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テーマ曲:③ Grazing In The Grass / Paul Brown (from『Ones Upon A Time』Woodward Avenue Records 19526900978) 3:55
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1) ⑦One Morning In May / Alan Broadbent (from『Trio In Motion』Savant Records SCD-2188) 6:18
■Alan Broadbent(p) Harvie S(b) Billy Mintz(ds) (c) 2020
2019年の前作『New York Notes』と同じトリオが、ブロードベントの自宅スタジオで録音。パーカー、コルトレーン、デスモンド、トリスターノといったジャズマン・オリジナルを選曲して、モダン・ジャズをトリビュート。ホーギー・カーマイケルの⑦は93年のデュオ作でも選んでいて、軽やかなワルツに仕上げている。
2) ⑥Autumn Bugle / Martin Wind (from『White Noise』Laika Records LAIKA 3510382.2) 5:11
■Martin Wind(b) Philip Catherine(g) Ack Van Rooyen(tp,flh) 2019.11.13, Machelen, Blegium
2013年からカテリーンとデュオ活動をしてきたウィンドが、オランダのヴァン・ルーイエンと組んだ国際トリオのお披露目作。スイート・ジャズ・トリオが活動休止しただけに、この編成は貴重な存在。⑥は録音時に89歳だったトランペット翁の楽曲で、味わい深いソロとインティメイトなアンサンブルが聴ける。
3) ⑨River / Matthieu Bordenave (from『La traversée』ECM 2683) 4:46
■Matthieu Bordenave(ts) Florian Weber(p) Patrice Moret(b) autumn 2019, Pernes-les-Fontaines, France
1983年仏生まれで、ミュンヘン在住のボーデネイヴは、2018年の福盛進也盤を助走作として、このECM初リーダー作に到達。ジミー・ジュフリー3の成果を参照しながらも、音色とニュアンスを重視したサウンドが特徴。⑨はデュオの同一曲①のトリオ・ヴァージョンで、ピアニッシモにこだわったテナーの吹奏が繊細だ。
4) ④Strange Flower / Ellen Andrea Wang (from『Closeness』Ropeadope RAD576CD) 5:29
■Ellen Andrea Wang(b,vo) Rob Luft(g,vo) Jon Fält(ds,per,vo) 2019.9.29-10.1, Lillehammer, Norway
PixelやGURLSといったユニットでも活動してきたノルウェーの新世代ベーシストが新たに結成したトリオによる、3枚目の個人名義作。オーネットやメセニーの歌唱カヴァー曲も興味深い全9曲。エレン作曲の④はメセニーの影響が認められる曲調で、エンディングに向かってバンドが一体となる展開に惹かれる。
5) ②Subwaygroove / Marylin Mazur’s Future Song (from『Live Reflections』Stunt Records STUCD20082) 6:19
■Nils Petter Molvær(tp) Hans Ulrik(ts) Makiko Hirabayashi(p) Eivind Aarset, Krister Jonsson(g) Klavs Hovman(b) Audun Kleive(ds) Marylin Mazur(per) (c) 2020
北欧の創造的なシーンを牽引する打楽器奏者が89年に結成し、メンバーを交代しながら継続してきたユニットのライヴ作。デンマークとノルウェーのトップを結集させたマズールの手腕は彼女ならでは。②は80年代に在籍したマイルスGでの学びを、環境を変えて生かした音作りに共感する。
6) ①Double Dealin’ / Randy Brecker & Eric Marienthal (from『Double Dealin’』Shanachie 5480) 4:10
■Randy Brecker(tp) Eric Marienthal(as) George Whitty(key) John Patitucci(b) Dave Weckl(ds) (c) 2020
フュージョン・シーンのトップを走り、長年の共演関係を続けてきた2人の、初のダブル・リーダー作。ブレッカーズの復帰作に貢献したウィッティーがプロデュース、作編曲でも全面協力。タイトル・ナンバーはエフェクター使用のトランペットがランディらしさを、痛快なアルトがマリエンサルらしさを発揮する。