全曲試聴:https://open.spotify.com/playlist/2qHqneKphEqPsBwroNTC1F
テーマ曲:①Firebrand / Randal Clark (from『Stargazer』Randal Clark) 3:26
1) ③Trio / Dieter Ilg (from『Ravel』ACT 9952-2) 6:54
■Dieter Ilg(b) Rainer Böhm(p) Patrice Héral(ds) 2021.11.26,27, Ludwigsburg
バッハ、ベートーヴェンらクラシックの大作曲家の楽曲をモチーフに、ドイツのベテラン、イルグが創造性を発揮するトリオ・シリーズの最新テーマは、モーリス・ラヴェル。④「亡き王女のためのパヴァーヌ」、⑥「ボレロ」等で、従来のジャズ・アレンジではない独自のセンスを発揮。③「ピアノ三重奏曲」はヴァイオリン+チェロの原曲を、攻めの姿勢で演奏。

2) ⑧Feuilles / Alessandro Sgobbio (from『Piano Music』AMP Music AT0114) 4:13
■Alessandro Sgobbio(p) 2020.7, 2021.10, Italy
2021年リリースの北欧カルテットHitra名義作『Transparence』が記憶に新しいイタリア人ピアニストが、新旧の自作9曲を集めた独奏作。両親に捧げた①や、恩師ミシャ・アルペリンを追悼した③「Atma Mater」等を、自身と向き合いながらFazioliコンサートグランドで表現。⑧は叙情的でメランコリックな旋律に惹かれる。録音は名匠ステファノ・アメリオ。
●MV:Alessandro Sgobbio – Atma Mater (from the album ‘Piano Music’)

3) ①Les Nuages Filent / Nicole Johänntgen (from『Solo II』Selmabird Records SBR 20) 6:58
■Nicole Johänntgen(as) 2021.8.11, Switzerland
ニューオリンズ、モード、ファンクといった米国産ジャズを土台とするヨハントゲンが、現在最も注力するのがソロ・プロジェクト。2019年に最初の成果をリリースしており、これは3年ぶりとなる第2弾で、自身がライヴ会場として好む教会のアンビエントを活用。「雲が回る」を意味する①はマルチフォニック的な効果を生み、従来のジャズ・サックス・ソロとは異なる音楽環境を現出。

4) ⑤Last Decade / Benjamin Lackner (from『Last Decade』ECM 2736) 5:52
■Benjamin Lackner(p) Mathias Eick(tp) Jerome Regard(b) Manu Katche(ds) 2021.9, Pernes-les-Fontaines
ベニー・ラックナー名義で6枚のトリオ作を発表しているドイツ/アメリカ人ピアニストが、本名で臨んだECMからの初リーダー作。旧知のカッチェをきっかけにアイクと繋がり、レギュラー・トリオのルガールが加わったカルテットを編成した、初の管楽器入りアコースティック自作曲集。スロー・ナンバーが多くを占める中、⑤は個性的なトランペットを得た新境地。

5) ③Leaves Gathering (Headed Back To Tree) / William Parker (from『Universal Tonality』(AUM Fidelity CENT 1030) 20:36
■Matt Lavelle(tp) Steve Swell, Grachan Moncur Ill(tb) Daniel Carter(reeds,brass) Rob Brown(as) Cale Brandley(ts) Jerome Cooper(balafon,chirimía,key,ds) Dave Burrell(p) Joe Morris(g) William Parker(b,dilruba,shakuhachi,donso’ngoni) Gerald Cleaver(ds) Jin Hi Kim(komungo) Miya Masaoka(koto) Billy Bang, Jason Kao Hwang (vln) Roger Blank(balafon) Leena Conquest(vo) 2002.12.14, NYC
パーカーが90年代初頭に様々なミュージシャン、ダンサーと共演した経験を基にアイデアを練り、2002年にトライベッカのロフト・スペースで開催した一夜限りのライヴ音源が、20年を経て作品化。約2時間の2CD全6曲は各10~31分の長尺で、モンカー、クーパー、バレル、クリーヴァーの参加が見逃せない。③はパーカーの音楽歴に触れた語りをイントロとした集団即興演奏が圧巻。

6) ⑥Twilight Zone/Twilight Tone / The Manhattan Transfer (from『Fifty』Concord 7246403) 6:19
■The Manhattan Transfer [Alan Paul, Janis Siegel, Cheryl Bentyne, Trist Curless (vo)] WDR Funkhausorchester Köln © 2022
ティム・ハウザー他界後もカーレスの加入によって、混声ユニットのパイオニアとしての地位が揺るがないマントラの周年記念作。その地位に安住せず、祝賀のためにドイツWDRと合体して旧レパートリーに新たな生命を吹き込んだ意欲的な姿勢が嬉しい。初期代表曲の⑥はシンフォニックな新アレンジと初演流を組み合わせた構成に、制作陣の巧みさを聴く。
●“God Only Knows” (Official Video):
