全曲試聴: https://open.spotify.com/playlist/4lDuqJNzF87nvJXPxspGMy
テーマ曲: ⑥High Tide / Richard Elliot (from『Straight Up Down』Shanachie SHA-5516) 4:07
1) ③Where No Man Has Gone / Benjamin Koppel, Jacob Karlzon, Scott Colley, Magnus Öström (from『Portable Infinity』 (Cowbell Music) 4:45
■Benjamin Koppel (as) Jacob Karlzon (p) Scott Colley (b) Magnus Öström (ds) 2023.11, Lugano, Switzerland
全13曲中12曲を書いたコッペルを中心に、コッペルとのデュオやトリオ作で絆を深めるコリー、スウェーデンのカールソン、オストロムと結成したライヴ音源を含むオールスターズのデビュー作。4曲の「インタールード」を挿入したシームレスで物語性を帯びた構成が特徴。③は冒頭からエネルギッシュなアルトがバンドを牽引し、ピアノ・ソロを経てラストまで存在感を輝かせている。

2) ②My Love Is An April Song / Greg Reitan (from『The Bounding Line』Sunnyside SSC 1740) 6:38
■Greg Reitan (p) Jack Daro (b) Dean Koba (ds) 2023.10, LA
2019年夏、ニューヨーク州にあるアーロン・コープランドの自宅での“滞在アーティスト”期間に、本作を着想。全9曲は自作曲の他、デイヴ・ブルーベック、キース・ジャレット、コープランド等、ジャズ・ピアニストがカヴァーしないレア・ナンバーにフォーカス。②はアール・ジンダースがビル・エヴァンスのために作曲し、64年に録音されながらお蔵入り。97年発表のVerveボックスで世に出た楽曲で、レイタンのエヴァンスへの思いが重なる演奏だ。

3) ③Ghosts/Old Stev/ Landloper / Arild Andersen (from『Landloper』ECM 2826) 7:48
■Arild Andersen (b,electronics) 2020.6.18, Oslo
ECM初期からのレコーディング・アーティストであるアンデルセン、初のソロ作。オスロのジャズ拠点であるナショナル・ジャズシーンでのライヴ5曲+自宅録音1曲で構成。ベース演奏とリアルタイムの電化ループを組み合わせた音作りにおける開拓者らしさを、自作曲の他、スタンダードやオーネット、ヘイデン曲のカヴァーで展開。③はアルバート・アイラー/トラディショナル/自作曲のメドレーでセンスを発揮する。

4) ①Call It Love / Thomas Fonnesbæk (from『In Rome』Storyville Records 1018538) 6:04
■Rosario Giuliani (②⑦⑪:ss) Enrico Pieranunzi (p) Thomas Fonnesbæk (b) Roberto Gatto (ds) Valentina Ranalli (④⑧:vo) ©2024
ラーシュ・ヤンソン・トリオで知られるデンマークのフォネスベク(1977~)が、著名イタリアンの協力を得て完成させたトリオ+作。全11曲中9曲をエンリコが提供しており、ジュリアーニ、ガット、ラナッリがエンリコ作の共演者であることから、その多大な貢献は明らか。①はエンリコ・ファンにはお馴染みのベース~ピアノのソロ・オーダーによるピアノ・プレイが秀逸。

5) ⑥Sjung Herte Sjung / Bill Frisell-Kit Downes-Andrew Cyrille (from『Breaking The Shell』Red Hook Records 1006) 5:01
■Bill Frisell (g) Kit Downes (pipe org) Andrew Cyrille (ds) Lucy Railton (④:cello) 2022.5.25,26, NY
元ECMのプロデューサーSun Chungが2021年に設立したレーベルから、関係を深めるフリゼール&シリルと、やはりECM繋がりのダウンズが結成した初のトリオ作が登場。熟練のベテランとパイプ・オルガンのダウンズ(p)が組むアイデアそのものがユニークであり、予測不可能な実験的で冒険的なサウンドが満載。⑥は次第に3人の熱量が高まってゆくプロセスが聴きどころ。

6) ⑥You’re Everything/La Fiesta / John Beasley & the Frankfurt Radio Big Band (from『Returning To Forever』Candid CAN33352) 10:14
■John Beasley (key) Frankfurt Radio Big Band, Jim McNeely (cond) ©2024
セロニアス・モンクにインスパイアされた“モンケストラ”を主宰するビーズリーが、70年代のチック・コリアRTFにスポットを当てたソングブック。生前のチック(~2021)が企画に賛同してスコアを提供したエピソードが作品の価値を高めていることに加えて、hr BIG BANDとのコラボによって大編成用にアレンジした成果が収穫大。⑥は第1期RTFの代表的な2曲のメドレーで、意外にも1曲目を厚くしてインタールードで繋ぎ、2曲目を短く加えた構成。
●Return to Forever | Chick Corea | John Beasley | Frankfurt Radio Big Band | FULL CONCERT | 4k:
