●全曲試聴:https://open.spotify.com/playlist/6CTaqZw7YROETBIqBRnfnD
■テーマ曲:⑨Soulmate / Nicholas Cole (from『The Weekend』Trippin ‘ N’Rhythm TNR108)
1) ①It Don’t Mean A Thing / Emmet Cohen featuring Benny Golson & Albert “Tootie” Heath (from 『Masters Legacy Series, Volume 3』Emmet Cohen) 5:51
■Emmet Cohen(p) Benny Golson(ts) Russell Hall(b) Albert “Tootie” Heath(ds) © 2019
ジミー・コブやロン・カーターと共演したリーダー作でジャズ巨匠からの奥義を吸収してきたコーエンのシリーズ第3弾は、大ヴェテランを迎えたモダン・ジャズ曲集。レーベルが自主に移行しても続ける作品企図を考えれば、志の高さを理解できるはず。エリントン・ナンバーをゴルソンと共演した価値の高さを認識するトラック。
2) ③Hoop And Pole / Hermine Deurloo (from『Riverbeast』Zennez ZR1912014) 5:00
■Hermine Deurloo(hmca) Kevin Hays(p,key) Tony Scherr(b,g) Steve Gadd (ds) (c) 2019
ウィレム・ブロイカー・コレクティーフのサックス奏者から独立後、正統派ハーモニカ奏者に転身したオランダ人デューローのリーダー第4弾。オリジナル曲を中心としたプログラムで、全編にわたってガッドが貢献したのが価値大。③はシンプルなメロディの繰り返しが生むグルーヴ感が心地良い。
3) ①Straling & Oak Tree / Stina Andersdotter (from『Straling & Oak Tree』Imogena IGLP 234) 4:53
■Stina Andersdotter(b,el-b,cho) Ove Ingemarsson(ts) Anders Persson(p, keys) Terje Sundby(ds) Blagoj Lamnjov(duduk, cl) Elina Nygren(vla) Linn Thelandersson(vo) © 2019
スウェディッシュのアンデルスドッターが実父パーション(p)の協力を得たLP仕様の初リーダー作。1曲を除くすべてを作曲してリーダーシップを発揮。エラ・フィッツジェラルドの影響を受けてジャズの道に入った若手歌手リンをフィーチャーしており、ヴォーカル好きにも見逃せない内容。
4) ①Sculptor / Kit Downes (from『Dreamlife of Debris』ECM2632) 6:01
■Kit Downes(p,org) Tom Challenger(ts) Stian Westerhus(g) Lucy Railton(cello) Sebastian Rochford(ds) 2018.11, Huddersfield and Snape, England
教会のオルガンを音楽の原体験とする英国のダウンズは、2018年のECM第1弾として教会録音のオルガン・ソロ作を発表し、新たな音楽性を打ち出した。本作は4人を起用しているが、バンド編成ではなくソロやデュオのパートが多くを占めるもので、①はピアノとテナーが美しく静謐に融和。
5) ③Nynne’s Sang / Petri-Reed-Svendsen-Moore (from『Prism』Storyville 1014330) 5:32
■Ralph Moore(ts) Eric Reed(p) Matthias Petri(b) Andreas Svendsen(ds) 2017.10.1,2,Copenhagen
2015年に結成した著名米国人2名と若手デニッシュ2名からなるカルテットのお披露目作。オリジナル曲をアメリカン・メインストリーム・ジャズに根差したスタイルで演奏したワン・ホーン・サウンドは良曲が多く、好感度が高い。欧米の両者がウィン&ウィンの関係を築いた成果と言える秀作だ。
6) ⑭Goin’ Back To New Orleans / Dr. John & WDR Big Band (from『Big Band Voodoo』Orange Music Records 982) 7:35
■Dr. John(p,vo) WDR Big Band 1995, Koln
2019年6月に永眠した個性派歌手の、死後に発表された未発表作。しばしばジャズとの親和性をアルバムでも示していたジョンが、ニューオリンズ・ジャズ由来のナンバーをドイツの楽団と共に、自身の流儀で演奏したのが痛快。⑭はアフロ・キューバンなアレンジが作品のハイライトを演出するナンバー。