Feb 25, 2020

NEW DISCS ＜2020-02-02＞

キーワード : フレッド・ハーシュ／ウィル・ヴィンソン／ジェン・アレン／ジョン・ステッチ／オデッド・ツール／テイン・ヴァーブルーゲン／シェリー・マリクル

●全曲試聴： https://open.spotify.com/playlist/1iN39Ew3ddJBYaEMgZdol9

■テーマ曲：②The Road Never Ends / Brian Simpson & Steve Oliver (from『Unified』Shanachie SHACD5472)

1) ⑧KW / Will Vinson (from『Four Forty One』Whirlwind Recordings WR4752) 7:05

ロンドン出身のヴィンソンがNY移住20周年の節目に、サリヴァン・フォートナー、ティグラン・ハマシアン、ジェラルド・クレイトン、ゴンサロ・ルバルカバら、最も偉大だと思うピアニスト5名と、5組のトリオで録音した夢の企画作。ハーシュとのブリン・ロバーツ(p)曲⑧は、ソプラノとピアノが美しく共鳴する。

2) ⑥Prickly Pear / Jen Allen (from『Sifting Grace』Next Level NL2007) 5:43

大学での教育活動にも力を注ぐピアニストの、8年ぶりの新作。トランペットやギターが加わった前作とは趣を変えて、クリスが連続参加したカルテットを編成。自作曲にこだわる姿勢は全曲オリジナルの本作でも同様で、メンバーは無名ながらも⑥はスウィンギーで心地良いカルテット・サウンドを創出。

3) ⑤Oscar’s Blue-Green Algebra / John Stetch & Vulneraville (from『Blue Canada』John Stetch 875531017359) 7:26

■Steve Kortyka(ts) John Stetch(p) Marty Kenney(b) Philippe Lemm(ds) 2019.8.1,2,4, NYC

20年前のトリオ秀作の印象がいまだに強いカナダ出身のピアニストは、NYを拠点とするバンドを結成し、2017年にアルバム・デビュー。早くも2019年の2枚目となる第3弾を発表。⑤はステッチのユニークな作曲とアレンジのセンスを浮き彫りにしたトラック。

4) ①Here Be Dragons / Oded Tzur (from『Here Be Dragons』ECM 2676) 8:29

■Oded Tzur(ts) Nitai Hershkovits(p) Petros Klampanis(b) Johnathan Blake(ds) 2019.6, Lugano

イスラエル生まれで現在はニューヨーカーのテナー奏者が、遂にECMにデビュー。同国のハーシュコヴィッツ、ギリシャのクランパニス、米国のブレイクからなる国際カルテットを編成し、自作曲を柱にメンバーの提供曲と合わせて構成。①は過去作では聴けないECMの流儀を踏まえたバラードで、チャールス・ロイドを想起させるのが興味深い。

5) ①De Teun Van Eden / The Bureau of Atomic Tourism (from『Eden』RAT 043) 6:51

ベルギーのドラマーが率いる国際色豊かなセクステットの4年ぶりとなる6枚目は、ギタリストを除く4人が交代したお披露目作。1～2分台の楽曲を点在させた全14曲の構成で、変わらず前衛的な実験精神を発揮。①はそんなバンド・カラーとヴァーブルーゲンのリーダーシップを濃厚に反映したトラック。

6) ⑤The One I Love Belongs To Somebody Else / The DIVA Jazz Orchestra (from『DIVA + The Boys』MCG Jazz 1047) 5:53

■Tanya Darby, Jami Dauber, Rachel Therrien, Barbara Laronga(tp,flh) Jennifer Krupa, Linda Landis(tb) Leslie Havens(btb) Scheila Gonzales(as,fl,cl) Alexa Tarantino(as,ss,fl,cl) Leigh Pilzer(bs,b-cl) Roxy Coss(ts,fl,cl) Janelle Reichman(ts,cl) Ken Peplowski(cl) Tomoko Ohno(p) Noriko Ueda(b) Sherrie Maricle(ds) 2017.3.10,11, Pittsburgh, Pennsylvania

山中千尋が在籍したことでも知られるシェリー・マリクルが率いるDJOは、30年近い歴史を刻む女性ビッグ・バンドの代表格。作品名通り、4名の男性ミュージシャンをゲストに迎えて、新境地を開いた。⑤はケン・ペプロウスキーをフィーチャーし、アイシャム・ジョーンズ楽団のスウィング・ナンバーをノスタルジックなムードも漂わせてカヴァー。