全曲試聴:https://open.spotify.com/playlist/78uZrKTKt6L1qipYhwz116
テーマ曲:⑥Sistas / Marqueal Jordan (from『All We Have Are Moments』October 23rd Music) 4:29
1) ⑥Blues On The Run / Mark Sherman (from『Bright Light』The Audiophile Society) 4:25
■Joe Magnarelli(tp,flh) Mark Sherman(p) Dean Johnson(b) Tim Horner(ds) 2022.1.27, NY
約40年間のリーダー・レコーディング・キャリアで、ドラマー&ヴァイブラフォン奏者として16タイトルをリリースしてきたシャーマン(1957~)が、アルト+トロンボーン・クインテットの前作『My Other Voice』からピアノに専念。カルテットに刷新した本作は全10曲収録で、トリオの⑥は60年代のハービー・ハンコックを想起させるピアノに共感。
2) ①Henri And Raqchel / Eli Degibri (from『Henri And Rachel』Degibri Records DR1009) 4:42
■Eli Degibri(ts,ss) Tom Oren(p) Alon Near(b) Eviatar Slivnik(ds) (c) 2022
2018年のハンク・モブレイ曲集で好感度を上げたイスラエルのサックス奏者の第9弾。③を除く自作曲集は家族や友人に捧げた、スローとアップ曲のバランスが良いプログラムで、デジブリのプライベートな思いがワン・ホーン・カルテットの演奏に反映されている。MVもある①は亡き父親と重病の母親への愛情が、美旋律を通じて伝わり、聴き手の感動を呼ぶ。
●Henri and Rachel Official Video:
https://www.youtube.com/watch?v=kVODs-9YQzQ
3) ①Giants / Empirical (from『Like Lambs』self-release) 8:55
■Nathaniel Facey(as) Lewis Wright(vib) Tom Farmer(b) Shaney Forbes(ds) 2021.10.16, London
2007年結成の英国人カルテットはDL時代に呼応するかのように、2018、2019年と自主制作のEPを連発。初期のような露出度が減った印象は否めないものの、この3年ぶりの全曲フォーブス作曲による4曲入りEPは、彼らの創造性の継続を証明。①は複合的な音楽性と、ピアノレスのアルト~ヴァイブによる優位的編成が、サウンドの快感をもたらす。
4) ②Spending Time With Ludvig / Gard Nilssen Acoustic Unity (from『Elastic Wave』ECM 2724) 4:04
■André Roligheten(ts,ss,bass-sax,cl) Petter Eldh(b) Gard Nilssen(ds) 2021.6, France
2015年にアルバム・デビューしたノルウェーのニルセン率いるトリオの第4弾を、自身初のECMリーダー作としたことは、ルーリヘッテンとエルドの若手時代に知己を得た私にとって、誠に喜ばしい。全11曲はすべてメンバーの自作で、テナー・フィーチャーの②はロリンズを想起させる吹奏と、60年代のクールなフリーに通じるサウンドが好ましい。
5) ②The Hidden Balcony / Angles (from『A Muted Reality』Clean Feed CF600CD) 13:41
■Magnus Broo(tp) Goran Kajfes(tp,Maestro soundsystem for woodwinds pedal) Mats Äleklint(tb,sousaphone) Martin Küchen(as) Alexander Zethson(p,Juno 106) Johan Berthling(b) Konrad Agnas(ds) Mattias Ståhl(vib) 2021.4.22, Stockholm
1966年スウェーデン生まれのマルチ・サックス奏者マーティン・クーヘン率いるAnglesは、トリオからテンテットまで編成を変えながら活動を続け、本作は2008年のデビュー作以来3枚目を数える。ミンガスの影響が濃厚な③を含む全3曲は、革新的スタイルも得意な同国の精鋭の力量を堪能。②はアルトを皮切りに進行し、混然一体となって落着する。
6) ③Broadway Blues / Scottish National Jazz Orchestra (from『Where Rivers Meet』 Spartacus STS028) 8:38
■Jim Davison(tp) James Copus, Christos Stylinades(tp,flh) Kieran McLeod, Liam Shortall(tb) Michael Owers(btb) Martin Kershaw(cl,as) Paul Towndrow(as) Tommy Smith(ts,①②③:arr) Konrad Wiszniewski(ts) Bill Fleming(b-cl,bs) Pete Johnstone(p) Calum Gourlay (b) Alyn Cosker(ds) Geoffrey Keezer(④⑤⑥:arr) Paul Towndrow(⑦~⑫:arr) 2021.4.30, Edinburgh
トミー・スミスが音楽監督を務める楽団が、アルバート・アイラー、デューイ・レッドマン、アンソニー・ブラクストンら4名の各3曲をカヴァー。この意欲的なプロジェクトはライヴ・ペインティングを含むマルチメディア・パフォーマンスとして開催。オーネット・コールマン作曲の③はリズムを変化させながら緊張感を高めるアルト・ソロが聴きものだ。