●全曲試聴:https://open.spotify.com/playlist/48NZYEWupxRGqgWJSnKWHT
テーマ曲:②Mauritius / Al DeGregoris (from『Time Sensitive』The Shark Music Group)
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1) ⑤Following The Right Way / Pierre Marcus (from『Following The Right Way』(Jazz Family JF064) 3:40
■Renaud Gensane(tp) Baptiste Herbin(as) Irving Acao(ts) Simon Chivallon(p) Pierre Marcus(b) Thomas Delors(ds) 2019.6.11-13, France
2015年にアルバム・デビューした仏人ベーシストのリーダ-第3弾。ブルガリアの民族音楽を取り入れた楽曲や、ミンガスやモンク、ヴィブラフォン参加のコンテンポラリーなナンバーが並ぶ中、タイトル曲の⑤はストレート・アヘッドなハードバップが、マーカスのジャズ・ルーツを反映する。
2) ①I Get A Kick Out Of You / Noa Levy & Shimpei Ogawa (from『You, Me & Cole』(BelleRecords BEL-002) 2:56
■Noa Levy(vo) Shimpei Ogawa(b) (c)2020
共にサンフランシスコ在住のイスラエル出身歌手と邦人ベーシストの初デュオ作。レヴィにとって3名とのデュオを収めた2年前のEPに続く本作は、全10曲のコール・ポーター集。コード楽器ではないベースをパートナーに選んだことに、特別なこだわりがうかがえるわけで、①はユニゾンとスキャットを織り込んで高いスキルを実証。
3) ⑥Straight No Chaser / Stefano Travaglini (from『Monk』Notami Jazz NJ031) 3:27
■Stefano Travaglini(p) 2019.5.5, Paris
ハンガリーの古謡集や即興曲集を発表してきた伊ピアニストによる全15曲のセロニアス・モンク・ソングブック。モンク的奏法やジャズ・アレンジの要素は少なく、クラシック音楽を土台にした自身の音楽センスを、モンク・ナンバーを通じて表現した趣。⑥は左手のミニマルな動きと右手のアドリブが対照的で、アレンジの発想がユニーク。Fazioli F278使用。
4) ③Se tu m’ami / Dario Savino Doronzo (from『Reimagining Opera』Digressione Music DCTT96) 6:47
■Dario Savino Doronzo(flh) Pietro Gallo(p) 2019.7
1986年生まれのイタリアンが“リ・イマジン・デュオ”のパートナーであるピアニストと共に、オペラのアリアをカヴァー。ヴェルディ、モンテヴェルディ、プッチーニ等が並ぶ中、アレッサンドロ・パリゾッティ作曲の③「もし貴方が私を愛してくれて」は、メランコリックなメロディを奏でるフリューゲルホーンが心地よく響く。
5) ⑦Seemin’ Easy / Lynn Cassiers (from『YUN』Clean Feed CF550CD) 6:21
■Lynn Cassiers(vo,electronics) Bo Van der Werf(bs) Erik Vermeulen(p) Jozef Dumoulin(el-p,key) Manolo Cabras(b) Marek Patrman(ds) 2019.6, Schaerbeek, Belgium
ベルギー出身のヴォーカリスト&サウンドスケーパーが北京語で“雲”を意味する新プロジェクトを始動。エレクトロ・アコースティックの編成で伝統的なジャズを探索する、というバンド・コンセプトを、有名曲の独自翻案で表現。⑥は「イージー・トゥ・ラヴ」が突然現れる、歌唱曲の概念を覆す音作りが衝撃的。
6) ①Magnet / Azat Bayazitov (from『The Doors Are Open』Rainy Days Records RAINY008CD) 7:32
■Azat Bayazitov(ts) David Kikoski(p) Adam Rogers(tracks: 2-8:g) Boris Kozlov(b) Samvel Sarkisyan(ds) 2019.5.12, NYC
イゴール・ブットマンに認められたロシア出身のニューヨーカーによる、2015年のデビュー作に続く第2弾。全8曲のオリジナルで勝負しただけに、バラジトフの自信が全編で漲っているのが素晴らしい仕上がり。リスナーの第一印象を決定づける①は小細工のないストレートなアプローチが好感度大の快演。