジョン・ファディス、テレル・スタッフォード、マイケル・ロドリゲスに認められて優勝。現在NYを拠点に活動するスナイダーの初個人名義作は、自作5曲とカヴァー3曲を収録し、3管を中心にしつつ2曲はワン・ホーン・カルテットで構成。ケニー・ドーハムとリー・モーガンに影響を受け、ハードバップの祖であるアート・ブレイキーへの敬愛を、全編で好ましく展開。①はフロントによるソロ・リレーの最後を担うスナイダーがリーダーシップを発揮するオリジナル・ワルツ。

2) ②In The Wee Small Hours Of The Morning / 渡辺貞夫 (from『Hope For Tomorrow』JVC Music VICJ-61797) 5:29
■渡辺貞夫 (as) Russell Ferrante (p) Ben Williams (b) 竹村一哲 (ds) 押鐘貴之ストリングス 2024.12, Tokyo, Yokohama
全国5ヵ所で開催されたツアー「HOPE – Sadao Watanabe with Strings」から厳選された11曲を収録。サダオさんの“ウィズ・ストリングス・ライヴ作”と言えば、92年の『A Night With Strings』が極め付きだが、こちらは2024年4月リリースの前作『PEACE』と同じ日米混成カルテットと、20名のストリングスが共演。ファンにはお馴染みのオリジナルとスタンダード・ナンバーがゴージャスに響いている。フランク・シナトラのためにデヴィッド・マンが作曲した②は、上記92年盤でも選曲されていて、聴けばすぐに本人だとわかる温かいアルトの音色に心が和む。
●91歳の現役サックス奏者“世界のナベサダ”渡辺貞夫さんに独占密着 「ライブが一番励み」年を重ねたからこそ見えるようになったこと【news23】|TBS NEWS DIG:

3) ⑤We Three / Dave Bristow (from『Sides』self-released) 5:19
■Christian Altehülshorst (tp) Félix Hardouin (as) Dave Bristow (p) Gabriel Pierre (b) Guillaume Prévost (ds) Mike Stern (②③:g) Gabriel Pierre (⑥:b) Caloé (⑥:vo) Katrin-Merili Poom (⑨:vo) Gustave Reichert (⑨:g) Tommy Scott (⑨:el-p) © 2025
英国生まれでパリ在住のブリストウは、2022年に2管クインテットのデビュー作を発表。この第2弾はメンバーとゲストがほぼ連続参加した編成で、新規にマイク・スターンが2曲に加わったのが要注目。ということで②③を紹介したいところだが、敢えて⑤を選曲。その理由は楽想とテーマの最後部にフレディ・ハバード「アップ・ジャンプト・スプリング」との共通点が認められることで、パリにも同じ嗜好を持つ若手がいることの発見と合わせた新潮流を理解。

4) ⑩En menneskesjel / Solveig Slettahjell (from『Den Mørke Lytting』Kirkelig Kulturverksted FXCD517) 3:18
■Solveig Slettahjell (vo) Kjetil Bjerkestrand (org,syn,arr) Uranienborg Vocal Ensemble (cho), Elisabeth Holte (cond) © 2025
2000年代のCurling Legsに始まり2010年代以降のACTとJazzland Recordingsの諸作で、ノルウェー・ジャズ・ヴォーカル界の第一人者へとステージ・アップしたスールヴァイは、折々にKirkelig Kulturverkstedからまったくコンセプトの異なるアルバムを発表してきた。本作は2016年作『Poetisk Tale』で組んだシェティル・ビェルケストラン(key,arr)と作曲家オイヴィン・ヴァルコイが協力し、同作でも3曲で採用した母国の20世紀を代表する詩人グンヴォル・ホフモのテキストを全12曲でカヴァーしたソングブック。『The Dark Listening』を意味するアルバム名に作風が集約されており、第二次世界大戦とその恐怖を創作モチーフとしたホフモの没後30年のタイミングでリリースした点にも、スールヴァイの特別な制作姿勢が伺える。オスロの教会を拠点とする合唱団との共演も重要な特色で、「人間の魂」を意味する⑩は、エンディングで両者がピタリと重なり合うアレンジに好感。

5) ⑥Happy Woman / Meredith Monk (from『Cellular Songs』ECM New Series 2751) 5:01
■Meredith Monk (vo,body per) and Vocal Ensemble [Ellen Fisher (vo,body per) Katie Geissinger, Joanna Lynn-Jacobs (vo) Meredith MonkAllison Sniffin (vln,p) John Hollenbeck (vib,per,crotales) 2022.1-3, 2024.3, NY
2016年に自身のヴォーカル・アンサンブル+ゲスト作『On Behalf Of Nature』をECMNew Seiesからリリース後、他レーベルの作品を経て本作に帰還。前作に始まった3部作の第2弾に位置付けられる本作は、『細胞の歌』のアルバム名が示すように、複製や突然変異を含む細胞の活動から着想を得たもの。⑥はモンクの個人技が光るトラックで、私がリアルタイムで初めてモンクを聴いた81年の『Dolmen Music』を想起。それにしても1942年生まれのモンクの衰えぬ情熱には敬服するしかない。
●Work in Process Presentation | Meredith Monk’s Cellular Songs:

6) ⑤Concorde / Bohuslän Big Band (from『Shades Of Gil Evans』Prophone Records PCD381) 7:55
■Lennart Grahn, Samuel Olsson, Jan Eliasson (tp) Håkan Nyqvist (frh) Niclas Rydh, Christer Olofsson, Hanne Småvik (tb) Jesper Kramer Johansen (tuba) Joakim Rolandsson, Martin Bjurek Svanström (as,woodwind) Linus Lindblom, Mikael Karlsson (ts,woodwind) Alberto Pinton (bs,woodwind) Tommy Kotter (p) Rolf Jardemark (g) Peter Jansson (b) Göran Kroon (ds) 2007, Kungälv, Sweden
スウェーデンを代表するボーヒュースレン・ビッグバンドが公式なレコーディング・スタジオ以外の場所でも録音が可能かどうかを試すため、18年前に吹き込んだギル・エヴァンス編曲集。楽団のトロンボーン奏者ニクラス・リードは、「マイルスとのコラボレーションによって多少、影に隠れてしまっていた音楽を引き出したかったのです」と語っている。ジョン・ルイスが作曲したMJQのレパートリーである⑤は、管楽器の対比的な動きがギル特有のものであり、ギルが88年に逝去してから37年後に本作が世に出たことは実に喜ばしい。














