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テーマ曲:③Outta Sight / Nils (from『Caught In The Groove』Baja/TSR Records BAJ560)
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1) ①Focus Pocus / David Gilmore (from『From Here To Here』Criss Cross Jazz 1405 CD) 6:36
■David Gilmore(g) Luis Perdomo(p) Brad Jones(b) E.J. Strickland(ds) 2018.9.12, NY
M-BASE出身のギルモアが方向転換を印象付けた2016年の前作に続くCriss Cross第2弾。ゲストを迎えずカルテットに固定し、10曲中8曲を自作で統一。その中の①は主流派ギタリストの魅力を打ち出しながら、現代NYの空気感も表出。昨年逝去したプロデューサー、ジェリー・ティーケンズへの追悼作。
2) ①Ratio Man Strikes Again / Jason Marsalis (from『Jason Marsalis Live』Basin Street Records BSR 0306) 6:22
■Jason Marsalis(vib) Oscar Rossignoli(p) Jasen Weaver(b) Gerald Watkins(ds) 2017.5.5, New Orleans
2009年作でヴィブラフォンを新たな主楽器だと表明したドラマーのジェイソンが、地元のサロンに出演したステージを収録。6曲すべてを自作で揃えて、名門ジャズ一家の末っ子が独立独歩をしている姿勢をアピール。“21世紀のトラッド・バンド”を名乗った2017年作収録曲の①は、会場のホットな雰囲気を伝えるアップ・ナンバー。
3) ④Reverie / Jean-Louis Matinier, Kevin Seddiki (from『Rivages』ECM 2617) 3:19
■Jean-Louis Matinier(accordion) Kevin Seddiki(ac-g) 2018.4, Lugano
ECMではアヌアル・ブラヒム、ルイ・スクラヴィス盤に参加し、2014年発表作『Inventio』でスウェーデンの伝統楽器nyckelharpa奏者とのデュオ作の実績がある仏アコーディオン奏者が、パートナーを変えた新作。2人の共作による④は2つの楽器の親和性を示していて、心地良い音空間が広がる。
4) ③Part Three / Rava/Herbert/Guidi (from『For Mario (Live)』Accidental Records AC139) 13:08
■Enrico Rava(tp) Matthew Herbert(key,electronics) Giovanni Guidi(p) Hugh Jones(live sampling) 2016, Italy
師弟関係にあるイタリアンのラヴァ&グイディと、音楽畑違いのハーバートが合体したトリオが、イタリア各地で行ったライヴ音源で構成。アコーステイック楽器とエレクトロニクスの融合を目指したサウンドは、即興演奏とミュジーク・コンクレートの美しい出会いと言える③が顕著な成果。
5) ⑦Ever After / Hans Ulrik & Anders Mogensen (from『The Meeting』AMM) 4:13
■Hans Ulrik(ts,ss) Niclas Knudsen(g) Steve Swallow(b) Anders Mogensen(ds) 2019.9.15, Copenhagen
デンマークのウルリクが90年代末から共演関係にあるスワロウを迎えた再会作。両者のオリジナル曲に、スタンダード、北欧トラディショナル、ナシメントを加えたプログラムで、鍵盤抜きカルテットの魅力を打ち出す。⑦は古謡にも似たメロディが郷愁を誘うスワロウ作。
6) ⑧On The Edge / John Fedchock NY Sextet (from『Into The Shadows』Summit Records SMT 765) 6:24
■John Fedchock(tb) Scott Wendholt(tp,flh) Walt Weiskopf(ts) Allen Farnham(p) David Finck(b) Eric Halvorson(ds) (c)2020
自己のNYビッグ・バンドの作品を通じて、トロンボーン・リーダーとしての地位を確立しているフェチョックの、10年ぶりとなるセクステット作。高い評価を得る編曲家の手腕は「アイ・シュッド・ケア」等のスタンダード曲に明らか。⑧はピアノ・イントロ~3管ユニゾン・テーマ~ソロ・リレーと、テンポ良く進行する最終曲。