全曲試聴: https://open.spotify.com/playlist/0O4JSptMcqUjzNutoh2l4Q
テーマ曲:①Slingshot / Steve Oliver (from『A New Light』Steve Oliver) 3:53
1) ①Alexander’s Realtime Band / Bernie Senensky (from『Moment To Moment』 Cellar Live CM121022) 5:07
■Eric Alexander(ts) Bernie Senensky(p) Kieran Overs(①③④⑥⑦⑧:b) Dave Young(②⑤:b) Joe Farnsworth(①③④⑥⑦⑧:ds) Morgan Childs(②⑤:ds)①③④⑥⑦⑧:2001.3.15, Toronto; ②⑤:2020.2.6, Waterloo
2022年に89年録音の未発表クインテット作『Don’t Look Back』をリリースしたCellar Liveが、またしても発掘に成功。19年の間隔がある2つの音源にエリックが参加していたのが驚きで、期待に違わぬメインストリーム・ジャズを展開。全8曲中4曲のセネンスキーの自作にあって、エリックのために書いたと思われる①はテナー&ピアノ・ユニゾンのテーマで始まるアップ・ナンバー。マッコイ・タイナーを想起させるプレイが絶好調だ。
2) ⑥Morphbed / Samo Salamon, Vasil Hadzimanov & Ra-Kalam Bob Moses (from『Dances of Freedom』Samo Records) 5:32
■Samo Salamon(el-g,ac-g,banjo) Vasil Hadžimanov(key, ④⑨:p) Ra Kalam Bob Moses(ds,per) 2021.8
リーダー作が30タイトルを数えるスロベニアのギタリスト(1978~)が、アリルド・アンデルセンとのトリオで2022年作の実績があるモーゼス、およびセルビア人のヴァジルと共に、「過去のどの作品とも異なりユニーク」、とサラモンが考える新作を完成。自身の音楽性に加えてモーゼスがドラムセットからパーカッションへとシフトしたことで、実験色が濃厚に。⑥はこの3人だからこそ生まれた神秘的なサウンドが味わえる。
3) ④Eternel Détour / Pierre De Bethmann Quartet (from『Credo』Alea 016) 11:18
■David El Malek(ts) Pierre de Bethmann(p,syn) Simon Tailleu(b) Antoine Paganotti(ds)2023.2.11, Paris
プリズムに区切りをつけてソロ活動に入ったP2Bは、2015年以降コンスタントにトリオ作を発表。これはエル・マレクを擁した2011年録音作『Go』以来、久々のカルテット作で、4ビート系から集団即興演奏までの幅広い音楽性を記録。全5曲収録のうち最長の④は、集中力に満ちたピアノにスポットが当たり、後半はテナーをフィーチャーして、ベースとドラムが交代した新ユニットのお披露目をアピール。
●P2B Quartet // Credo Teaser:
4) ①Melancholia / Arve Henriksen, Harmen Fraanje (from『Touch Of Time』ECM 2794) 3:58
■Arve Henriksen(tp,electronics) Harmen Fraanje(p) 2023.1, Lugano
共にECMで録音歴を持つ二人は意外な顔合わせの印象があるが、2019年のレーベル50周年イベントで共演して以来、関係を醸成。オランダ人のフラーニュがマッツ・アイラートセン繋がりでノルウェー人脈を広げた背景は見逃せない。ピアニストの初期を踏まえて静かな雰囲気が支配する本作を聴けば、ヘンリクセンと合体した現在に納得。①はこの種の音作りでは一日の長があるトランペット奏者のセンスに、フラーニュが一致。
5) ⑧Breathing Under Water / Simon Spiess Quiet Tree (from『Euphorbia』Intakt Records CD 414) 4:48
■Simon Spiess(ts) Marc Méan(p,syn,effects) Jonas Ruther(ds,p) 2022.8, Berne, Switzerland
2010年代にベース+ドラムのトリオで5枚を発表したスイス人サックス奏者は、ドラマーはそのままに、ベーシストをピアニストに変えた編成で2020年にEPデビュー。これは2022年のEPからの2曲を含む全9曲の初フル・アルバム。意図的にローファイでプリペアードなピアノを含む音作りは、同じトリオでも明らかにサウンド・コンセプトが別物。⑧はミニマルな土台音とテナーの組み合わせが、後半に変化するプロセスがユニーク。
●Quiet Tree – “Indulge In Fancy” & “Grieving Was Yesterday”:
6) ⑨Sugar Rush / Marshall Gilkes, WDR Big Band (from『Life Songs』 Alternate Side Records ASR017) 6:45
■Marshall Gilkes(tb,arr,cond) WDR Big Band [Andy Haderer(tp,piccolo-tp,flh) Wim Both, Rob Bruynen, Ruud Breuls(tp,flh) Ludwig Nuss, Raphael Klemm, Peter Hedrich(tb) Andy Hunter(⑥ :tb) Mattis Cederberg(btb,tuba) Johan Hörlén, Pascal Bartoszak(as,fl,cl) Ben Fitzpatrick, Paul Heller(ts,cl) Jens Neufang(bs,b-cl) Billy Test(p) John Goldsby(b) Hans Dekker(ds)] Sabeth Pérez(⑤:vo) 2022.11.11,14,15,16, Cologne
レギュラー・メンバーとして4年間在籍後も関係を継続し、2015年にコラボ作『Köln』を発表。これは『Always Forward』(2018年)に続くドイツのBBとの共演第3弾。オープナーに相応しい①、愛娘への③、子守唄由来の⑤等、コロナ禍での経験を作曲に反映。⑨はBB史にその名を刻むボブ・ブルックマイヤーへの敬愛曲。
●Marshall Gilkes & WDR BIG BAND – Cora’s Tune: