全曲試聴(5を除く): https://open.spotify.com/playlist/5HcxXJr8l7PoUz5mMiDcQV
テーマ曲:Mr Sax / Cristian Romero (CR Producciones, single)
1) ②All’umfrs / Eric Scott Reed (from『Out Late』Smoke Sessions Records SSR2501CD) 6:32
■Nicholas Payton (tp) Eric Alexander (ts) Eric Scott Reed (p) Peter Washington (b) Joe Farnsworth (ds) 2024.12.17, NYC
50代半ばを迎えたリードに心境の変化があったようで、これが本名のミドルネームを加えた初の作品。NY“スモーク”で年末恒例の《コルトレーン・フェスティヴァル》で共演してきた面々を迎えて、短いリハーサルで新鮮なまま、昔のように一つのスタジオ・ルームでヘッドフォン無しに録音したファースト・テイク集。②は2管ユニゾン・テーマと、ピアノの長いメロディ・ラインを含む、バップ・オリエンテッドなナンバー。
●Eric Reed OUT LATE video:

2) ③Song for the Tarahumara / George Colligan (from『Live At The Jazz Standard』 Whirlwind Recordings WR4836) 14:58
■George Colligan (p, ⑦:melodica) Linda May Han Oh (b) Jack DeJohnette (ds) 2014.4.30, NYC
ディジョネット・グループに6年間在籍したコリガンは、2013年発表作『The Endless Mysteries』でディジョネットと共演。2014年に同作の収録曲を中心としたセットリストで行ったトリオの未発表音源が、11年を経てアルバム化。同年はキース・トリオ最後のライヴの年だった。③はタラウマラ族の長距離奏者にヒントを得た楽曲で、ドラム・ソロを皮切りに、コリガンが敬愛する巨匠との充実ぶりを証明。

3) ②Tiger / Therese Ulvan (from『Tiger』Ulvan Records NO2DM02) 3:13
■Therese Ulvan (vo) Nils Janson (tp) Wojteck Goral (sax) Antonio Farris (key) Paulo Mendonca (g,b,b-vo) Frank Nilsson Frallan (ds) Marley Mendonca (b-vo) © 2025
2000年代後半LAに住み、ラッセル・フェランテ、ジミー・ハスリップ参加作で2010年にアルバム・デビューしたノルウェーのSSW。3年ぶりとなるこの第5作は、初期のフュージョン・ヴォーカル寄りに比べると、ポップス色が濃い印象。恐怖を克服し、自分の人生をコントロールすることをテーマにした全9曲にあって、タイトル曲②はポジティヴなメッセージを表現した力強いトラック。

4) ⑥ Skrova Fyr / Cecilie Strange (from『Beech』April Records APR146CD) 7:28
■Cecilie Strange (ts) Peter Rosendal (p) Thommy Andersson (b) Jakob Høyer (ds) Josefine Cronholm (②③⑤:vo) 2022.8.22, Copenhagen
2023年の前作『Beyond』で好印象を抱いたデンマークのサックス奏者が、同作と同じメンバーで臨んだ通算5枚目。ストレンジの人生と深く結びつく場所からインスピレーションを得たオリジナル全6曲は、瞑想的な雰囲気を醸し出しているのが共通の特色。ノルウェー北部の孤島を曲名に冠した⑥は、同じ北欧でも異なる環境で過ごした体験と、「その土地の一部になりたい」との思いをバンド・サウンドで表現。

5) ①Pink Floyd in 7/8/John Coltrane / The Voodoo Drummer Duo (from『Hellas Spells』 Rejected Artists Movement) 3:55
■The Voodoo Drummer Duo [Christos Koutsogiannis (weirdofon,ds) Stavros Parginos (cello)] Adrian Stout (saw) Blaine L. Reininger (vln) Mamadou Diabate (Balafon) Louisiana Red (g) Martyn Jacques (vo) © 2025
プロ・キャリア30年超のギリシャ人クツォギアニスは、ベニンとニューオリンズで葬儀に参加した体験によってVoodoo Drummerを名乗り、この初デュオ作に至った。クツォギアニスの共演歴がある英トリオタイガー・リリーズのジャックとスタウトらのゲストも参加。①はピンク・フロイド「セット・ザ・コントロールズ」とコルトレーン「至上の愛」を合体させた奇想天外なアイデアが、シリアスに演奏されるギャップが聴きどころ。
●『Hellas Spells』試聴:
https://voodoodrummer.bandcamp.com/album/hellas-spells

6) ②Bassic Instinct / Gabriele Comeglio (from『The Journey』Dodicilun ED575) 6:09
■Bob Mintzer (ts) Gabriele Comeglio (as) Russell Ferrante (p) Jimmy Haslip (el-b) William Kennedy (ds) 1996, Milan
サックス奏者、作編曲家、指揮者、指導者としても活動するイタリアのガブリエーレ・コメッリオが、95年から2021年にかけて著名人を含む欧米のミュージシャンとのイタリア、スイス、アメリカでの営為を記録した、キャリアの集大成に位置付けられる新作。楽曲ごとにメンバーが入れ替わる全13曲にあって、②はイエロージャケッツとの共演が特筆もので、彼らの魅力を巧みに取り入れた自作曲として価値あり。
●GABRIELE COMEGLIO – The Journey (extract), 2025 Dodicilune – feat. R. Brecker, B. Mintzer, … etc:














