全曲試聴:https://open.spotify.com/playlist/0pN5WsJpxnLnuFS8Hnou0y
テーマ曲:③1979 / Roberto Restuccia (from『Lounge Katz』Trippin N Rhythm) 4:34
1) ④Lights Away From Home / Artemis (from『In Real Time』Blue Note Records 00602448728562) 4:51
■Ingrid Jensen(tp) Alexa Tarantino(as,ss,fl) Nicole Glover(ts) Renee Rosnes(p,el-p,vo) Noriko Ueda(b) Allison Miller(ds) (c) 2023
2017年に結成され、2020年にアルバム・デビューした女性オールスターズの第2弾。7名がジャケットに写った前作から3名が抜けて、すでに自己名義作で実績がある若手サックス2名が加わったセクステットへの変化は、インスト・バンドへの転身宣言とも取れて頼もしい。メンバー提供曲とショーター、ライル・メイズを含む8曲にあって、植田作曲の④は3管テーマの心地良くスウィンギーなナンバー。
2) ②Novelette / Tania Giannouli (from『Solo』Rattle RAT-D139) 7:04
■Tania Giannouli(p) © 2023
2020年の変則トリオ作『In Fading Light』が印象的だったギリシャ人ピアニストの、リーダー第5弾にして初のソロ作。このセッティングを「最も解放的で、信じられないほどの自由を感じる」というタニアが、おそらく無心でピアノに向かった全24曲を収録。本作で最長の②は美旋律で穏やかな雰囲気を綴り、ソロ・ピアノの魅力を象徴的に表現。
3) ④O cessate di piagarmi / Dario Savino Doronzo (from『Reimagining Aria』 Digressione Music DCTT138) 6:13
■Dario Savino Doronzo(flh) Gabriele Mirabassi(②④⑧:cl) Pietro Gallo(p) © 2023
2020年に『Reimagining Opera』でイタリアンとしてのルーツを素材としたドロンゾが、引き続きガロをデュオ・パートナーに、17世紀の母国アリアと現在を結び付けるコンセプトで制作。二つのジャンルを股に掛けたガロの歴史探求心を持ったジャズ・センスに共感。④は名手ミラバッシが加わって、ソロ~デュオがトリオに落着するプロセスが聴きもの。
4) ①Impressions / Anna Jopek (from『Insight』Alpaka Records) 7:50
■Anna Jopek(p,prepared-p) Adam Skorczewski(tp) Jakub Klemensiewicz(ss,ts,cl) Michalina Sokołowska(cello) © 2023
日本で人気のヴォーカリストとは別人で、ポーランドの民族音楽をベースにしたジャズ関連ジャンルのピアニスト・作編曲家。これは母国の音楽賞《Fryderyki 2023》の〈Phonographic Debut of the Year Jazz〉にノミネートされたデビュー作。リスナーに発見をもたらしたいと願う全10曲にあって、①はピアノ&ソプラノによる3パートの美しいデュオ。
5) ①Safe And Sound / Magnus Öström Group (from『A Room For Travellers』 Jazzland Recordings 377 955 6) 5:54
■Daniel Karlsson(p,key) Andreas Hourdakis(g,ac-g) Thobias Gabrielson(b,syn-b) Magnus Öström(ds,per,vo,key) 2023.1.24-27, 2
e.s.t.の活動停止後、ソロ活動を始め、ブッゲらとのトリオRymdenを軌道に乗せたスウェーデンのドラマーが、ブッゲのレーベルから個人名義で初登場。しかも2013年発表の『Searching For Jupiter』(ACT)と同じラインアップなのが嬉しい。旅人と水・海をコンセプトとした全6曲にあって、①は70年代への憧憬を落とし込んだようなオストロムの作曲アイデアと音作りが秀逸。
6) ①Hossland / Michael Davis Hip-Bone Big Band (from『Open City』Hip-Bone Music M1015) 8:38
■Jim Hynes, Maneco Ruiz, Mike Rodriguez (②③⑤⑨⑩:tp,flh) Nick Marchione, Scott Wendholt, Tony Kadleck, Zaq Davis(①④⑥⑦⑧:tp) Marshall Gilkes, Michael Davis, Ryan Keberle(tb) Bill Reichenbach(btb) Matt Hong(②③⑤⑨⑩:as) Sam Dillon(②③⑤⑨⑩:ts) Troy Roberts(ts) Andy Snitzer, Charles Pillow (①④⑥⑦⑧:ts,cl) Steve Wilson(①④⑥⑦⑧:as,ss) David Mann(as,ss,fl) Frank Basile(bs,b-cl) Judy Yin-Chi Lee(④⑧:frh) Andy Ezrin(p) Cole Davis(②③④⑦:b) David Finck (①⑤⑥⑧⑨:b) Jared Schonig(ds) © 2023
ビッグ・バンド界の経験豊富なベテラン・トロンボーン奏者が2016年にアルバム・デビューした自己楽団の第2弾。リーダー級の顔ぶれがずらりと揃ったことだけをとっても、デイヴィスの運営力と人望が明らか。コロナ禍を経たミュージシャンの思いを反映した制作の全10曲中、①はピロウ、ウェンホルト、マンをフィーチャーした現代の大編成サウンドに取り組む意欲に好感。