キーワード: サム・リヴァース/チック・コリア/マックス・ローチ
全曲試聴: https://open.spotify.com/playlist/6QIt9P1WvjIpQ9PqAyYiMy
テーマ曲:On the Road / Brian Culbertson (BCM Entertainment, single)
1) ①Ahead of the Curve / Marcello Carelli (from『First Impressions』Cellar Live CM061326) 5:11
■Bob Mintzer (ts) Russell Ferrante (p) Mike Gurrola (b) Marcello Carelli (ds) 2024.2.2,3, Glendale, California
モダン・ジャズを踏まえた正統派ドラマーのリーダー第2作。“First”と冠したのは、ケアリが奏者、作曲家、バンドリーダーとして真に成長したと初めて実感できた所以であり、ジョー・ヘンダーソン「リコーダ・ミー」を含めた全10曲も自身が編曲。①はアルバムのオープニングに相応しいアップ・ナンバーで、レーベル・カラーに沿ったミンツァーとフェランテに続き、カレリが切れ味のいいソロを披露する。

2) ③Gloria / Shai Maestro (from『Solo: Miniatures & Tales』Naïve BLV8889) 5:20
■Shai Maestro (p) © 2025
ECMからのトリオとカルテットの2タイトルでステージ・アップしたマエストロの4年ぶりのリーダー作は、キャリア初のソロ。10年前から制作意欲を持ちつつも、時期尚早との判断がこのタイミングで実現。アルバム名が示すように、2~3分の即興色の濃い6曲と、作曲されたトラックの可能性を探求した5~9分の4曲で構成しており、⑨「フォー・オール・ウィ・ノウ」等、随所でアイデアの秀逸さが光る。③は私的パートナーに捧げた自作曲で、クラシック音楽の土台とECMの歴史を築いたピアニストに通じる力量に唸る。

3) ①Driva’man / Terri Lyne Carrington & Christie Dashiell (from『We Insist 2025!』 Candid CDCND33562) 8:18
■Milena Casado (tp) Matthew Stevens (g) Morgan Guerin (b) Terri Lyne Carrington (ds) Weedie Braimah (per) Simon Moullier (vib) Christie Dashiell (vo) Christiana Hunte (dance) & others (c) 2025
モダン・ジャズ史上に刻まれているマックス・ローチの歴史的傑作が発したメッセージは、録音から65年を経た今も決して過去のものではなく、キャリントンがアビー・リンカーンのポジションに若手のダシェルを抜擢したことが貴い。また1曲ながら60年録音作で唯一現役のメンバーであるジュリアン・プリースターの参加も価値あり。4つの新曲を加えた全10曲にあって、①は時代を横断した広義の黒人音楽の要素を反映させた音作りだ。

4) Gary Burton – Kirill Gerstein / Chick Corea’s The Visitors (ECM 2853, digital only single) 12:23
■Kirill Gerstein (p) Gary Burton (vib) 2012.5, Kalamazoo
没後4年のチック・コリアが、その9年前に作曲した未発表曲が、健在であれば84歳を迎えるタイミングで登場。《ギルモア・ピアノ祭》とバークリー音楽大学の委嘱曲は、バートン&ゲルシュタイン・デュオが2012年の同祭で世界初演し、最近になってその音源が発見された。「記譜された音符をそのまま演奏するか、フレーズのバリエーションを演奏するか、常に選択できるように作曲しました」とのチックのコメントに納得の演奏であり、後半に進むにつれてチック&バートンを想起させるシーンが現出。

5) ④No Time To Loose / Scheen Jazz Orchestra & Fredrik Ljungkvist (from『Framåt!』Grong Music Productions GMP25002) 8:52
■Finn Arne Dahl Hanssen, Thomas Johansson (tp) Mats Äleklint, Frøydis Aslesen (tb) Åsgeir Grong (btb) Jon Øystein Rosland (ts) Fredrik Ljungkvist (ts,cl) André Kassen (ts,ss) Guttorm Guttormsen (as) LIne Bjørnør Rosland (cl) Jan Olav Renvåg (b) Audun Kleive (ds) Mattias Ståhl (vib) 2023.11.10, Skien, Norway live at Skiensjazzdraget in Ibsenhuset on November 10, 2023.
ノルウェー南部テレマルク県の県庁所在地シェーエンで2010年にライヴ・デビューした楽団から委嘱されたスウェーデンのリュンクヴィストは、2023年に他界した父親を想ってフル・セットのプログラムを作曲。同年秋のツアーのハイライトを収めた本作の④は、フルート、ヴィブラフォン、テナーをフィーチャーして、レクイエム的なムードも重なっている。

6) ⑨Paean / Mark Masters Ensemble (from『Sam Rivers 100』Capri Records 74173) 7:20
■Tim Hagans (④⑧⑨:tp) Mike Cottone, Nathan Kay, Ryan DeWeese (tp,flh) Dave Woodley, Fred Simmons, Les Benedict (tb) Billy Harper (ts) Jerry Pinter (ts,ss) Nicole McCabe (as) Tom Luer (bs) Jeff Colella (p) Chris Colangelo (b) Kendall Kay (ds) 2023. 10.16
35年間にわたって大編成作を制作し続けるマスターズが、その最初期の90年作に招いたビリー・ハーパーとの再会作2タイトルを同時にリリース。こちらは2023年に生誕100周年を迎えたサム・リヴァースのソングブックで、モダン・ビッグ・バンドの定石を踏まえつつ、マスターズのまろやかなアレンジが加わって、アルバムに統一感をもたらしている。全11曲の本作で最大の6曲を占める初リーダー作『Fuchsia Swing Song』ではなく、67年作『Dimensions & Extensions』からの⑨は、近年で最高のソロを披露するヘイガンズが存在感を示すトラック。














