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テーマ曲:③Gone Fishin’/ Larry Carlton & Paul Brown (from『Soul Searchin’』 Shanachie SHANCD5490) 4:44
1) ④The Shade Of The Cedar Tree / Christian McBride & Inside Straight (from『Live At The Village Vanguard』Mack Avenue Records MAC-1192) 8:18
■Steve Wilson(as,ss) Warren Wolf(vib) Peter Martin(p) Christian McBride(b) Carl Allen(ds) 2014.12, NYC
2007年にマクブライドが結成したクインテットが第2弾『People Music』を発表した翌年に、自身と所縁が深いNYの老舗クラブに出演。その未発表音源がこのタイミングでアルバム化されたのは、コロナ禍でできる年末の贈り物の意識があったのかもしれない。自作曲④は、主流派モダン・ジャズのレガシー継承の意思が伝わってくるメンバー紹介的なトラック。
2) ①Infant / Enrico Rava (from『Edizione Speciale』ECM 2672) 13:01
■Enrico Rava(flh) Francesco Bearzatti(ts) Giovanni Guidi(p) Francesco Diodati(g) Gabriele Evangelista(b) Enrico Morello(ds) 2019.8.18, Antwerp
イタリアの巨匠が母国の若手と組んだセクステットを率いた、《ジャズ・ミドルハイム》でのライヴ。80歳の誕生日を2日後に控えるタイミングで、『Enrico Rava Quartet』(1978年)と『Wild Dance』(2015年)からの自作レパートリーを柱に、有名カバー2曲を含む全6曲で構成。①はオーネット・コールマンを想起させるユニゾン・テーマで始まり、メンバーの自由な精神が発揮されたトラック。
3) ④Blue Whale / Niklas Winter & Lorenzo Cominoli / The Lighthouse (Abvoice 1021) 6:42
■Niklas Winter, Lorenzo Cominoli(g) Jesper Bodilsen(⑩:b) 2020, Finland
小編成の作品を自身のレーベルからリリースしてきたフィンランドのウィンターは、2010年にティーム・ヴィニカイネンとのギター・デュオを制作しているが、今回はイタリアで出会ったコミノリと共にコンセプトを変えて、作曲した楽曲と調性を決めた即興演奏を半数ずつの計10曲を収録。④はどこか懐かしさを感じさせるメロディが、心地よい流れを生み出している。
4) ⑧Rubato Alla Grande / The Source (from『…But Swinging Doesn’t Bend Them Down』Odin Records ODINCD9577) 6:39
■Øyvind Brække(tb) Trygve Seim(sax) Mats Eilertsen(b) Per Oddvar Johansen(ds) 2019.10, Svenkerud, Norway
トロンハイム音楽院で学んだ4人が93年に結成し、2006年にECM盤を発表しているユニットは、現在に至る各メンバーの成長を重ね合わせれば、それはすなわちノルウェー・ジャズの発展と同じ意味を示す。ロバート・フロストの詩からアルバム名を借用した全14曲。⑧は曲名通りのテンポ・ルバートで、ソロ・リレーを経て2管ユニゾンに至り、彼らの日常的な音風景を描く。
5) ④The Earth Is # / Friends & Neighbors (from『The Earth Is #』Clean Feed CF584CD) 9:26
■André Roligheten(ts,fl,b-cl,bass-s) Thomas Johansson(tp,flh,perc) Oscar Grönberg (p) Jon Rune Strøm(b) Tollef Østvang(ds,perc) 2021.4.9-11, Halden, Norway
2008年に始動したクインテットは同年のノルウェー取材時にまだ学生だったルーリヘッテンと知り合っていたので、順調なキャリアが喜ばしい。オーネット・コールマンの70年作をユニット名に冠し、60年代の米国進歩派に由来する音楽性が、複数の管楽器と共に展開。第5弾からの④は偉大な先人のマナーを吸収しながら、個人技を堪能できる仕上がり。
6) ⑨7 Uomini d’oro / Torino Jazz Orchestra (from『The Golden Age – Music By Armando Trovajoli』Jazz City Records JCTRS033) 6:34
■Torino Jazz Orchestra , Fulvio Albano(cond,as,cl) Dino Piana(tb) Franco Piana(tp,flh,arr) Scott Hamilton(①⑨:ts) Terrel Stafford(③⑤:tp) 2014~2019
ジャンニ・バッソが設立し、85年にレコード・デビューした楽団は、ダスコ・ゴイコヴィッチ参加作やイリノイ・ジャケー追悼作を発表。本作はイタリア映画音楽界の名匠を称えるソングブックで、正統派モダン・ビッグバンドとして楽しめる仕上がり。『黄金の七人』(1965年)からの⑨はゲストのスコット・ハミルトンをフィーチャーしたスウィンギーなナンバー。