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テーマ曲:⑭Spellbound / Shakatak (from『Eyes Of The World』 Secret SECCD303 ) 4:36
1)②Acting Up / Ray Gallon (from『Grand Company』Cellar Live CMR101422) 4:48
■Ray Gallon(p) Ron Carter(b) Lewis Nash(ds) 2022.5.20, NJ②
NYのジャズ・シーンで30年以上にわたって活動中のピアニストは、2021年に初リーダー・トリオ作をリリース。この第2弾は前作にライナーノーツを寄せたギャロンの恩人であるロン・カーターが参加したヴァン・ゲルダー・スタジオ録音ということで、さらに格式がアップ。②はキメの多いテーマで始まり、ギャロンがスウィンガーぶりを全開にし、カーターとナッシュにもスポットが当たる爽快曲。
2) ⑦Life / Maria Grapsa Sextet (from『Life』Musical Dojo Records 38264) 9:54
■Maria Grapsa(p) Matthew Kilner(ts) Liam Brennan(as,cl,b-cl) Tommy Fuller(b) Kai Chareunsy(ds) Becca Wilkins(③⑤⑦⑧:vo) Emma Rawicz(⑦:ts) Tom Pountney(⑨:g) Torin Davies(⑨:g) James Owston(⑦:b) summer 2023
アテネで生まれ、英国王立音楽院で学んだピアニストのデビュー作。ヴォーカルと2管が入ったセクステットを名乗るあたりは、自己表現に必要な編成だから、だと思われる。子供時代の妹(姉?)の写真の使用や曲名にプライベート色が認められるが、それを抜きにしてもメンバーの配置を含む作編曲の才能は注目に値する。タイトル曲⑦はバンド・カラーを示す好例曲。
3) ⑧Love Song / Jasper Hoiby (from『Three Elements: Earthness』Edition Records EDN-1229) 7:46
■Jasper Høiby(b) Noah Stoneman(p) Luca Caruso(ds) 2023, London
今世紀の英国ジャズ界のトリオ部門で爪痕を残したフロネシスで名前を挙げ、2016年の2管クインテット作『Fellow Creatures』で個人活動も拡大したホイビーが、すべての楽器が輝くという認識の元に、改めて自己のトリオを編成して制作。チック『ナウ・ヒー・シングス』に深い影響を受けたとのトリオ観を踏まえると、⑧はアヴィシャイ・コーエン(b)・トリオとの関連性が明らかで興味深い。
4) ①Les Choses de la Vie / Erik Truffaz (from『Clap!』Blue Note 556375-5) 6:46
■Erik Truffaz(tp) Alexis Anerilles(p) Alexis Anerilles(syn) Matthis Pascaud(g) Marcello Giuliani(b) Marcello Giuliani(bass guitar) Raphaël Chassin(ds) Bertrand Belin(vo) 2023, Paris
1960年スイス生まれのフレンチ・トランペッターは、2020年にマリー=フランス・ブリエール監督からサントラの作曲と映画祭の出演を依頼されたことがきっかけで、映画音楽のカヴァー作2枚をBNで制作することが決定。今春の『Rollin’』に続く第2弾は、セルジュ・ゲインズブール、ミシェル・コロンビエ等の全8曲。『すぎ去りし日の…』(70年)からの①はフィリップ・サルド作曲で、トリュファらしいトランペットの音色が魅力。
5) ②Soba / Trio San (from『Hibiki』Jazzdor Series 20) 9:47
■Satoko Fujii(p) Taiko Saito(vib) Yuko Oshima(ds) 2022.6.8, Berlin
デュオ・チームFutariで活動してきた藤井郷子とベルリン在住の齊藤易子に、2000年からフランスを拠点にする大島祐子が加わったトリオは、2022年6月に欧州でデビュー・ツアーを行い、2023年1月の日本での初ツアーで逆輸入。本作は前者の3回目のステージからのライヴで、藤井作曲の②を始め、鍵盤楽器2台(p, vib)と打楽器2台(vib, ds)という共通点を持つ編成の即興的妙味が聴きどころだ。
6) ③The End Of A Bug Affair / Dominik Schurmann Ensemble (from『The Seagull’s Serenade』Dominik Schurmann 462740) 4:37
■Marc Ullrich(tp,flh) Claudio Bergamin(tp) Lukas Briggen(tb) Daniel Blanc(as,fl) Domenic Landolf(ts,ss,a-fl) Patrick Joray(ts,fl) Kira Linn(③④⑥⑨:bs) George Ricci(bs,b-cl,cl) Tilman Günther(p) Dominik Schürmann(b) Jãnis Jaunalksnis(ds) Song Yi Jeon(①⑥⑦:vo) 2023.2.11-13, Winterthur, Switzerland
1971年スイス生まれのベーシストは、2017年にピアノ・トリオGutfleisch-Schürmann-Freyを結成し、ヘンドリック・ミュールケンス(hmca)参加の2023年発表作『Roundabout』で注目を集めた。本作はホーン・アンサンブルをサウンドの特徴としており、シューマンのモダン・ジャズの研究成果と言える仕上がり。③は米西海岸ジャズを想起させる明るい曲調に惹かれるトラック。
●Dominik Schürmann Ensemble featuring Song Yi Jeon: The Seagull’s Serenade: