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テーマ曲:Commercial Free / Mattias Roos (Skytown Records, single) 3:34
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1) ①Conception / John Patitucci, Vinnie Colaiuta, Bill Cunliffe (from『Trio』Le Coq Records LECOQ2104) 5:25
■John Patitucci(b) Vinnie Colaiuta(ds) Bill Cunliffe(p) 2021, Hollywood
別々の仕事でキャピトル・スタジオに来ていたカンリフとパティトゥッチ&カリウタに、プロデューサーが録音を提案。このメンバーでは初のトリオは、スタンダード&ジャズ・ナンバー集ということもあって新鮮に響く。ジョージ・シアリング作曲の①は、キース・ジャレットも選曲したバピッシュなナンバーで、全員のプロフェッショナルとしての技が光る。
2) ⑤Underdog / Jeremy Pelt (from『Griot: This Is Important!』High Note Records HCD7341) 4:35
■Jeremy Pelt(tp) Chien Chien Lu(vib) Victor Gould(p,key) Vicente Archer(b) Allan Mednard(ds) Ismel Wignall(per) Brandee Younger(⑬:harp) 2020.9.14,15, NJ
西アフリカ伝統のグリオに関する知的好奇心が高まったペルトが、研究の一環としてミュージシャンにインタヴュー。バーサ・ホープ、JDアレンら8名のコメントを挿入し、それらに触発された自作曲を並べた構成がユニーク。⑤は2019年に他界したラリー・ウィリス(p)の声に続くアップ・ナンバーで、台湾出身の若手ルーが好演。
3) ⑥Let Me Weep / Mulo Francel & Nicole Heartseeker (from『Forever Young』GLM Music FM 313-2) 5:03
■Mulo Francel(ts,cl) Nicole Heartseeker(p) © 2021
ワールド・ミュージック畑のフランセルと、クラシック出身のハートシーカーは、2007年に共演関係をスタートし、2年後にデビュー作『Angel Affair』をリリース。本作はJ.S.バッハ、シューベルト、シューマン等のクラシック曲のカヴァー集で、時代に左右されない音楽の新鮮さを作品名が象徴。ヘンデルの歌劇『リナルド』より「私を泣かせてください」が原曲の⑥は、ゆったりとしたテンポのメランコリックな美旋律が味わえる。
4) ②When You’re Gone From Me / Georgia Mancio & Alan Broadbent (from『Quiet Is The Star』Roomspin Records 2020) 5:11
■Georgia Mancio(vo) Alan Broadbent(p) 2019
2017年の『Songbook』でアルバム・デビューした英国人歌手と歌伴奏名手のデュオは、作詞家&作曲家のチームとして楽譜本を出版しているほどで、本作は全9曲の成果を収録。清涼感に満ちたマンシオの歌唱が好ましく、ピアノとの最良のマリアージュを聴かせてくれるのが魅力。②は16歳のブロードベントが書き、歌詞がついて生命を得たバラード。
5) ⑩Preget Uten Minne / Tortusa (from『Bre』Jazzland Recordings 377 929 9) 4:02
■Tortusa(electronics) Arve Henriksen(tp) Eivind Aarset(g) Erland Dahlen(ds) & others © 2020
ノルウェー・スタヴァンゲル出身のエレクトロニック・ミュージシャン/プロデューサーは、本レーベルからの4タイトルを通じて母国のグラミー候補となるなど、評価が上昇。本作は自身のアイドルである先人たちを迎えて、進化するフューチャー・ジャズの現在を表現。⑩はヘンリクセンのトランペットを含むアンビエントなサウンドが心地良い。
6) ②Under The Radar / Ricky Peterson & The Peterson Brothers (from『Under The Radar』Leopard D-77079)
■Jason Peterson DeLaire(as) Ricky Peterson(key,vo) Willard Peterson(b) Paul Peterson(ds,g,vo); Lee Thornberg(tp) Ira Nepus(tb) Tom Peterson(saxes,arr) (c) 2021
デヴィッド・サンボーン・バンドで長年にわたり女房役を担ってきたリッキーが、兄弟&甥と組み、三兄弟所縁のベン・シドランが共同プロデューサーを務めたファミリー・バンド作。メンバーの自作曲を中心に、ファンキーでリラクゼーション溢れるナンバーが多数。②は4人の共作で、ジェイソンのエモーショナルなアルトを含め、サンボーン・バンドを想起させるのがファンには堪らない。