10月に日本デビュー作『ラスト・シングス』(Blue Gleam)をリリースしたノルウェーのデュオ、シーリル・マルメダール・ハウゲ(vo)&ヤコブ・ヤング(g)が、全4回の初来日ツアーを行った。Fieldfare、Wild Things Run Fast等のユニットで活動し、ラーシュ・ヤンソン(p)、イェスパー・ボディルセン(b)との共演歴があるハウゲ(1992~)と、ECMから3枚のリーダー作を発表しているヤング(1970~)は、ノルウェー人ミュージシャンによるプロジェクトNordic Circlesの2017年発売第2弾『Under the Clouds』のレコーディングで出会ったことがきっかけとなって、デュオを始動。ジャズのスタンダード・ナンバーやポップス、ロックからも選曲し、デビュー作を完成させた。
日本ツアー最終日となった12月10日の東京・新宿文化センター小ホールでの公演は、約200人の観客を前に全14曲を披露。ヤングはエレクトリックとアコースティック・ギターを持ち替えながら、アルバム収録曲を中心に、ガーシュウィン兄弟作の「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」、8月に逝去したアレサ・フランクリン(vo)を追悼したバート・バカラック作の「小さな願い」等の未収録曲も選曲し、ボビー・トゥループ作の「ルート66」で本編を締め括った。アンコールに応えて再登場すると、この季節らしくハウゲはメル・トーメ作の「ザ・クリスマス・ソング」を、ノルウェー語と英語で歌唱。全編を通じて透明感に溢れる歌声を聴かせてくれたハウゲは、アルバム以上に魅力的なヴォーカリストであることを印象付けた。