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テーマ曲:⑤Side By Side / Dave Koz (from『A New Day』Just Koz Entertainment 100920) 4:57
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1) ①Fourth Dimension / Judith & Dave O’Higgins (from『His ‘n’ Hers』Ubuntu Music UBU0066CD) 6:10
■Judith O’Higgins, Dave O’Higgins(ts) Graham Harvey(p) Jeremy Brown(b) Josh Morrison(ds) (c) 2020
93年の初リーダー作以降、コンボからウィズ・ストリングス、ビッグ・バンドまで幅広く取り組んできた英国のデイヴ・オヒギンズが、初めて妻ジュディスとのダブル・テナーを前面に出した作品。60年代のグリフィン&エディ“ロックジョウ”のレパートリーからの選曲を含む構成にあって、オリジナルの①は妻が先発し、夫が小節交換で継投する。

2) ⑥This Little Town In Paris / Oilly Wallace-Johannes Wamberg (from『Mosaïque』April Records APR080LP) 3:52
■Oilly Wallace(as,fl) Johannes Wamberg(g) © 2020
90年代生まれのデニッシュ・チームは、2016年に初の共同名義作『Easy Living』をリリース。この第2弾は全13曲中、1曲のみベース&ドラムが入ったデュオ作で、3分未満が9曲を占めるのが特徴。⑥はビヴァリー・ケニーが56年作で歌ったミルトン・シュワルツ曲の希少カヴァーで、選曲眼の良さと共に2人が醸し出す温かい雰囲気が好ましい。

3) ①Buzios / Terje Gewelt (from『House On A Hill』Resonant Music RM 28-2) 5:07
■Terje Gewelt(b,el-b) Bjørn Klakegg(g) Erlend Slettevoll(p,key) Terje Evensen(ds,per, electronics) © 2020
還暦を迎えたノルウェーのベーシストが、2017年作『Wow And Flutter』と同メンバーのカルテットで再び制作したエレクトリック・プロジェクト。前作同様、全曲ゲヴェルトの自作曲で統一しながら曲調は多彩。①はウェザー・リポートとの関係性が認められ、同じノルウェー人ではヤン・グンナル・ホフ(p,key)の近年作の音楽性と共通していて興味深い。

4) ⑦Rabbits On The Run / Dave Gisler Trio with Jaimie Branch (from『Zurich Concert』Intakt Records CD 357) 5:15
■Dave Gisler(g) Jaimie Branch(tp) Raffaele Bossard(b) Lionel Friedli(ds) 2019.11.29, Zurich
スイスのジスラーが2018年の《ヴィリサウ・ジャズ祭》で“発見”した米国のブランチを、自身のトリオに招いて、翌年《unerhort!-Festival Zurich》に出演した時のライヴ作。数時間のリハーサル後に臨んだ初共演ステージは、そうとは思えないほどの一体感を表出。⑦は大暴れするトランペットとギターの連携が痛快なトラック。

5) ①Satelites Are Spinning/Lights On A Satellite / Sun Ra Arkestra (from『Swirling』Strut STRUT153CD) 8:00
■Cecil Brooks, Michael Ray(tp) Vincent Chancey(frh) Dave Davis(tb,vo) Knoel Scott(as) Marshall Allen(as,EVI,dir) James Stewart(ts,fl) Danny Ray Thompson(bs,fl) Farid Barron(p) Dave Hotep(g) Tyler Mitchell(b) Wayne Anthony Smith, Jr.(ds) Stanley “Atakatune” Morgan(congas) Elson Nascimento(surdo,per) Tara Middleton(vo,vln) 2020
総帥の他界27年でもその灯を絶やさないユニットの、20年超ぶりのスタジオ録音新作。マーシャル・アレン(1924~)率いるアーケストラが新しい同志を迎い入れながら存続しているのは、傍流ジャズ史の生き証人としても価値大。①は女性歌手が力強い水先案内人となり、テナーをフィーチャーしてエレクトロニクスを加えた合奏で現在形を描く。

6) ④Seven Steps To Heaven / Ron Carter (from 『Foursight – Stockholm, Vol.2』In+Out Records IORCD771402) 6:55
■Jimmy Greene(ts) Renee Rosnes(p) Ron Carter(b) Payton Crossley(ds) 2018.11.17, Stockholm
カーターが魅力的なメンバーのカルテットを率いて、スウェーデンの名店“ファッシング”に出演。既発作『第1集』と同日録音の続編はスタンダードと自作の全8曲で構成。④は③「フラメンコ・スケッチズ」とメドレーで演奏される“マイルス・デイヴィス・コーナー”で、オリジナルにアレンジを加えて楽曲の新鮮な魅力を引き出している。
