打楽器奏者の加藤訓子が年始に新しいプロジェクトを発表した。「DOPE」と名付けられたプロジェクトは愛知芸術文化センターからの委嘱を受けたもので、音楽はスティーヴ・ライヒ(1936~)作曲の「ドラミング」(1970~71)を採用。愛知県出身のダンサー・振付家、平山素子とのコラボレーションとなる。
加藤はライヒ曲集『Kuniko Plays Reich』(2011年)や、アルヴォ・ペルト等をカヴァーした『Cantus』(2013年)でライヒを演奏しており、その実績を踏まえてライヒの代表曲に挑む。日本初にして日本から世界へと発信する作品であり、加藤にとっての新境地とも言える。
「ドラミング」は10名程度のミュージシャンで演奏される60~80分の楽曲で、これを加藤は事前録音の素材と共にステージで披露すると思われる。この作品は今秋に英Linn Recordsからのリリースが予定されている。
加藤は昨年、ライヒ、ペルト、クセナキスに続くプロジェクトとなるJ.S.バッハの楽曲を取り上げた『マリンバのための無伴奏作品集』を発表。「平均律クラヴィーア」「無伴奏チェロ組曲」「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」を取り上げて、10月の東京カテドラル聖マリア大聖堂での記念コンサートでは、完璧と言えるパフォーマンスで観客を魅了。レコーディングとライヴに誤差がない演奏が、音楽家として超一流のレヴェルを実証した。
クラシック~現代音楽に軸足を置く音楽家でありながら、ジャズ・ファンにも刺激を与え続ける加藤の活動に目が離せない。
<公演スケジュール>
1月26~28日、 愛知芸術文化センター
http://www.aac.pref.aichi.jp/gekijyo/syusai2017/detail/180126_dope/
2月2~4日、彩の国さいたま芸術劇場