全曲試聴:https://open.spotify.com/playlist/3B6epr3GKK6zU8sL2s9XsY
テーマ曲:③Into The New / The 3 Keys (from『We 3 Keys』Shanachie Records SHA-5502) 4:02
1) ②Walk Around / Altin Sencalar (from『In Good Standing』Posi-Tone Records PR8246) 5:07
■Altin Sencalar(tb) Diego Rivera(①②⑤⑨⑪:ts, ④:ss) Patrick Cornelius(④⑨⑪:as, ⑧:fl) Art Hirahara(p, ④:el-p) Boris Kozlov(b, ④:el-b) Rudy Royston(ds) 2023.2.6, NY
2017年に地元オースティンの面々を得てアルバム・デビューし、教育活動にもエネルギーを注ぐ若きニューヨーカーが、LAの主流系レーベルから初登場。Posi-Toneのハウス・リズム+2~3管の編成で、自作曲を柱にトミフラやショーター曲をカヴァーした全11曲。②はハードバップ・マナーに則った2管曲で、特にリヴェラとロイストンの好演が光る。
2) ③Figure Of Eight / Richard Pavlidis (from『Iconography』self-released) 5:52
■Richard Pavlidis(ts,EWI,key) James Bowers(p) Angus Leslie(g) Owen Downie(el-b) Darryn Farrugia(ds) Salvador Persico(per) © 2023
メルボルンを拠点とするパヴリディスは、2019年の初リーダー作以来、本作で5枚目を数えており、各コンセプトを含めた精力的な姿勢が見逃せない。60年代の電気サックスや70年代のウェザー・リポート、マイケル・ブレッカーを参照した音作りが特徴。③はショーターからの影響もうかがえるテナーと、打楽器が通奏低音となるサウンドが説得力を生む。
3) ③Windows / Justin Kauflin, Thomas Fonnesbæk (from『Danish Rain』Storyville Records 101 8532) 6:14
■Justin Kauflin(p) Thomas Fonnesbæk(b) 2022.3.28,29, Copenhagen
2017年に初作を発表した米国人とデンマーク人のデュオによる第3弾。フォネスベック側から見れば、ピエラヌンツィと並行して活動するパートナーであり、37歳のカウフリンにとっての、このプロジェクトの重要性も明らか。ピーターソン、ルグラン、ハンコック等の全9曲にあって、チックの③は両者が奏でるコンビネーションが好印象のトラック。
4) ③Where My Heart Lives / Cecilie Strange (from『Beyond』April Records APR112CD) 6:43
■Cecilie Strange(ts) Peter Rosendal(p) Thommy Andersson(b) Jakob Høyer(ds) Josefine Cronholm(②⑤:vo,per) 2022.8.22, Copenhagen
2015年に初リーダー作を発表したデンマークのサックス奏者は、2020年の第2作『Blue』でレギュラー・カルテットの方向性を示しており、2年ぶりの本作は同メンバーによる3枚目。ストレンジの私的な体験や家族への愛情を作曲の素材として書いた6曲を収録。夫に捧げた③は北欧の風土性が滲むテナー・サウンドが味わい深いスロー・ナンバ-。
5) ①Madiba / Matthieu Saglio (from『Voices』ACT Music 9968-2) 5:55
■Matthieu Saglio(cello,vo) Steve Shehan(per,ds) Christian Belhomme(p,key) Léo Ullmann(vln) Susana Baca, Camille Saglio, Alim Qasimov, Wasis Diop, Nils Landgren, Anna Colom, Natacha Atlas(vo) 2022.7-2023.1
フランス生まれでスペイン在住のチェリストが3年前の前作と同じカルテットに、ペルー、ベルギー、セネガル、スウェーデン等の国際色豊かなヴォーカリストを迎え、「世界中の声へのトリビュート」をアルバム・コンセプトに据えて欧州各地で録音。①はその象徴的なトラックで、ネルソン・マンデラのスピーチを挿入した、自由と民主主義へのメッセージ。
6) ⑧Blues For Mike / Alex Sipiagin & Big Band RTV Slovenija (from『New York Suite』ZKP RTVSLO 118401) 6:34
■Alex Sipiagin(tp) Big Band RTV Slovenija, Lojzet Krajnčan(arr,cond) © 2023
米国に進出したロシア出身者では最も成功したと言えるシピアジンは、モダン・ジャズを基本とした実力者として、アルバムも多数発表。90~2000年代にミンガスBBの一員だったが、大編成のリーダー作は残していなかった。本作は過去のコンボ作収録自作曲をスロベニアのBBとリメイクしたもので、⑧はセカンドラインと「フリーダム・ジャズ・ダンス」の融合的な曲調がユニーク。