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テーマ曲:①Red Express / かつしかトリオ (from『かつしかトリオ』音楽館) 5:41
1) ⑧Klactoveedsedstene / Aaron Seeber (from『First Move』Cellar Live CL103121) 8:26
■Tim Green(as) Warren Wolf(vib) Sullivan Fortner(p) Ugonna Okegwo(b) Aaron Seeber(ds) 2021.10.19, Ornithology Jazz Club, NY
ワシントンD.C.出身で29歳のニューヨーカーの初リーダー作。2010年代から自身をバンドに起用してくれたグリーンやウルフら、これまでに共演関係を築いた著名ミュージシャンが協力。アル・フォスター、ベニー・ゴルソン、ジェリ・アレンらの選曲で、シーバーの基盤を表明。チャーリー・パーカーの⑧は全員のバップ・スピリットが燃え上がる痛快なトラック。
2) ④Ambleside Nights / John Aram & The United Underground Orchestra (from『Rhapsody In Red』self-release) 5:02
■Tom Walsh, Jeff Baud(tp) John Aram(tb) Tim Garland(ts,b-cl,fl) Graeme Blevins(sax,
fl) Matthias Tschopp(bs,b-cl) Joe Locke(vib) Tom Crawley(p) Rob Luft(g) Phil Donkin(b,el-b) Arthur Hnatek(ds) Amy Keys(vo) 2020
英国のトロンボーン奏者がガーランドのテンテットを母体に、在住経験のあるスイスの奏者も起用して2017年に共同で始動した楽団が、両国でのライヴ活動を重ねてコロナ禍直前に録音した作品が登場。11名+1のアンサンブルが、ガーシュウィンへのオマージュ等、良質のオリジナル曲を披露。躍動感溢れる④は2枚看板のテナーとヴァイブのソロが光る。
3) ④Wenn Der Mund Schweigt / Rotwelsch (from『Die Welt Hat Das Genialste Streben』Unit Records UTR5049) 5:07
■Philipp Maria Rosenberg(p) Florian Kolb(b) Lucas Johnson(ds) (c) 2022
スイスの若手トリオと言えば2000年代のルスコーニが記憶されるが、まったくタイプの違うユニット名の新鋭が登場したことを喜びたい。ローゼンバーグ率いるトリオのドイツ語作品名『世界は最も輝かしい願望を持っている』に彼らの自信が伺えるし、クオリティの高いオリジナル曲集は欧州からの回答として納得。④はキース・トリオを咀嚼した成果として高評価。
4) ⑤Love Song For The Rainy Season / Oded Tzur (from『Isabela』ECM 2739) 7:27
■Oded Tzur(ts) Nitai Hershkovits(p) Petros Klampanis(b) Johnathan Blake(ds)2021.9, Lugano
イスラエル出身のニューヨーカーは2015年の初リーダー作では発展途上の印象だったが、ピアノとドラムが交代した2020年の『Here Be Dragons』でECMデビューする幸運を獲得。メンバーが変わらない同第2弾は全5曲、約35分の自作曲集で、キャリア最上位作。レーベル・カラーに沿ったサウンドの中で、⑤はエンディングに向かってテナーが熱演する最終曲。
5) ④Hive Mind / Copenhagen Clarinet Choir / Organism (ÅR & DAG AD10) 4:46
■Carolyn Goodwin, Anders Banke, Francesco Bigoni, Maria Dybbroe, Jonas Engel, Henriette Groth(cl) Copenhagen © 2022
アイルランド人のグッドウィンがデンマーク人3名、イタリア人、ドイツ人と結成したクラリネット・セクステットのデビュー作。二つの組曲を含む全9曲は同じ木管楽器のアンサンブルゆえに生み出せる倍音効果を含む音作りで独創性を発揮。メンバー5人の共作とクレジットされている④はコンポジションの中に即興性を織り込んだ技巧が聴きもの。
●Copenhagen Clarinet Choir – Erik – Throat – Opdatus
https://www.youtube.com/watch?v=TvJLvMHw2pM
6) ①Mambo Influenciando / Chucho Valdés & Paquito D’Rivera Reunion Sextet (from『I Missed You Too!』(Sunnyside SSC 4562) 4:10
■Diego Urcola(tp,vtb) Paquito D’Rivera(as,cl) Chucho Valdés(p) José A. Gola(b,el-b) Dafnis Prieto(ds) Roberto Junior Vizcaino(per) 2022.1.13,14, Miami
70年代にキューバ発ユニットとして一世を風靡したイラケレの2人は、80年にパキート(1948~)が米国に亡命したため共演の機会が失われたが、近年はたびたびライヴで再会。ヴァルデス(1941~)との久々の共演作は、現在米国で活躍するウルコラ、プリエトとの充実の布陣。①はマイルスへのシンパシーを示すピアノ・ソロを含むアップ・ナンバー