日本では抒情派イタリアン・ピアニストとして知られるアントニオ・ザンブリーニ。2007年の『Comencini』(Philology)に始まるリー・コニッツ(as)との3部作でその名を高め、2010年代は70年代にビル・エヴァンス(p)・トリオで名声を得たエリオット・ジグムンド(ds)との『Long Distance』、映画音楽の巨匠のソングブック『Plays Nino Rota』のトリオ作や、リタ・マルコチュリとのピアノ・デュオ『La Conversazione』(以上Abeat)をリリースし、クリエイティヴな活動を報告してくれた。

ザンブリーニは現在、トリオによる最新のWEBコンサートを公開している。これは沖縄県宜野座村とイタリア・トスカーナ州ピストイア県ペーシャ市の姉妹都市提携 20 周年を記念したもので、イタリア文化会館・大阪のイヴェント特設サイト「IIC Osaka Eventi Online」で、無料で視聴が可能だ。
童話『ピノッキオ』の誕生の地であるペーシャとの姉妹都市提携は、2000 年の沖縄サミットのために来日したイタリアのジュリアーノ・アマート首相が宜野座村を訪問した際に提案され、将来を担う子ども達に夢と希望を与えることを第一の目的に、2001 年 9 月 7 日に締結。このWEB コンサートは、新型コロナウィルス感染症の拡大で日伊間の往来が難しい中、インターネット上で宜野座村とペーシャ市を繋ぎ、共にコロナ禍を乗り越え、友情と交流を深めていこうと企画された。

出演者であるザンブリーニ・トリオのメンバーは共にデンマーク人のイェスパー・ボディルセン(b)とマルティン・アンデルセン(ds)で、このトリオはテレビ・シリーズのサウンドトラックを手掛けたフィオレンツォ・カプリの楽曲集『Pinocchio e Altri Racconti』(2018年)と、ザンブリーニとボディルセンのオリジナルにスタンダード・ナンバーを加えた『Incontro』(2020年、以上Abeat)をリリース。WEB コンサートでは両作品からの選曲を含む、全7曲で構成している。冒頭にグーヤ・グイディ ペーシャ市長と、最後に當眞淳宜野座村長の挨拶が入る動画は、本年12月31日まで公開。
●Antonio Zambrini Trio Live:https://eventionline.net/artist_video/s220/
■①Gaia ②Incontro ③Lucignolo ④Melampo ⑤La Strada ⑥Antonia ⑦Long Ago And Far Away
■Antonio Zambrini(p) Jesper Bodilsen(b) Martin Andersen(ds)
(情報提供:イタリア文化会館・大阪)