全曲試聴:https://open.spotify.com/playlist/5S1uIVAZTKIVl5BK0aghqa
テーマ曲:①Dr. Dolittle / Najee (from『Savoir Faire』Shanachie SHA54962) 4:28
1) ③With The Wind And The Rain In Your Hair / Alan Broadbent Trio (from『Like Minds』Savant Records SCD-2198) 7:18
■Alan Broadbent(p) Harvie S(b) Billy Mintz(ds) 2021.4.29, 7.27, NY
2019年のSavant移籍作以来のレギュラー・トリオによる第3弾。パーカー、ロリンズ、パウエルらのジャズ・ナンバーを含む、全9曲のカバー集は、寛いだ雰囲気を醸し出すブロードベントが悠々自適の境地にあることを示す。エドワーズ&ローレンス作の③は、2002年作『あなたと夜と音楽と』にも収録しており、テーマからソロのスムーズな流れが心地良い。
2) ⑦On The Stairs / Alternative Guitar Summit (from『Honoring Pat Martino, Vol.1』 HighNote HCD 7333) 6:35
■Dave Stryker, Paul Bollenback(g) Dezron Douglas(b) Allan Mednard(ds) 2021.3
闘病中の名手のために14名のギタリストが賛同して、所縁の楽曲を集めたオムニバス作(マルティーノは本作録音の8ヵ月後に逝去)。ピーター・バーンスタインからレズ・アバシ、オズ・ノイまでの多彩な顔ぶれが故人の影響力を物語る。⑦はストライカー&ボーレンバックの通好みツインギターによる競演で、短いソロ・リレーによる攻防が手に汗を握る。
3) ③Wild Flower / Thomas Hass – Thomas Blachman (from『The Shortlist』Gateway Music HB2022-1) 7:08
■Thomas Hass(ts) Artur Tuznik(p) Thomas Fonnesbæk(b) Thomas Blachman(ds) 2021.12.14,15
80年代にデンマークの若手ユニットPage Oneの同僚だったハスとブラックマンが、60年代の作曲家ウェイン・ショーターに着目したソングブック。当時を意識したと思われるアナログ的な音作りがミステリアスで独特な曲調とマッチ。『Speak No Evil』からの③は、個人的には91年に新譜『Notes In Time』から注目しているハスの別の一面を知る思い。
4) ①A View With A Room / Trish Clowes (from『A View With A Room』Greenleaf Music GRE-CD-1094) 4:57
■Trish Clowes(ts,ss) Ross Stanley(p,el-p,org) Chris Montague(g) James Maddren(ds)2021.8.31, 9.1, London
2010年にアルバム・デビューした英国人サックス奏者が率いるユニットMy Irisの4枚目で、デイヴ・ダグラスのレーベルと結びついたのが興味深い。コロナ禍に行ったストリーミング・ライヴのためにクラウズが書いた全8曲は、電気鍵盤とギターが入ったベースレスの編成で独自性を追求。①はバンドの躍動感が伝わるタイトル・ナンバー。
5) ②Old Habits / Tomasz Dąbrowski (from『The Individual Beings』April Records APR093CD) 5:10
■Tomasz Dąbrowski(tp,electronics) Fredrik Lundin(ts) Irek Wojtczak(ts,ss,electronics) Grzegorz Tarwid(p,key) Max Mucha(b) Knut Finsrud(ds) Jan Emil Młynarski(ds,el-ds) (c) 2022
ポーランド出身でコペンハーゲンを拠点とするトマス・ダブロウスキは、2010年代初頭からアルバム制作を加速させ、ソロからカルテットまでの小編成を中心に、南博とのユニットでも活動。本作は8曲すべてが自作で、エレクトロニクスも取り入れて故トマス・スタンコを追悼。②はメランコリックなテーマで始まり、情感豊かなソロで恩師を悼む。
6) ⑥Sing Me Softly Of The Blues / John McLaughlin (from『The Montreux Years』 The Montreux Years BMGCAT555CD) 8:05
■John McLaughlin(g) Joey DeFrancesco(org,tp) Dennis Chambers(ds) 1995, Montreux
《モントルー・ジャズ祭》からの未発表新シリーズに、84~2016年に出演したマクラフリンのマハヴィシュヌ・オーケストラ、パコ・デ・ルシアとのコラボ、ザ・フォース・ディメンション等の未発表音源集がエントリー。⑥は94年発表作『Tokyo Live』と同じトリオが、カーラ・ブレイの名曲を“フリー・スピリッツ”流の重量級でリメイク。