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テーマ曲:④Top Hat & Tails / Chris Standring (from『As We Think』Ultimate Vibe 17) 3:44
1) ⑤Shades Of Green / Michael Thomas (from『The Illusion Of Choice』Criss Cross Jazz 1418 CD) 7:02
■Michael Thomas (as) Manuel Valera (p) Matt Brewer (b,el-b) Obed Calvaire (ds) 2023.9.14, Astoria, NY
NYを拠点にするアルト奏者の、13年ぶりとなる第4作。「作曲と共演の両方でドリーム・バンド」と自負するだけあって、まさに満を持してのリリースと言えよう。カヴァーは1曲に止めて8曲を自作で固め、SFジャズ・コレクティヴの2リズムを得て、癖のない音色と安定したテクニックを全編で聴かせる。⑤はカルテットの結束力と疾走感、ソロ・リレーが痛快。
2) ⑧I Don’t Know / Sara Aldén (from『There Is No Future』Prophone Records PCD312) 5:41
■Sara Aldén (vo) August Björn (p,harmonium,①:b-vo) Daniel Andersson (b,①:b-vo) Johan Björklund (ds) Malin Kjellgren (①:harp) Hannes Bennich (②:as) Johannes Lundberg (①:b-vo) 2023.3.20,24,28, Göteborg
2022年のEP作でデビューしたスウェディッシュ・ヴォーカリスト、初のフル・アルバム。リーナ・ニーベリとノーマ・ウィンストンに影響を受けたスタイルで、「ミスティ」「いつか王子様が」等の有名曲を大胆にアレンジし、エネルギッシュかつ優美に歌ってメッセージ性をアピール。作詞・作曲を自身が手掛けた⑧は、エンディングへと向かう迫真性に引き込まれる。
3) ③Vito Raccontami / Francesco Cataldo (from『Amaranto』Alfa Music AFMCD299) 2:36
■Francesco Cataldo (p) 2023.9.8,9, Rome
2020年にカルテット作『Giulia』を発表したイタリアン・ギタリストが、クラシックやオペラで使用されるローマの教会でピアノを弾いた時に、「人生で最も美しくスピリチュアルな経験」と感じて制作した初のソロ・ピアノ作。2~3分台が中心の全13曲は、即興的に創作した美旋律の小品集の趣。本名の“Vito”を曲名に冠した③は甘く切ない旋律に魅せられるバラード。
4) ⑨Requiem / Toine Thys Orlando (from『Betterlands』Hypnote Records AD8899C). 6:29
■Toine Thys (ts,b-cl,electronics) Maxime Sanchez (p) Florent Nisse (b) Teun Verbruggen (ds) 2023.3, Brussels
1972年ブリュッセル生まれのサックス&バスクラ奏者が、2020年リリースの個人名義作のアルバム名をグループ名に冠したフランス&ベルギー・カルテットの第2弾。ティスがエレクトロニクスを導入したことで、ワンホーンの領域を超えた表現を実現。最終曲⑨は次第に音場が広がっていくイメージがあり、新加入ドラマーのフェルブリュッヘンも貢献。
●ORLANDO: BETTERLANDS Teaser:
5) ⑤Ornette Surrounds / Liba Villavecchia (from『Muracik』Clean Feed CF669CD) 7:35
■Luis Vicente (tp) Liba Villavecchia (as) Alex Reviriego (b) Vasco Trilla (ds) 2022.11, La Casamurada
スペイン・カタルーニャのサックス奏者は2021年に結成したトリオで、『Zaidín』(2022年)、『Birchwood』(2023年)を発表。今作ではトランペッターを加えた2管カルテットに拡大しており、ヴィセンテの強力な存在感によって、全6曲で想像以上の効果を創出。⑤は曲名が示唆するように、ドン・チェリー時代のオーネット・グループが源泉のサウンドを展開し、ヴィラベッキアのルーツを表明。
6) ①Spooky Rift We Pat / Frank Carlberg Large Ensemble (from『Elegy For Thelonious』Sunnyside Records SSC1716) 9:46
■Sam Hoyt, John Carlson, David Adewumi, Kirk Knuffke (tp,flh) Brian Drye, Chris Washburne, Tyler Bonilla, Max Seigel (tb) Nathan Reising, Jeremy Udden, Adam Tolker, Hery Paz, Andrew Hadro (woodwinds) Leo Genovese (p,key) Kim Cass (b) Michael Sarin (ds) Christine Correa (①③④:vo) Priya Carlberg (②③④:vo) Frank Carlberg (cond)
2022.5.10,11, Brooklynフィンランド出身のカールベルグが最大の影響を受け、長年の研究を続けるモンクをテーマに頂いたラージ・アンサンブル作『Monk Dreams, Hallucinations And Nightmares』以来7年ぶりとなる、同様の編成とコンセプトの新作。オリジナル曲と編曲で構成し、7曲中4曲に女性歌手を加えたことによって、他の追悼作とは一線を画す独自性を追求。①はモンクのレパートリーである「二人でお茶を」と「スキッピー」を織り込んだ意欲的なアレンジが聴きもの。