全曲試聴:https://open.spotify.com/playlist/5MnyyBhqrwKGveNb5N5UVH
テーマ曲:⑤Play It Forward / Paul Brown with Rick Braun (from『So Much To Say』 Shanachie SHA-5514) 3:53
1) ③There’s A Mingus A Monk Us / David Kikoski Trio (from『Weekend at Smalls』 Cellar Live CMSLF011) 9:08
David Kikoski (p) Joe Martin (b) Billy Hart (ds) Randy Brecker (tp) 2024.9.9, NYC
2008年にトリオ作『Live at Smalls』を録音しているキコスキーにとって、同店はよほどのお気に入りのライヴ会場なのだろう。今作は80年代から共演関係にあるハートとのトリオに、やはり当時からの長い付き合いを築くゲストのランディが全面参加し、2曲を提供。そのうちの1曲である86年録音作『In the Idiom』からの③は、曲名通り二大巨人の作風を取り入れたナンバーで、ハイノートをヒットさせる78歳の強烈なソロが衝撃的だ。

2) ①Early Morning Song / Trøen / Arnesen Quartet (from『New Paintings Of Jazz』Losen LOS 307-2) 6:11
Elisabeth Lid Trøen (ts,ss,fl) Dag Arnesen (p) Ole Marius Sandberg (b) Sigurd Steinkopf (ds) 2024.7, Bergen, Norway
1992年生まれのエリサベト・リード・トレーンと、一連のトリオ作で日本でも人気のダーグ・アルネセンによる双頭カルテットは2017年に結成され、2021年にデビュー作を発表。同作は10曲中、8曲がアルネセンの自作だったが、第2弾の本作は2022年の《ヴォッサ・ジャズ》と《オスロ・ジャズ祭》の委嘱作を元にしており、全9曲がトレーンのオリジナル。①はテナーとピアノのユニゾンを中軸に据え、後半の展開部でトレーンが魅力を放つ。
●Trailer – New Paintings of Jazz – Trøen Arnesen Quartet:

3) ④Yekermo Sew / Mulatu Astatke (from『Mulatu Plays Mulatu』Strut Records STRUTCD482) 8:03
Mulatu Astatke (vib,p,el-org,timbales,congas,bongos,arr) Byron Wallen (tp) James Arben (ts,fl) Alex Hawkins (p) John Edwards, Neil Charles (b) Danny Keane (cello) Jon Scott (ds) Richard Olatunde Baker (per) Ager Selam Shafi (kebero,handclaps) Fassika Hailu Dolla (krar) Yetemusaq Mulat (begena) Samson Alemayew (masenqo) Tasew Wendim (washint) (c) 2025
2010年ノルウェー《ナットジャズ》を取材する直前、同じフライトだったベルゲンの空港で立ち話をしたのが個人的な良き思い出。母国エチオピアの伝統音楽とジャズを融合したエチオ・ジャズの創始者であるムラトゥ・アスタトゥケ(1943~)が、60~70年代に生んだ自作曲を、長年率いるUKバンドとアディスアベバのミュージシャンによってリメイクしたアルバム。異なる音楽文化のハイブリッド・サウンドが豊かな生命力を発しており、④は土着的でシンプルなメロディが、ジャズ・コンボへと展開し、混合ユニットの成果に落着する。
●Jazz à la Villette 2023 : Mulatu Astatke “Yèkèrmo Sèw“:

4) ②Between Moons / John Taylor, Marc Johnson, Joey Baron (from『Tramonto』ECM 2544) 9:03
John Taylor (p) Marc Johnson (b) Joey Baron (ds) 2002.1, Birmingham
エンリコ・ピエラヌンツィPJBトリオの2人との共演により、テイラーのECM初個人名義作となったレインボウ・スタジオ録音作『Rosslyn』の3ヵ月前、コンテンポラリー・ミュージック・ネットワークのツアー中の、バーミンガムでのライヴ音源が、23年を経てアルバム化。全5曲中、2曲は『Rosslyn』に収録されているので、ツアーの成果をスタジオで記録したことが確定。その1曲であるテイラー作②は、ピアノの美しい響きと、寄り添うようなジョンソンとバロンのプレイが印象的だ。

5) ⑤Heart Language / Jakob Bro, Wadada Leo Smith & Marcus Gilmore (from『 Murasaki』Loveland Music LLM028) 8:13
Wadada Leo Smith (tp) Jakob Bro (g) Marcus Gilmore (ds) 2025.1.11, NYC
ブロが20年前から多数のリーダー作を発表してきたデンマークのレーベルで、プロデューサーを兼任。初めての顔合わせによる超世代トリオ作は、3人の即興演奏を柱とした全7曲で、「演奏を始める前からすでにこの音楽が存在していたかのように感じた」と、ブロが振り返ったほど、彼らの自然な協調関係を記録。⑤はアコースティックギターが楽曲の導入部を設定し、トランペットが自由に飛翔した後、全員が静かに落着する。①⑦の独奏を含めて、ギルモアの活躍も特筆もの。

6) ③Grand Seiko / Michael Dease (from『Flow』Posi-Tone Records PR 8273) 5:50
Michael Dease (tb, ⑥:b) Sharel Cassity (as,fl) Geoffrey Keezer (p) Jared Beckstead-Craan (b) Gary Kerkezou (ds) Shane Karas (⑨:ts) 2023.9.3, Brooklyn, NY
実力者、教育者として評価を高め、レコーディング活動も活発なディーズのPosi-Tone第11弾。今回は旧知のキャシティ、キーザーに加え、新顔のベックステッド=クラーンとケルケズーを起用。デューク・ピアソン、チャーリー・パーカー、クラウディオ・ロディティのカバーを含む全11曲で構成。ディーズの自作5曲のうち、③は自身が講師陣の代表を務める《Seiko Summer Jazz Camp》所縁のナンバー。リズミカルなテンポでピアノ・ソロが躍動すると、それを受けたトロンボーンが技巧を凝らしながら、エンド・テーマまで進む。














