■テーマ曲:⑨Peace Of Mind / Norman Brown (from『The Highest Act Of Love』Shanachie 5466)
1) ⑧Groove de Jour /Yes!Trio (from『Groove de Jour』Jazz & People JPCD819008) 4:19
■Aaron Goldberg(p) Omer Avital(b) Ali Jackson(ds) 2018.10.29,30, France
90年代初頭に知り合った3人は2012年発表の共同名義作『Yes!』で始動し、トリオ名義の第2作に至った。ピアノ&ドラム・ユニゾンを随所に挿入したのがアルバムの特徴の一つ。⑧もやはりその手法をテーマに織り込み、作曲者のアリ・ジャクソンがピアノ・ソロをプッシュする。
2) ⑥Day And Night / Marc Copland (from『And I Love Her』Illusions/Mirage IM 4004) 10:40
■Marc Copland(p) Drew Gress(b) Joey Baron(ds) 2017.8, NYC
ECMに2枚を残したジョン・アバークロンビー(~2017.8.22)最期のカルテットのメンバーが、ジョンが他界した同月にNYのホテルで録音。おそらく追悼的な意味もあったと思われる環境で、3人が真摯な姿勢で繰り広げる音の対話に引き込まれる、コープランドの再演曲。
3) ④Don’t Look At The Pot / Earprint (from『Easy Listening』Endectomorph Music EMM-006) 5:07
■Tree Palmedo(tp) Kevin Sun(ts,cl) Simón Willson(b) Dor Herskovits(ds) 2018.6.30, Acton, MA
2016年にアルバム・デビューした米国の若手コードレス・カルテットによる第2弾。メンバー全員が提供した自作曲はピアノ不在ゆえに、クールなサウンドの共通点を感じさせる。ハーシュコヴィッツ作曲のナンバーはトランペットとテナーが対照的なソロを取り、バンドがアップ・テンポに収斂する流れが聴きもの。
4) ④Lark In The Sky / Siril Malmedal Hauge (from『Uncharted Territory』Jazzland Recordings W969020) 3:58
■Siril Malmedal Hauge(vo) Martin Myhre Olsen(ss,ts) Kjetil André Mulelid(p,org) Torgeir Hovden Standal(g) Martin Morland(b) Masåva) Henrik Lødøen(ds) Adrian Løseth Waade(vln) (c) 2019
昨秋ヤコブ・ヤングとのデュオ作を国内発売し、年末には初来日公演を成功させたノルウェーの女性ヴォーカリストの個人名義作。ジャジー・ポップなナンバーが多くを占め、ライヴでも印象付けられた美しく澄んだ歌唱が楽しめる。④はヴァイオリン、サックス、ギターが共鳴するバック・サウンドもいい。
5) ⑫Wrong Song / Julia Hülsmann Quartet / Not Far From Here』ECM 2664) 7:26
■Uli Kempendorff(ts) Julia Hülsmann(p) Marc Muellbauer(b) Heinrich Köbberling(ds) 2019.3, Pernes-les-Fontaines
ECMデビューから10年を超えたドイツ人ピアニストが、自己のトリオにテナー奏者を加えたカルテットのお披露目作。⑫は浮遊感を漂わせたテナーが、後半に進んで熱を帯びてトリオとの一体感を示す。パット・メセニー曲「This Is Not Amerca」の2種類のヴァージョンも収録。
6) ④Irrationalities / Petros Klampanis (from『Irrationalities』Yellowbird Records) 7:01
■Kristjan Randalu(p) Petros Klampanis(b,vo) Bodek Janke(ds) 2017.11.15-17, Athens
ギリシャ出身のクランパニスが、エストニア生まれのランダル、ポーランド出身のヤンケと組んだ初作。長い間アテネとNYを往復する生活によって、音楽を通じた再創造と再発見の必要性を感じたことが作品コンセプトの土台。④はエキゾチックな旋律が躍動するリーダーの自作曲。