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●テーマ曲:②Into The Blue Tempest / Bruce Hibbard (from『Cloud Street』Vizor Records BHCSCD) 4:40
1) ⑥Toe Dance For A Baby / Jay Hoggard (from『Raise Your Spirit Consciousness』 JHVM 008) 5:15
■Jay Hoggard(vib) Dwight Andrews(ss,b-cl) James Weidman(org,p) Nat Adderley, Jr.(p) Kenny Davis(b) Pheeroan Aklaff(ds) (c) 2023
2003年以降、自主レーベルからのリリースを続けるホガードの同8枚目。40年もの関係にある音楽仲間を迎えて、アルバム名に象徴される「魂の意識を高めること」をコンセプトに、自作8曲とエリントン、ショーター等のカヴァー4曲で構成。アフリカ由来のリズムの使用を特徴とする中、⑥はブレイキーやエルヴィンに通じるリズムを演出するアクラフが好演。
2①You Gotta Move / Chris Potter (from『Got The Keys To The Kingdom: Live At The Village Vanguard』Edition Records EDN-1214) 14:01
■Chris Potter(ts) Craig Taborn(p) Scott Colley(b) Marcus Gilmore(ds) 2022.2, NYC
2019年以降、ソロとトリオを制作してきたポッターの英Edition第4弾は、この顔ぶれでは初となるオールスター・カルテット。アマゾン民謡、ブラジル曲、スピリチュアル等、ジャズ・ヴァージョンが少ないナンバーにもスポットを当てた全6曲。サム・クックやローリング・ストーンズも歌った①は、ポッターがゴスペル~ブルース魂を燃え上がらせたトラック。
3) ①Two to Go / Jason Rebello and Tim Garland (from『Life To Life』Whirlwind Recordings WR4799) 7:18
■Tim Garland(ts,ss,sn,b-cl) Jason Rebello(p) summer 2022
共に60年代後半生まれの英国人で、30年来の関係を築いている2人が、機が熟したと感じたタイミングで初のデュオ作を制作。両者が持ち寄った自作曲とチック・コリアを含むカヴァー2曲の計10曲は、それらを通じてお互いが学ぶ機会になったという。ガーランド作曲の①は即興的なイントロ~ユニゾン付きのテーマ~ソロ・リレーと、充実の仕上がりだ。
4) ①Gullock / Solveig Slettahjell (from『Gullokk』Jazzland Recordings 3779532) 6:07
■Solveig Slettahjell(vo) Andreas Ulvo(p) Trygve Waldemar Fiske(b) Pål Hausken(ds) © 2023
2020年作『Come In From The Rain』(ACT)でスタンダードとポップスのカヴァー集に挑んだノルウェーのトップ歌手が、同作と同じメンバーと共に取り組んだ北欧ソングブック。グリーグ、アルフ・プリョイセンやシュレッタイェル、ウルヴォらが書いた全10曲は、スロー・テンポが中心で、現地語歌唱ゆえの情緒と風土性を醸し出す。スウェーデンの人気歌手エヴァ・ダルグレンの①は、歌詞を大切にしながらの発声が心に染み入る。
5) ⑩La suave melodia / Gianluigi Trovesi, Stefano Montanari (from『Stravaganze Consonanti』ECM 2390) 5:33
■Gianluigi Trovesi(piccolo-cl,a-cl,as) Stefano Montanari(concertmaster) Stefano Rossi (vln) Claudio Andriani(vla) Francesco Galligioni(violoncello) Luca Bandini(b) Emiliano Rodolfi, Pryska Comploi(oboe) Alberto Guerra(bassoon,dulciana) Riccardo Balbinutti (per) Ivano Zanenghi(archlute) Valeria Montanari(harpsichord) Fulvio Maras(②⑪:per, electronics) 2014.1, Cremona
交響楽団を迎えた2006年録音作『Profumo Di Violetta』のコンセプトを拡張し、15~17世紀のルネサンス~バロック音楽を彩ったパーセル、トラバチ、デュファイ、デスプレらの楽曲を採用。トロヴェシの自作7曲との全15曲は、アルバム名が示すように時代とジャンルを超えた“贅沢な共鳴”。ファルコニエーリ作曲の⑩は艶やかで美しいアルト・ソロに魅了される。
6) ③Silverdust / Mike LeDonne, Eric Alexander & others (from『The Heavy Hitters』 Cellar Live Records CM070122) 7:30
■Jeremy Pelt(tp) Eric Alexander(ts,⑤:as) Vincent Herring(as) Mike LeDonne(p) Peter Washington(b) Kenny Washington(ds) Rale Micic(⑥:g) 2022.5.8,9, NJ
蘭Criss Crossの営為を参照したような制作姿勢に共感できる加Cellar Liveから、ハードバップを基盤としたオールスター・セクステットが登場。中心人物のルドンとアレキサンダーが持ち寄った全9曲は、モダン・ジャズの偉人への捧げもの。③はホレス・シルヴァーへのトリビュート曲で、ソウルフル&ブルージーな曲調が故人の音楽性を好ましく反映。