日本でも人気が高いスウェーデンを代表するピアニストのヤン・ラングレンが、今年度の〈The Ellen & Svend Asmussen Prize〉を受賞した。同賞は2017年に100歳の天寿を全うしたデンマークの国宝的ヴァイオリン奏者で、デューク・エリントン、ベニー・グッドマン、ステファン・グラッペリとの共演歴があるスヴェンド・アスムッセンと、エレン未亡人の名前を冠した顕彰。2017年に制定され、今年で3回目となる。
受賞者の発表と授賞式は6月13日にコペンハーゲンの“ジャズハウス・モンマルトル”で行われた。同日は「アン・オールスター・コンサート・セレブレイティング・スヴェンド・アスムッセン」と題した公演を開催。ヤコブ・フィッシャー(g)、マッズ・マティアス(vo,sax)、マッズ・ヴィンディング(b)、アージ・タンゴー(ds)らのバンドに、ラングレンがゲストとして参加することが告知されていた。

ラングレンの受賞理由は3点。パオロ・フレス、リシャール・ガリアーノ、ハリー・アレン、プッテ・ウィックマン、ベンクト・ハルベルク、ゲオルグ・リーデル、アリルド・アンデルセンらとの共演を通じて、音楽家として数多くの作品やコンサート・プロジェクトに取り組んできたこと。芸術監督を務める《Ystad Sweden Jazz Festival》で様々な企画を立案・実現させて、大きな成果を挙げたこと。“ジャズハウス・モンマルトル”の芸術監督として、これまで行ってきた業績が評価された。7月末から開催される同祭は今年が10周年の記念年。デンマーク・ジャズ史で重要な役割を担い、コペンハーゲン・ジャズ・シーンの中心的スポットである同店には、3年間携わってきた。ラングレンには賞金25,000デンマーク・クローネが授与された。
