May 31, 2020

NEW DISCS ＜2020-05-01＞

キーワード : デイヴ・ストライカー／カール・サンダース／ヨン・バルケ／アミナ・フィガロヴァ／ティム・バーン／ティモ・ラッシー

●全曲試聴： https://open.spotify.com/playlist/74zv9uebpJFyJvlYAcxBCS

■テーマ曲：①Let’s Get Serious / Nick Colionne (from『Finger Painting』Trippin & Rhythm Records TRRH1132)

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1) ⑧Shadowboxing / Dave Stryker (from『Blue Soul』Strikezone Records 0192914000891) 6:07

■Dave Stryker(g) Bob Mintzer(ts) WDR Big Band [Wim Both, Rob Bruynen, Andy Haderer, Ruud Breuls(tp) Ludwig Nuss, Raphael Klemm, Andy Hunter(tb) Mattis Cederberg(btb) Johan Horlen, Karolina Strassmayer(as) Olivier Peters, Paul Heller(ts) Jens Neufang(bs) Billy Test(p,org) John Goldsby(b) Hans Dekker(ds)] 2019.3, Germany

95年にビッグ・バンドとの共演作を発表しているストライカーが、ミンツァーの発案で独のトップ楽団と録音。マーヴィン・ゲイ、プリンス、ジミー・ウェッブのポップス系選曲が目立つ中、ストライカーの自作曲⑧は、ミンツァー的楽想も滲ませながら前半にテナー、後半にギターをフィーチャーする。

2) ⑥Flim Flam / Carl Saunders (from『Jazz Trumpet』Summit Records DCD761) 7:03

スタン・ケントン、ビル・ホルマン楽団やフィル・ウッズとの共演作を通じて、実力派バイプレイヤーのイメージが強いサンダース（1942～）が、約10枚目のリーダー作をワン・ホーン・カルテットで臨み、自信作であることをアルバム名に投影。12曲中6曲を占める自作にあって、⑥は最後に循環呼吸法のトランペット・ソロで存在感を放つ。

3) ③The Container / Jon Balke (from『Discourses』ECM 2648) 3:11

■Jon Balke(p,sound processing) 2019.12, Lugano

ノルウェーの重鎮ピアニストが2016年発表作『Warp』で示した世界観をさらに進めたソロ作。全16曲のオリジナルは1曲を除くすべてが 1～3分台で、連続性があると言うよりも、集中力を持続させながら1曲ごとに新しい気持ちでピアノと対峙した印象。アコースティックピアノとエフェクターを組み合わせた独自の音作りで、幻想的な世界を描く。

4) ①Persistence / Amina Figarova & Edition 113 (from『Persistence』AmFi Records BACD015) 4:48

■Amina Figarova(p,key) Rez Abbasi(g) Bart Platteau(fl,EWI) Yasushi Nakamura(b) Rudy Royston(ds)　2018.8.30,9.1, NYC

アゼルバイジャン出身で、NY在住が久しいフィガロヴァの14枚目。20年間率いたアコースティック・セクステットから大胆に音楽性を変え、自身の電気鍵盤、電気ベース、ヒップホップも取り入れたサウンドを志向。ハービー・ハンコックとの関係性も認められる中、リーダーのコンセプトを理解したメンバーにあって、①はアバシの貢献が光る。

5) ①The Fantastic Mrs.10 / Tim Berne’s Snakeoil (from『The Fantastic Mrs.10』Intakt Records CD 340) 12:40

■Tim Berne(as) Oscar Noriega(cl) Matt Mitchell(p) Marc Ducret(g) Ches Smith(ds,vib) 2019.5.29,NY

2013年以降、ECMから3タイトルを発表してきたバーンのスネイクオイルが、スイスの老舗先鋭レーベルに移籍。カルテットからクインテットに成長したユニットが、本作では10分超の4曲を含む全7曲を収録。即興演奏がやがて規律ある合奏に発展する表題曲が、バーンのアルトを含めて痛快。

6) ⑩Northern Express / Timo Lassy (from『Big Brass (Live At Savoy Theatre Helsinki)』Must Have Jazz　MHJ234509) 14:03

■Timo Lassy(ts) Georgios Kontrafouris(p,wurlitzer) Antti Lotjonen(b) Teppo Makynen(ds) Abdissa Assefa(per) Ricky-Tick Big Band Brass[Jukka Eskola, Kalevi Louhivuori, Mikko Karjalainen, Janne Toivonen(tp) Heikki Tuhkanen, Jay Kortehisto, Aaro Huopainen (tb) Juho Viljanen(b-tb,tuba) Valtteri Laurell Poyhonen(cond,arr) 2018.3.3-4, Helsinki

ファイヴ・コーナーズ・クインテットのフロントとして日本で人気を得たフィンランドのトップ・テナー奏者が、レーベル活動を終えるも名前は存続する楽団と行った地元でのホール・ライヴ。エスコラ、マキネンら同クインテットのメンバーが、がっちりと脇を固める編成が心強く、ラッシーのテナーも堂々と響き渡る。⑩はコルトレーン『アフリカ・ブラス』を想起させるラスト・ナンバー。

●PV：https://www.youtube.com/watch?v=p1dxpDrlXJY