全曲試聴: https://open.spotify.com/playlist/3TQnPqBVpsmhHAuNoGWlJW
テーマ曲:①Dreamy Night / Michael Lington (from『On The Scene』Copenhagen Music) 4:43
①Espíritu Libre / Alison Rayner Quintet (from『SEMA4』Blow The Fuse Records BTF2515CD) 6:47
■Diane McLoughlin (ts,ss) Steve Lodder (p) Deirdre Cartwright (g) Alison Rayner (b,el-b) Buster Birch (ds) 2024.5.21,22, London
英国のベテラン・ベーシスト(1952~)は自己のクインテットARQで3タイトルをリリースし、母国での受賞など高い評価を獲得。本作はロンドン“ヴォルテックス・ジャズ・クラブ”でのライヴで、作品化を前提にしなかったものの、レイナーが聴き直して10周年記念作に。メンバー4人の提供9曲のプログラムにあって、レイナー作曲の①は「トンネルから脱出した自由」を楽曲コンセプトに、バンドがエネルギッシュな演奏を展開する。
- ARQ | Alison Rayner Quintet live highlights:

2) ①Distilled / Eyolf Dale (from『When Shadows Dance』Edition Records EDN1259) 4:26
■Eyolf Dale (p) Per Zanussi (b) Audun Kleive (ds) 2024.6.12-14, Oslo
2021年発表作『Being』と2023年発表作『The Wayfarer』で成果を挙げたノルウェーのトリオによるEdition第3弾。全9曲のダーレ・オリジナルは、曲名から推察すると自然界を作曲のモチーフにしているようで、叙情的でメロディアスで、初対面でも親和性が感じられる曲調が特徴。①はベースがソロを先行し、2番手のピアノが挑戦的な姿勢を見せながら、トリオの一体感を表現する。

3) ②Mosquito Flats / Benjamin Lackner (from『Spindrift』ECM 2832) 8:38
■Mathias Eick (tp) Mark Turner (ts) Benjamin Lackner (p) Linda May Han Oh (b) Matthieu Chazarenc (ds) 2024.3, Pernes les Fontaines
2022年にカルテット作『Last Decade』でECMデビューしたベルリン生まれのラックナーの同第2弾は、連続参加のアイクとECMのアドバンテージを活かしたターナーらが加わった新クインテット作。④を除く9曲がラックナーのオリジナルで、アイク&ターナーの2管を想定した書法であることは間違いなく、②はユニゾンと短いリレーに主張が感じられる。
●Benjamin Lackner Spindrift Teaser:

4) ⑦Växter / Stina Hellberg Agback (from『The Standard Is The Standard』 Prophone Records PCD370) 6:54
■Stina Hellberg Agback (harp) Filip Augustsson (b) Jon Fält (ds) (c) 2025
ギター+ドラムとのユニットTrilobityや、Stina Hellberg Agback = Jonas Isaksson Quartetでアルバムをリリースしてきたスウェーデンのハープ奏者の、この顔ぶれでは初となるトリオ作。スタンダードと自作が各5曲のプログラムで、「ムーン・リヴァー」「ボディ・アンド・ソウル」等の前者は、アグバックが本質的にはメロディアス志向のミュージシャンであることを明らかにする。曲名が「植物」を意味する⑦は、弦楽器同士のハープとウッドベースの親和性を示す好例。

5) ①34a / Steve Lehman Trio + Mark Turner (from『The Music of Anthony Braxton』 Pi Recordings PI106) 8:28
■Steve Lehman (as) Mark Turner (ts) Matt Brewer (b) Damion Reid (ds) (c) 2025
99~2007年にアンソニー・ブラクストンのサイドマンを務めたリーマンが、レギュラー・トリオに、2014年以来たびたび共演しているターナーを迎えたLAライヴ。ウォーン・マーシュがブラクストンとターナーの共通点ゆえに、トリスターノ派~コニッツ&マーシュの裏テーマも興味をひく。①はゲスト起用の正解を証明しながら、リーダーの存在感もしっかりと表明。

6) ②Catch Of The Day (For A&M) / 3 Cohens/WDR Big Band (from『Interaction』Anzic Records AZ009002) 7:11
■Avishai Cohen (tp,effects) Yuval Cohen (ss) Anat Cohen (cl) Oded Lev-Ari (cond). WDR Big Band [Andy Haderer, Rob Bruynen, Wim Both, Ruud Breuls (tp) Raphael Klemm, Jonathan Böbel, Mattis Cederberg, Andy Hunter (tb) Stefan Pfeifer-Galilea, Johan Hörlén, Paul Heller, Ben Fitzpatrick, Jens Neufang (sax) Billy Test (p,el-p) John Goldsby (b) Hans Dekker (ds)] 2022.6.16, Köln
デビュー作からのウォッチャーとしては、イスラエルのきょうだいトリオがドイツのトップ楽団とのライヴ共演作を実現させたのは実に感慨深い。3 Cohensの2013年発表前作『Tightrope』から現在までの間に、それぞれが価値を高めており、アルバム上の3人の再会地がWDRである点に、トリオの飛躍を実感。②はバップ・テイストのアップ・ナンバーで、前半をアナット~アヴィシャイがソロ・リレーする。
●Tiger Rag|3 COHENS & WDR BIG BAND
