全曲試聴:
テーマ曲:①Let It Go / JJ Sansaverino (from『Let It Go』Innervision Records) 4:23
1) ⑦Kalunga Dance / Susanne Alt (from『Dark Horse』Venus Tunes Alt 034) 4:42
■Susanne Alt (as,ts,ss,fl,per) James Hurt (p,el-p,key,org,per) Gerald Cannon (b) Willie Jones III (ds) Robert Glass (⑦:per) 2022.2.15,16, NYC
ドイツで生まれ、アムステルダムを拠点とするサックス奏者は、元ロイ・ハーグローヴGのキャノンとジョーンズ3世を起用してハーグローヴに捧げたカルテット作『Royalty For Real』を2024年に発表。本作は同作と同じレコーディングから生まれたもので、1曲を除く7曲をアルトの自作で固めたのが特徴。ファンキーでソウルフルなサックス・スタイルはキャンディ・ダルファーに通じる要素がある中、パーカッション奏者を起用した⑦はジャズとサンバが融合した曲調でアルトサックスが主役を務める。

2) ①Van Gelder’s Place / Dave Stryker (from『Blue Fire: The Van Gelder Session』 (Strikezone Records 8828) 6:11
■Dave Stryker (g) Jared Gold (org) McClenty Hunter (ds) 2025.7.14, NJ
88年のアルバム・デビュー以来、コンスタントにリーダー作をリリースしてきた1957年生まれのストライカーにとって、これが初めてのヴァン・ゲルダー・スタジオ録音作だとは意外。キャリアで記念すべき1枚になる本作のために、自作4曲にスタンダード、パーカー、ビートルズ、ゴールド提供曲からなる全9曲を準備。自作曲①はシャッフル調のブルージーなナンバーで、曲名通り“聖地”に身を置く喜びがサウンドに溢れている。
Dave Stryker – Blue Fire | Blue Fire: The Van Gelder Session:
https://www.youtube.com/watch?v=JcK_Ekw9jww&list=RDJcK_Ekw9jww&start_radio=1

3) ①My Toots Toots (For Toots) / Mattias Svensson (from『Embrace』Origin Records 82943) 7:01
■Bill Mays (p, ⑨:vo) Mattias Svensson (b) Morten Lund (ds) 2022.8.1-3, Copenhagen
日本ではヤン・ラングレン・トリオで知られるスウェーデンのスヴェンソンは、2008年の来日時に日本のFive Stars Recordsが制作した初リーダー作『Head Up High』でメイズと初録音した経緯があり、デンマークのルンドが加わったトリオ作を米レーベルが制作したのは感慨深い。14曲中、10曲を占めるスヴェンソンのオリジナルにあって、①は共演歴があるトゥーツ・シールマンスに捧げたワルツで、先発のベース・ソロで偉大なパイオニアへの敬愛を表明する。

4) ⑩Moonfish Dance / Julia Hülsmann Octet (from『While I Was Away』ECM 2869) 5:07
■Julia Hülsmann (p) Eva Kruse (b) Eva Klesse (ds) Héloïse Lefebvre (vln) Susanne Paul (violoncello) Aline Frazão, Live Maria Roggen, Michael Schiefel (vo) 2023.9, Berlin
2008年以降、トリオとカルテットを中心にECMで10タイトルを発表してきたヒュルスマンの、オクテット・デビュー作。ピアノ・トリオと2ストリングスのクラシック・トリオが合体した5名に、3名のヴォーカリストが加わったユニークな編成は、エミリー・ディキンソン、E.E.カミングスら歴史的な詩人や本作の歌手の歌詞を採用した楽曲作りを知って納得。最大の貢献者は3曲を提供したノルウェーのリーヴェ・マリア・ロッゲンで、⑩はヴォーカル・パート以外の器楽パートで混然一体となるのが聴きもの。
●ECM Podcast #63 – Julia Hülsmann (album “While I Was Away”):

5) ④The Known End / Kris Davis & the Lutosławski String Quartet (from『The Solastalgia Suite』Pyroclastic Records PR 44) 7:16
■Kris Davis (p) Lutosławski String Quartet [Roksana Kwaśnikowska, Marcin Markowicz (vln) Arur Rozmysłowicz (vla) Maciej Młodawski (cello)] 2024.11.23
ワルシャワの《ジャズトパド・フェスティヴァル》から委嘱されたデイヴィスは、ヴィジェイ・アイヤー、クレイグ・テイボーンらと共演歴があるポーランドのルトスワフスキ四重奏団を迎えて、自身初のピアノとSQの組曲を作曲。アルバム名の「ソラスタルジア」は、「故郷にいながら、故郷を失う苦しみ」を意味する、オーストラリアの哲学者グレン・アルブレヒトが提唱した造語で、デイヴィスが故郷のヴァンクーヴァーに帰った時に地元の様子がすっかり変わってしまったと感じたことに由来する。④は激しくコントラストを描くピアノとSQがほどなく共鳴し合い、穏やかに落着する姿を描いている。
●Kris Davis & the Lutosławski String Quartet – The Solastalgia Suite (Teaser)

6) ⑤Bill Evans Suite: V. Waltz For Debby (Reprise) / Palle Mikkelborg, Claus Ogerman, Thomas Clausen Trio, Singapore Symphony Orchestra, Jean Thorel (from『Symbiosis: Tribute to Bill Evans』Pentatone Music PTC5187510) 5:43
■Thomas Clausen (p) Thomas Fonnesbæk (b) Karsten Bagge (ds) Anders Malta (tp). Singapore Symphony Orchestra, Jean Thorel (cond) 2023.1.6, Singapore
アルバムは全6楽章の「ビル・エヴァンス組曲」、クラウセン自作曲「For Pi」、エヴァンスとクラウス・オガーマンが組んだ74年録音作をライヴ用に再構築した「シンバイオシス」を収録。①~⑥はデンマーク放送からパレ・ミッケルボルグが委嘱され、69年にエヴァンス・トリオ+デンマーク王立交響楽団+デンマーク放送ビッグバンドによる演奏が放送されながら作品化されず、2023年にようやく『Treasures』(Elemental Music)で日の目を見た組曲で、エヴァンスの代表曲をアレンジしたのが特色。⑤はピアノばかりでなく、エヴァンスの61年ライヴのソロ・パートを踏まえたオーケストラ・アレンジを含めて、巨星への敬愛溢れる演奏が素晴らしい。
●Symbiosis: Tribute to Bill Evans – Interview with Hans Sorensen and Ding Jian Han:














