全曲試聴: https://open.spotify.com/playlist/0DiwDyC0s8oWHpSqYnSRHA
テーマ曲:Boarding Pass / David Benoit & Jeff Lorber (SRG Jazz, single) 4:24
1) ⑪Marc’s Moments / Martin Wind (from『Stars』Newvelle Records NV036, LP & digital only) 4:41
■Anat Cohen (cl) Kenny Barron (p) Martin Wind (b) Matt Wilson (ds) 2025.2.5-6
90年代にドイツからNYへ移住したウィンド(1968~)は、ドン・フリードマンやビル・メイズの作品を通じて一流のバイプレイヤーの印象があるが、リーダー作も数多い。これはレーベルの創立10周年を記念した5タイトル・シリーズ“Newvelle Ten Collection”の第1弾。オールスターズと呼んでいいカルテットが演奏するのは、自作曲、エリントン、エデュ・ロボ等の全9曲(デジタル版はボーナス2曲付き)。⑪は、クラリネット、ピアノ&ベース・ユニゾンのテーマで始まるウィンドのオリジナル曲で、バロンの素晴らしいソロが堪能できる。
■”Moon and Sand” an unreleased track from Martin Wind’s Stars:

2) ⑨Gospello / Antonio Faraò (from『Kind of Piano Solo』Notes Around AG NA001) 4:19
Antonio Faraò (p) 2025.2, Montreuil, France
初リーダー作から約四半世紀のレコーディング・キャリアにあって、意外なことにこれが初のソロ作。ファラオの自主レーベルからの第1回作品である事実と、無関係ではあるまい。つまり既存のレーベルでは難しい自由さを求めた結果が本作なのだ。ファラオの自作8曲と、「ラウンド・ミッドナイト」「時さえ忘れて」等のカバー4曲を収録。オリジナルは良曲が多く、中でも⑨は曲名通りにゴスペル・テイストと優美な旋律が融合した流れが生まれていて、キース・ジャレット『フェイシング・ユー』に通じる要素が認められる点も興味を惹く。
■Antonio Farao’ Making of album “Kind of…” Piano Solo:

3) ④Friends / Bjørn Alterhaug (from『Blame It On My Age』Losen Records LOS 329-2) 7:01
■Erlend Vangen Kongtorp (ts) Vigleik Storaas (p) Bjørn Alterhaug (b) Tom Olstad (ds). 2025.10.6, Trondheim
アリルド・アンデルセンと同じ1945年ノルウェー生まれのベーシストであるビョルン・アルテルハウグは、アンデルセンほどの多作家ではないが、米国著名人多数を含む共演歴を持つ。2年前に結成したカルテットが、4日間のツアーを経た成果と言っていいスタジオ作。2017年に脳卒中を患うも、5~6年のリハビリによって回復。スタンダード・ナンバーを拝借したアルバム名は、録音時80歳だったことを踏まえてのものだが、自作4曲やフリー・アプローチのホレス・シルヴァー作「ピース」等、演奏内容は意欲的だ。④はビョルン・ヨハンセンがエギル・カプスタッド(p)との双頭名義作『Friends』(80年、アルテルハウグも参加)に提供した楽曲で、ベース・ソロもフィーチャーされるバラード。

4) ⑥Semblence / Pierre De Bethman (from『Essais, Volume 6』Alea ALEA018) 4:45
■Pierre de Bethmann (p) Nelson Veras (g) Sylvain Romano (b) 2022.7.27,28, Pompignan, France
本シリーズの『Volume 4』までを務めたトニー・ラベソン(ds)の継続参加が難しくなったため、前作からネルソン・ヴェラス(g)に交代。トリオであることに変わりはないが、楽器編成の変化を決めたド・ベスマンは秘策を胸に秘めていたのではないだろうか。今回は作曲家8名による8曲をアルバム・コンセプトとして、アンドリュー・ヒル、アントニオ・カルロス・ジョビン、クレア・フィッシャー、ベニー・ゴルソンらのナンバーをカバー。⑥はキース・ジャレット『フェイシング・ユー』が初演で、ピアノとギターによるコンビネーションのメリットを十分に活かした仕上がりだ。

5) ①Fragmentarium / Jesper Thorn (from『Stille』April Records APR156CD) 6:10
■Maj Berit Guassora (tp,flh) Cecilie Strange (ts) Marc Mean (p,electronics) Jesper Thorn (b,electronics) Andreas Bernitt (vln) 2025.3.31, Copenhagen
コペンハーゲンのベーシスト、イェスパー・ソーンの3年ぶりとなるApril第2弾。一部のメンバーが交代した前作と同じ楽器編成で、バンド・コンセプトを追求。2管、ドラムレスでヴァイオリン入りのクインテットという特異な編成は、全8曲を書いたソーンの作曲志向に必要だったから。「静けさ」を意味するアルバム名に沿ったプログラムにあって、①はストランジとガッソラの北欧的なソロ・リレーで構成。

6) ①One Finger Snap / Jordan Williams (from『Playing By Ear』Red Records RR 1233582) 6:34
■Jordan Williams (p) Wallace Roney Jr. (①③④⑥:tp) Nat Reeves (b) Jeff “Tain” Watts (ds) 2025.4, NJ
アメリカ東海岸のジャズ・シーンで頭角を現している1996年フィラデルフィア生まれのピアニストのデビュー作。ベテランのリーヴス+ワッツとのトリオを基本に、4曲でルーニー・ジュニアが参加する超世代編成であることに加えて、ケニー・カークランド③、ケニー・ギャレット⑦の選曲もウィリアムスの音楽的志向を示していて見逃せない。ハービー・ハンコックの①は、若さと勢いが弾けるアップ・ナンバーだ。














