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テーマ曲: High Roller / Mario Rossi (Mario Rossi, single) 3:40
1) ③Tayamisha / Buster Williams (from『Unalome』Smoke Sessions Records SSR-2301) 5:47
■Bruce Williams(as,fl) Stefon Harris(vib,marimba) George Colligan(p) Buster Williams(b) Lenny White(ds) Jean Baylor(vo) 2022.4.26,27, NYC
5年ぶりに登場したSmoke Sessions第2弾は、80歳になった10日後の録音で、バスターの信仰心を象徴する言葉をアルバム名に採用。前作『Audacity』にヴァイブが加わった編成で、コリガンとホワイトが連続参加。ベイラー・プロジェクトのジーンの参加でコンテンポラリー度が上昇。全8曲中4曲を占める自作曲の一角③は、変わらぬ魅力を放つベース・ソロも聴きどころ。
2) ①Mid Music / Zack Lober (from『NO FILL3R』ZenneZ Records 023002) 4:20
■Suzan Veneman(tp) Zack Lober(b) Sun-Mi Hong(ds) 2022.8.24-25, The Netherlands
モントリオールで生まれ、11年間NYで活動し、2019年オランダへ移住したベーシストの初リーダー作。ピアノレスの管楽器トリオという編成ゆえに、全体的にクールなサウンドが特徴で、その点に全曲を書いたロバーの企図を感じる。①はオーネット・コールマンに通じる曲調で、若手トランペッターのヴェネマンに注目すればデイヴ・ダグラスを想起。
3) ⑤A Current Peace Of Mind / Eyolf Dale (from『The Wayfarers』Edition Records EDN1212) 4:24
■Eyolf Dale(p,hammerspinet,celesta) Per Zanussi(b,saw) Audun Kleive(ds) 2022.3.22-24, Oslo
2008年のノルウェー取材で、現地コーディネーターから「将来の有望株」と紹介された学生の時から考えると、成長ぶりに感無量。2021年作『Being』に続く同トリオ作は、作曲者ダーレと共演する2人の間の信頼関係が発展した成果と言える。多彩な曲調の全10曲にあって、⑤は夢の中を彷徨い歩く主人公の映像的イマジネーションが膨らむトラック。
4) ①Mist Of The River / Anders Jormin (from『Pasado En Claro』ECM 2761) 7:11
■Anders Jormin(b) Lena Willemark(vo,vln,vla) Karin Nakagawa(25-string koto) Jon Fält(ds,per) 2021.10, Göteborg
スウェーデンのヨルミンが母国のヴィッレマルク、同国に移住した中川とのトリオで、2015年に『Trees Of Light』でデビュー。ライヴ活動を継続後の第2弾はヨルミンが所属するボボ・ステンソン・トリオのフェルトを迎えた編成に拡大。日本、北欧、メキシコ、イタリアのテキストのスウェーデン語歌唱による全11曲。古代中国由来の①は時空を超えた音楽文化の融合が美しい。
5) ⑨C-Ornette Alla Crema / Roberto Pistolesi (from『Open Lands And Moving People』IIKmusic IIK0009) 3:51
■Daniel Juarez(ts) Roberto Tarenzi(p) Teis Semey(g) Zack Lober(b,el-b) Roberto Pistolesi(ds) Sanne Huijbregts(vo,vib) © 2023
ステファノ・ディ・バティスタやロベルト・タレンツィとの共演で知られるイタリアン・ドラマー(1978~)は、キャリアに比べてリーダー作が少なく、本作ではクインテットを基本に全曲を手掛けた作曲面での主張を全面的に反映させたことがうかがえる。⑨はオーネット・コールマンとの関係性が強いわけではないが、器楽的ヴォイスも加えたアプローチがユニーク。
6) ②Dance Kobina / Joe Chambers (from『Dance Kobina』Blue Note 00602445983643) 6:24
■Caoilainn Power(as) Marvin Carter(ts) Rick Germanson, Andrés Vial(p) Mark Lewandowski, Ira Coleman(b) Joe Chambers(ds,perc,vib) Elli Miller Maboungou (ngoma-ds) Michael Davidson(vib) Emilio Valdés(perc) © 2023
現役ドラマーではルイス・ヘイズ(1937~)に続くベテラン(1942~)の、2年ぶりとなるBlue Note第3弾は、ジャズ、ラテン、アフリカ音楽の深い関係性の探求をテーマに、チェンバースの自作4曲やジョー・ヘンダーソン等のカヴァーを含む全9曲で構成。共同プロデューサー、ヴィアル作曲の②は、ヴィブラフォンと打楽器の使用がアルバム・コンセプトと合致して効果的。