全曲試聴:https://open.spotify.com/playlist/01IpvFRQ3X4n0Pepl6GEYV
テーマ曲:①Hustle / Jazz Funk Soul (from『Forecast』Shanachie 5498) 3:33
1) ②Splendido Sundance / Al Di Meola-John Mclaughlin-Paco De Lucia (from『Saturday Night In San Francisco』Ear Music 0217791EMU) 7:05
■Al Di Meola, John Mclaughlin, Paco De Lucia(g) 1980.12.6, San Francisco
81年に発売されるや、フュージョン&ギター好きの若者から圧倒的支持を集めた『スーパー・ギター・トリオ・ライヴ』の翌日に収録された未発表作。トリオの呼びかけ人だったディ・メオラの秘蔵テープは、嬉しいことに全7曲が前日との重複なし。3人による技巧の競演が満載の中、①は「地中海の舞踏」に通じるメロディが40年前にタイムスリップさせてくれる。
2) ⑦You Were Meant For Me / Carol Sloane (from『Live At Birdland』Club 44 Records) 4:48
■Carol Sloane(vo) Scott Hamilton(ts) Mike Renzi(p) Jay Leonhart(b) 2019,NYC
60年代のCBSで初期キャリアを築き、70年代に日本でも評価が上昇。90年代にConcordで秀作を残したスローン(1937~)の82歳の年の本クラブ・ライヴは、アルバム・デビューから60年の節目に重なっており、全12曲はキャリア総決算の趣も。⑦は1929年のミュージカル・ナンバーで、ハミルトンのソロ共々、インティメイトな雰囲気が心地良い。
3) ①Now What? / Team Hegdal (from『Vol.5』Particular Recordings P43CD) 7:35
■Eirik Hegdal(as,bs,sn,ts,bass-s,cl,b-cl) André Roligheten(ts,b-cl) Ole Morten Vågan (b) Gard Nilssen(ds) (c) 2022
2010年に初作を発表したエイリク・ヘグダル(1973~)率いるノルウェーのピアノレス・カルテット。前作から5年の間に、特にルーリヘッテンの成長ぶりが著しく、今やオールスターズの様相を呈しているのが見逃せない。多彩な経験を誇る強者たちが、フレキシブルな姿勢で音楽に取り組む姿勢に共感。①は2サックスが緊張感を高め合う展開がスリリング。
4) ①Une Longue Route Blanche / Louis Sclavis (from『Les Cadences Du Monde』 JMS 123-2) 7:08
■Louis Sclavis(cl,b-cl) Annabelle Luis, Bruno Ducret(cello) Keyvan Chemirani(zarb,daf) 2021.4, 2022.2, France
ピアノ・トリオを擁した2019年の『Characters On A Wall』(ECM)が記憶に新しいスクラヴィスが、またまた新プロジェクトを公開。チェロ×2(マルク・デュクレの息子を含む)+ペルシャの伝統打楽器とのカルテットは、室内楽と民族音楽を独自の美意識で融合させたサウンドが横溢。①は曲名に重なる映像的イメージを喚起する美しいトラック。
●Louis Sclavis “Ce Logis Dépouillé” en session TSFJAZZ !:
5) ⑤Belladonna / Mary Halvorson (from『Belladonna』Nonesuch 075597910377) 8:00
■Mary Halvorson(g) The Mivos Quartet [Maya Bennardo, Olivia De Prato(vln) Victor Lowrie Tafoya(vla) Tyler J. Borden(cello)] © 2022
前回紹介したセクステットの『Amaryllis』と同日リリース作で、こちらは3曲のみの参加だった弦楽四重奏との全面共演。ネッド・ローゼンバーグやアンブローズ・アキンムシーレとのコラボ実績があるMivosが、ハルヴォーソンと対等の関係で共闘。⑤はSQのコンポジション・パートが厚めのサウンドにおける、ギターのユニークな響きを追求している。
6) ⑦Remember Rockefeller At Attica / Ethan Philion (from『Meditations On Mingus』Sunnyside SSC 1666) 6:42
■Russ Johnson, Victor Garcia(tp) Norman Palm, Brendan Whalen(tb) Rajiv Halim (as) Geof Bradfield(ts,b-cl,fl) Max Bessesen(ts,as,fl) Alexis Lombre(p) Ethan Philion (b,arr) Dana Hall(ds) 2021.9.27, Chicago
シカゴ在住5年のベーシストが、今年で生誕100周年を迎えた巨星が音楽を通じて訴えながら現在も未解決である人種差別等の社会問題を踏まえて、そのレガシーを現在に伝える初のテンテット作。ミンガスBBの存在を承知したフィリオンの心意気や良し。『Changes One』(74年)からの⑦は原曲の息吹きを残したな果敢なアレンジとメンバーの好演を高評価。