1994年に結成し、96年のアルバム・デビュー後、ハイブリッドな音楽性により世界的な人気を獲得してきたノルウェーの音楽集団ジャガ・ジャジストが、2015年の前作『Starfire』以来5年ぶりの新作『Pyramid』を完成。フライング・ロータス主宰の米LAレーベルBrainfeederから、4月24日のリリースが決まった。最大11名の時期もあったメンバーは現在8名で、前作と同じ顔触れの布陣となる。内容は全4曲、39分を収録したCDとLP仕様で、CDの長時間収録のメリットを使わず、LPに寄せたあたりはノルウェーらしいと言える。
アルバムはテリエ・リピダル(g)、スーパーサイレント、モーターサイコとの共演で知られる同国のストーレ・ストーロッケン(p,key,org)や、80年代に活動した同国のジャズ・バンド Out To Lunch、あるいはオーストラリアのサイケデリック音楽プロジェクト Tame Impala、ディスコ・サウンドを基盤にした音楽性を持つ母国のDJ、ソングライター Todd Terje、エレクトロニック・ミュージックの英国人ミュージシャンJon Hopkinsといった同時代人の音楽を吸収して制作。電子音楽の先駆者として世界的に有名な冨田勲に捧げられた「Tomita」、2月26日リリースの先行シングル曲「Spiral Era」、アフロビートの創始者フェラ・クティ(sax,key,vo)が母国ナイジェリアのラゴスで活動拠点としたライヴ・ハウスに由来する「The Shrine」等を収録している。
●「Spiral Era」試聴⇒ https://youtu.be/HnLUe4MMraY
ジャガ・ジャジストの通算9枚目となる新作は、初めてのセルフ・プロデュースとなった。前作はメンバーがブースに出入りして作曲と録音を行い、2年間かけて制作されたのに対して、新作はわずか2週間で仕上げた点で大きな違いがある。
ジャガ・ジャジストの共同創設者でドラマーのマーティン・ホーントヴェットは、新作について次のようにコメントした。「最も重要なことは、すべての音楽的アイデアを過度に分析したくなかったということです。最初の独創的なアイデアに従って、新鮮さを保ちたかったのです」。
【作品情報】
PYRAMID / Jaga Jazzist
■①Tomita ②Spiral Era ③The Shrine ④Apex
■Jaga Jazzist [Lars Horntveth(g,pedal steel guitar,cl,sax,key,syn,vib,p,prog) Marcus Forsgren(el-g,vo) Even Ormestad(b-g) Line Horntveth(tuba,alto horn,euphonium,fl,vo) Erik Johannessen(tb,vo) Martin Horntveth(ds,per,prog) Øystein Moen(syn,clavinet,org) Andreas Mjøs(vib,chef)] David Wallumrød(①:additional sounds)
■Brainfeeder BF099 (LP), BFCD099 (CD)