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テーマ曲:⑨Let’s Take A Ride / Nick Colionne (from『Just Like That』Trippin N Rhythm TNR124) 4:14
1) ②Filters / Joe Farnsworth (from『In What Direction Are You Headed?』Smoke Sessions Records SSR-2304) 9:29
■Immanuel Wilkins(as) Julius Rodriguez(p,el-p) Kurt Rosenwinkel(g) Robert Hurst (b) Joe Farnsworth(ds) 2022.8.31, NYC
ハロルド・メイバーンやエリック・アレキサンダーとの共演を通じて、日本でもお馴染みのモダン・メインストリーム・ドラマーの地位を築いてきたファンズワーズ。米レーベルからの3枚目はトリオの前作とは趣向を変えて、アルトとギターを起用した全8曲。②はローゼンウィンケルが提供した3曲のうちの1曲で、独特な音色のギターを得たリーダーが新境地を開拓。
2) ⑮Il Sentiero / Stefano Bollani (from『Blooming』Sony Music Entertainment Italy 196588084126) 4:20
■Stefano Bollani(p) 2022.12.9-10, Rome
最近は女優・歌手ヴァレンティーナ・チェンニとのデュオ作『Via Dei Matti n ° 0』や、先頃イタリアン・オスカーで最優秀作曲家賞を受賞した『Il Pataffio』が話題のボラーニ。ソロ・ピアノによる自作曲集は、作品名とアルバム・カヴァーが示すように、生命の開花に対するポジティヴな表現が全編を貫いており、最終曲⑮はカンツォーネとサティの融合のような旋律に惹かれる。
3) ③Moon Over Meno / Jacob Young (from『Eventually』ECM 2764) 5:50
■Jacob Young(g) Mats Eilertsen(b) Audun Kleive(ds) 2021.5, Gjøvik
2014年発表作『Forever Young』以来9年ぶりとなるECM第4弾。この間、シーリル・マルメダール・ハウゲ(vo)とのデュオを含め、Oslo Session Recordingsで5枚を制作。今回は長年のパートナーであるアイラートセンと、フューチャー・ジャズ草創期から活躍するクライヴとの、初のノルウェー人トリオを編成し、ヤングが書いた全9曲を収録。③はヤングの技巧とセンスが光り、トリオの濃密さが増すトラック。
4) ④Brain Checking / Javier Red’s Imagery Converter (from『Life & Umbrella』 Desafio Candente Records) 7:58
■Jake Wark(ts,ss) Javier Red(p) Ben Dillinger(b) Gustavo Cortiñas(ds) (c) 2023
シカゴが拠点のピアニストが率いるカルテットの、2019年デビュー作に続く第2弾。自閉症の息子と共生する中で、音楽の力が人々の理解に繋がると考えたレッドが、アルバム・コンセプトを立案して全12曲を自作。物語性を帯びた楽曲で進むプログラムは、変則的な書法と個性的なピアノ・スタイルが明らかに。④はテナーのワークとレッドが組曲的な構成で、コントラストを描く。
5) ①Chalaba / Peter Brötzmann (from『Catching Ghosts』ACT Music 9970-2) 16:11
■Peter Brötzmann(ts,as,cl) Majid Bekkas(guembri,vo) Hamid Drake(ds,per) 2022.11.4, Berlin
モロッコのグナワ音楽の探求成果を2019年の『The Catch of a Ghost』でアルバム化したブロッツマンは、コロナ禍で健康を損ねるも昨年の《Jazzfest Berlin》で復活。ゲンブリの名手ベッカス、長年の共演者ドレイクとのトリオで、伝統曲に基づくハイブリッドな即興演奏を展開。①は録音時に81歳のリード奏者がハイエナジーなプレイで健在ぶりを示す。
6) Disc 1① Just Friends / Phil Woods (from/『Bird With Strings…And More!』 (Storyville Records 103-8531) 4:14
■Phil Woods(as) Ben Aronov(p) Reggie Johnson(b) Douglas Sides(ds) Zürich Chamber Orchestra 2005.6.13, Zürich
2015年に逝去したウッズが、最も影響を受けたパーカーの作品を元に、ストリングスと木管を加えた編成でトリビュートした未発表2CD作。2005年録音作はジョン・コーツとのデュオ・ライヴ作が唯一だったので、当時73歳のウッズがこのようなプロジェクトに取り組んでいたのが驚き。Disc 1①を聴けば、長年のファンなら70年代の『Images』『I Remember』を想起するはず。