全曲試聴: https://open.spotify.com/playlist/43QyAYagwMTwXxC3vAixK9
テーマ曲:①Movin’ and Shakin’ / Vincent Ingala (from『Escape With Me』Shanachie SHANCD5515) 4:07
1) ④Central and El Segundo / Brandon Sanders (from『The Tables Will Turn』 Savant Records SCD2219) 5:40
■Chris Lewis (①②⑤⑦⑧⑨:ts, ③④⑥:ss) Warren Wolf (vib) Keith Brown (p) David Wong (b) Brandon Sanders (ds) Christie Dashiell (③⑧:vo) 2024.3.30, NY
昨年、初リーダー作をリリースした遅咲きのドラマー(1971~)が、早くも第2弾をリリース。学生時代に知り合い、前作にも貢献したウルフが連続参加。ジャズに向かうきっかけを与えてくれたジャズ・クラブ経営者の祖母に捧げた①を皮切りに、パーカー、モンク、エリントン曲をカヴァー。自作曲④はヴィブラフォンをフィーチャーして、正統派を歩む姿勢を表明。

2) ②Later Than We Thought / Leslie Pintchik (from『Prayer For What Remains』 Pintch Hard Records CD-006) 5:12
■Leslie Pintchik (p) Scott Hardy (b,ac-g) Michael Sarin (ds) Satoshi Takeishi (per) Steve Wilson (①⑤:ss) © 2024
2016年発表の『True North』がピアノ好きにアピールしたピンチクの、アルバム・デビュー20年にあたる第8弾。夫のハーディを含むレギュラー・メンバーと共に、自作8曲+ビートルズ、ジョニ・ミッチェルのカヴァー曲で構成し、アップ・ナンバーでは息の合った協調性が印象的。②はピンチクのストーリー・テラーとしての魅力が味わえる仕上がりだ。

3) ⑤Turn Out The Stars/Who Can I Turn To / Dick Sisto – Andy La Verne (from『Two For Bill』SteepleChase SCCD-31969) 8:12
■Dick Sisto (vib) Andy LaVerne (p) 2018.7, 2019.7, Louisville
1947年生まれのラヴァーンは、気が付けば現在77歳。77年録音の初リーダー作以来、半世紀近くにわたってSteepleChaseと継続的な関係を築いてきたのも驚き。同僚指導員であるシストと、ワークショップで行われた本ライヴは、エヴァンスとラファロに捧げたプログラム。ファンなら承知の通り、エヴァンスから最大の影響を受けたラヴァーンは円熟の境地を示しており、合わせ技的なメドレー⑤は、デュオのせいもあってエヴァンス&トニー・ベネットを想起させる。

4) ⑧Somebody Leaves / Louis Sclavis – Benjamin Moussay (from『Unfolding』ECM 2831) 4:35
■Louis Sclavis (cl,b-cl) Benjamin Moussay (p) 2024.3, Pernes les Fontaines
スクラヴィスのトリオ作とカルテット作で関係を深めてきた両者、初のデュオ作。プログラムはそれぞれが提供した全9曲で、近年ヨーロッパ各地で公演を重ねてきた成果が形になった1枚と言っていい。叙情性に溢れた2人の語らいは、時に研ぎ澄まされた音の融合を現出。⑧はユニゾン・パートと同時即興演奏がコントラストを描き、再びユニゾンで平和に落着する。
●Louis Sclavis, Benjamin Moussay – Unfolding (from the new album on ECM Records):

5) ①I Cover The Mountain Top / Elephant 9 – Terje Rypdal (from『Catching Fire』Rune Grammofon RCD2236) 22:18
■Elephant 9 [Ståle Storløkken (org,el-p,mellotron) Nikolai Hængsle (el-b) Torstein Lofthus (ds)] Terje Rypdal (g) 2017.1.20, Oslo
2006年にオスロで結成された人気ユニットは、2008年のデビュー作から一貫してRune Grammofonを舞台に10タイトル超をリリース。本作はストーロッケンがスタジオとステージで30年近くパートナーシップを続けるノルウェーの至宝リピダルとの共演が見逃せないライヴ。全6曲中、最長の①は終盤に進んで期待に違わぬ、両者の親和性が強いサウンドを完成させる。

6) ②Attitude Of Gratitude / The Headhunters (from『The Stunt Man』Ropeadope Records RMBT7542) 5:42
■The Headhunters [Donald Harrison (as) Kyle Roussel (key) Chris Severin (b) Mike Clark (ds) Bill Summers (per)] Craig Handy (④:ts) Ryan Tatarian (⑦:key) Scott Roberts (aka One Drop Scott) (⑦:prog) Reggie Stephens, J Wills, Simone Mosley (⑦:vo) 2023.8, San Francisco
ハービー・ハンコックが率いたユニットを母体に70年代から活動を始め、2000年代半ばにはベニー・モウピンからドナルド・ハリソンに交代して運営を続ける生命力に、オリジナル・メンバーであるクラーク&サマーズの結束力の強さを痛感。ガーシュウィンやショーター・ナンバーを含む全7曲にあって、ルーセル作曲の②はメロウなテーマと彼らの音楽性であるファンクが融合。
●The Headhunters, New Morning, Paris, november 2, 2023:
