●全曲試聴: https://open.spotify.com/playlist/1rZ4LgTJVmlULLGH2BTEIz
■テーマ曲:①Caught Me By Surprise / Vincent Ingala (from『Echoes Of The Heart』Shanachie SHACD5474)
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1) ④Galadari / Rajiv Jayaweera (from『Pistils』Outside in Music 2008) 6:35
■Chris Cheek(ss,ts) Aaron Parks(p) Hugh Stuckey(g) Sam Anning(b) Rajiv Jayaweera(ds,cymbals,thammattama,caxixi) (c)2020
ロンドン生まれ、メルボルン育ちのスリランカ系ニューヨーカーによるデビュー作。シリル・エイメやジョー・チンダモ作の助演者と言えば、親近感が沸くだろう。著名人を得たバンド・サウンドは、全体的にクールなイメージだが、そんな中にあって④はチークとスタッキーの掛け合いを含む展開で、ユニット感をアピールする。
2) ⑦Piagura / Stefano Coppari (from『Scar Let』Auand Records AU9094) 5:07
■Stefano Coppari(g) Nico Tangherlini(p) Lorenzo Scipioni(b) Jacopo Ausili(ds) (c)2020
83年ペスカラ生まれで、2016年にアルバム・デビューしたギタリストの第2作。トランペットや電気鍵盤が入った前作よりも編成をすっきりして、自作とメンバー提供の全8曲によってバンド感を向上。共演者の役割がさらに増した印象の中、⑦は米国のトレンドを踏まえつつ、エンディングに向かってカルテットの一体感を表現する。
3) ①127 / Benjamin Moussay (from『Promontoire』ECM 2659) 3:41
■Benjamin Moussay(p) 2019.1, Pernes-les-Fontaines, France
93年生まれの仏人ピアニストは98年《マーシャル・ソラール国際ピアノ・コンペ》優勝の実力者。ルイ・スクラヴィスのECM3タイトルを経た個人名義作として、全曲自作によるソロを選んだ点に、本人とレーベルの自信がうかがえる。1~4分台の全12曲からなる小品集の趣で、①はリスナーをこれから展開する音楽旅行へと誘う開幕曲。
4) ⑥The Kind Of Happy One / Marie Kruttli Trio (from『The Kind Of Happy One』QFTF QFTF161) 5:46
■Marie Kruttli(p) Lukas Traxel(b) Jonathan Barber(ds) 2019
2015年にアルバム・デビューした91年スイス生まれの女性ピアニストは、現在トリオとカルテットを率いて欧州で活動中。この通算5枚目のリーダー作は全曲自作で、その作風は1曲の中で異なる楽想を組み合わせて予定調和に陥らない点が特徴。⑥はピアノが加速しながら、他のメンバーも自己主張し、トリオが一体となって動く流れがユニーク。
5) ⑦One World Family / Kahil El’zabar’s Spirit Groove Ft.David Murray (from『Kahil El’zabar’s Spirit Groove Ft.David Murray』Spiritmuse Records CDKEZ003X) 15:27
■David Murray(ts) Justin Dillard(p,syn,org) Emma Dayhuff(b) Kahil El’zabar(per,vo) ©2020
スピリチュアル・ジャズのベテラン打楽器奏者が40年以上の関係があるマレイをフィーチャーし、若手2名を起用したカルテットのお披露目作で、全編にわたってエルザバールの強烈な個性に支配されている。マレイとのデュオ作(2000年、CIMP)のタイトル曲でもある⑦は、普遍的なメッセージがメンバー紹介を経て落着するラスト・ナンバー。
6) ⑥Into Dawn / Orrin Evans And The Captain Black Big Band (from『The Intangible Between』Smoke Sessions Records SSR-2003) 7:56
■Josh Lawrence, Sean Jones(tp) Stafford Hunter(tb) Todd Bashore(as) Stacy Dillard(ts) Orrin Evans(p) Madison Rast(b) Jason Brown(ds) 2019.10.1, NYC
2011年にアルバム・デビューしたエヴァンス率いるビッグ・バンドの第4弾。前作のライヴから再びスタジオに戻り、自作2曲、モンク、アンドリュー・ヒル等を曲ごとに一部メンバーを入れ替えながら録音。⑥は1年前に逝去したロイ・ハーグローヴの楽曲で、テナー、ピアノ、トランペットをフィーチャーし、ダイナミックなサウンドと共に故人への哀悼を重ねる。