全曲試聴: https://open.spotify.com/playlist/0nNSWauETTpiXiOK48kMEU
テーマ曲:①Low Down / Chris “Big Dog” Davis (from『After The Strom』Trippin ‘n’ Rhythm Records 20286247685) 4:19
1) ②Overlap / Dave Stryker (from『Groove Street』Strikezone Records 6926613) 6:15
■Dave Stryker (g) Bob Mintzer (ts) Jared Gold (org) McClenty Hunter (ds) 2023.7.2, NJ
この顔ぶれでは2008年録音の『One For Reedus』を初作としたストライカーのオルガン・トリオ。数回のツアーで共演歴があるミンツァーを迎えて、4人では演奏実績のないオリジナルを中心とした全9曲をほぼワン・テイクで収録。②はギター&テナーのユニゾン・テーマがイエロージャケッツを想起させ、トリオ・パートでグルーヴィにスウィングするのが心地良い。
●Dave Stryker Trio w/ Bob Mintzer – Cold Duck Time
2) ③Colors / Little North (from『While You Wait』ACT Music 9982-2) 5:51
■Little North [Benjamin Nørholm Jacobsen (p) Martin Brunbjerg Rasmussen (b) Lasse Jacobsen (ds)] Oscar Andreas Haug (tp) 2022.10.3-4, Copenhagen
2020年にセルフ・タイトル作でデビューしたデンマークの若手トリオは、April Recordsから4年連続でアルバムをリリース。ドイツのメジャー・レーベルからの移籍第1弾は、初めてゲストを迎えたクインテット。ラーシュ・アンドレアス・ハウグ(tuba)の息子である新進のオスカーは、ノルウェー人トランペッターの特質を継承しており、トリオに新しい音楽性を注入。全8曲からの③は北欧ジャズの美点を体現した、心に染み入るバラード。
●Little North: While You Wait (Official Video):
3) ⑨Twain Walking / Lis Wessberg (from『 Twain Walking』April Records APR124CD) 5:39
■Lis Wessberg (tb) Steen Rasmussen (p,el-p,syn) Lennart Ginman (b,electronics). Jeppe Gram (ds) Karmen Rõivassepp (③⑦:vo) 2023.4.22-24, 6.10, Copenhagen
1967年デンマーク生まれでキャリア30年のトロンボーン奏者が、ようやく初リーダー作を出したのは2021年。この第2弾は前作と同じカルテットで臨んだ全10曲の自作集。電気的要素も取り入れた音作りは、信頼を寄せるミュージシャンたちとの共同作業による空間デザインの趣。ロバート・フロストの詩から曲名を拝借した⑨は、幻想的雰囲気を醸成し、非日常的世界へと誘う。
●Twain Walking:
4) ②Gullregn / Liv Andrea Hauge Trio (from『Ville Blomster』Hubro Records HUBROCD2659) 3:40
■Liv Andrea Hauge (p) Georgia Wartel Collins (b) August Glännestrand (ds) (c)2024
3月にヨーロッパ・ジャズ・ネットワークが優秀な若手に贈る《EJN Zenith Award》を受賞した、オスロ在住のハウグ(1995~)率いるトリオの、2022年のデビュー・ライヴ作に続く初のスタジオ録音。そのスタイルは必ずしもノルウェー人ピアニストの系譜に属すものではなく、前衛性を含めて型にはまらない点が興味を惹く。②は全8曲にあって、最もキャッチーなシングル曲。
5) ①Do you see creamed corn on that plate? / Håvard Nordberg Funderud (from『The Birds Sing a Pretty Song』Nice Things NTR014) 5:14
■Håvard N. Funderud (g,syn,org,per) Petter Asbjørnsen (b,syn,per) Ben Rodney (tp) Sigrid Aftret (sax) Tore Ljøkelsøy (ds,prepared-g) Ingvald Vassbø (ds) ©2024
Master OogwayやRowland’s Evil Jazz Trioでレコーディング・キャリアを築くノルウェーの新世代ギタリスト、初の個人名義作。フリー・ジャズ畑を歩んできたが、全10曲の本作は自身の多面的な音楽性のアピールを企図した内容であり、2管バンドゆえのフンデリュの采配ぶりが要注目。①はソニー・シャーロック的ながら、ギター・スタイルの基本がビバップであることを明らかにする。
6) ④Oscar Winner / One For All (from『Big George』Smoke Sessions SSR-2401) 8:46
■One For All [Jim Rotondi (tp) Eric Alexander (ts,as) Steve Davis (tb) David Hazeltine (p) John Webber (b) Joe Farnsworth (ds)] George Coleman (④⑤⑥:ts) 2022.9.17, NYC
初期はエリックの派生ユニットのイメージもあった97年結成のオールスター・ニューヨーカーズ、8年ぶりの新作。前作『The Third Decade』に引き続き、ハードバップの灯を守るレーベルからのリリースは、メンバーのオリジナル6曲+カヴァー3曲で構成。2010年作『Invades Vancouver!』収録曲「Big G」と関係がありそうなネーミングの本作から、ロトンディ作曲の④は録音時87歳だったゲストのコールマンをフィーチャーし、超世代の伝統継承を美しく実現。