全曲試聴: https://open.spotify.com/playlist/65MFLOFeKetgLQA8rJjNRJ
テーマ曲:⑦Joint Connection / Lemek (from『Emergence』Trippin N Rhythm Records 132) 4:36
1) ②Weezy / Orrin Evans (from『The Red Door』Smoke Sessions Records SSR-2305 ) 7:11
■Orrin Evans(p) Nicholas Payton(tp) Gary Thomas(ts,fl) Robert Hurst(b) Marvin “Smitty” Smith(ds) Wallace Roney(⑨:tp) Larry McKenna(④:ts) Buster Williams(④⑨:b) Gene Jackson(④⑨:ds) Jazzmeia Horn(⑤:vo) Sy Smith(⑦:vo) Alita Moses(⑪:vo) 2020.3.11-2022.12.12, NYC
2014年以降、1~2年ごとにコンボからビッグ・バンドまでの作品を米Smoke Sessionsからリリースしているエヴァンスの同第7弾。90年代のメインストリームを彩ったトップランナーたちとクインテットを編成し、「ザ・グッド・ライフ」「オール・ザ・シングス・ユー・アー」等のスタンダードと自作曲で構成。②はトーマスのフルート・ソロがたっぷりと聴けるのが収穫。他界直前のルーニー参加曲⑨も価値あり。
2) ②Cornelia / Hallgeir Pedersen Trio (from『Update』Finito Bacalo Records FBCD276) 4:49
■Hallgeir Pedersen(g) Andreas Amundsen(b) Erik Nylander(ds) 2022.4.6, Tromsø
ノルウェー北部の都市トロムソで2010年に設立され、同国の他レーベルとは差別化を図るFinito Bacalo Recordsからの最新作。同地出身のペデルセンはヘビメタからビバップに転向し、99年自己のトリオを結成。今年50歳のタイミングで実に17年ぶりに世に問う本作は、7曲中5曲を自作で固め、“Jazz is life, life is jazz”を表現。②はアコースティックな響きのギターとウッドベース、ブラシの共鳴が心地よいスロー・ナンバー。
3) ④Improvisation 15 / Naoko Sakata (from『Infinity』Pomperipossa Records PRLP18) 7:55
■Naoko Sakata(p) (c) 2023
スウェーデンに留学し、そのままプロ入り。現地人とのトリオ活動で次第に評価を獲得し、その先に辿り着いたのは2020年発表の即興ソロ作『Inner Planets』だった。坂田尚子のファンなら動画サイトで公開された近年の独奏映像に、衝撃を受けたに違いない。もはやシリーズと呼んでいいこの第3弾は、6曲のナンバリングが不揃いである点に、新たな展開が認められる。④は声出しを含めてキース的な即興が興味を惹く全6曲のうちの1曲。
4) ③Frozen Silence / Maciej Obara (from『Frozen Silence』ECM 2778) 7:15
■Maciej Obara(as) Dominik Wania(p) Ole Morten Vågan (b) Gard Nilssen (ds) 2022.6, Oslo
2017年発表のECMデビュー作『Unloved』で知名度を上げ、2019年の『Three Crowns』でECMでの連続性を明らかにしたポーランド出身のオバラ。コロナ禍に入ってから4年目にして登場した同第3弾は、母国南西部に位置するカルコノシェ地方の山脈に宿るドラマティックな風景にインスパイアされた自作8曲で構成。タイトル曲③はコンポジションとインプロヴィゼーションのバランスが良く、特にピアノとアルトのソロが聴きもの。
5) ⑤From Montgomery To Memphis (To April 4th) / Aruan Ortiz (from『Pastor’s Paradox』 Clean Feed CF648CD) 6:03
■Aruán Ortiz(p,vo) Don Byron(Bb-cl,Eb-cl,b-cl,vo) Pheeroan akLaff(ds,vo) Lester StLouis (①②④⑤⑥:cello) Yves Dhar(③⑦: cello) Mtume Gant(①④⑥:spoken word) 2022.2.15, 4.8, NYC
キューバ生まれ、ブルックリン在住のピアニストが、60年前のキング牧師による歴史的なスピーチを多角的に研究。比喩の使い方と文学的側面の構造を分析した驚くべき発見の成果を、個性派揃いのカルテットで表現。オルティスが盟友バイロンを含むバンドと奏でる自作全7曲にあって、⑤はキング牧師の逝去日を曲名に入れたトリビュート・トラックだ。
6) ④Rebirth / Mario Biondi (from『Crooning Undercover』Beyond 19658836322) 3:42
■Mario Biondi(vo) (①:feat. Franco Luciani(①:hmca) Paolo Fresu(③:tp) Giovanni Cutello(④:as) Matteo Cutello(④:tp) Francesco Cafiso(⑤:as) Pierpaolo Bisogno (⑥:vib,per) Stefano Di Battista(⑦:as) Simona Trentacoste(⑧:vo), Daniele Scannapieco (⑧:ts) Fabrizio Bosso(⑨:tp) Mauro Schiavone(⑩:p) Rosario Giuliani(⑪:as) (c) 2023
6月に11年ぶりの来日公演を行ったイタリアの伊達男が、豪華ゲストを迎えて、“低い声で優しく歌う”を意味するアルバム名のスタイルを織り込んだ最新作。キャリア初期に共演したハイ・ファイヴ・クインテットのボッソ、スカナピエコフレスやディ・バティスタ、ジュリアーニと並んで名を連ねたのが、20代半ばのイタリアン・ハードバップ双子2管チーム。④はラテン調のアップ・ナンバーで、ビオンディのサウンド嗜好に合う逸材との出会いも嬉しい。