ジャズのレジェンド・ヴォーカリスト、シーラ・ジョーダンは、生誕90年を迎えるタイミングでも、変わらぬ精力的な音楽活動を続けている。1928年11月18日に米ミシガン州デトロイトで生まれたジョーダンは、10月10日にニューヨーク、アルフレッド・ラーナー・ホールで開催された「ルイ・アームストロング・シンポジウム」に参加。ステフォン・ハリス(vib)、ジョン・ファディス(tp)、ハーリン・ライリー(ds)らのパネリストと共に、音楽、文学、ヴィジュアルアートにおけるアームストロングの影響についてディスカッションを行った。今年度の〈サッチモ・アワード〉の受賞者に選出されたジョーダンは、2日後の10月12日にハーレムのアルハンブラ劇場で開催された授賞式にも出席した。
10月下旬にはヨーロッパに渡って、ラインズ・フォー・レディーズでツアー。これはチェット・ベイカー(vo,tp)のファンであるサビーネ・クーリッヒ(vo,sax)とアン・チコウスキー(vo)が中心に結成された5名からなる女性ユニットで、ジョーダンとクリスティン・コーブ(b,vo)をフィーチャーしたアルバム『ライヴ』(HGBS Blue Records)が、2016年に発表されている。今回は同作参加の2名がティネ・シュナイダー(p)、リンディ・ハッパーツバーグ(b)に交代したラインアップになる。スケジュールは10月26日バート・ツルツァッハ(スイス)、27日ドイツ・ビュルツブルク、11月1日ケルン、2日エッセン、4日アーヘンを巡演。その間のドイツ滞在中には、ジョーダン個人でワークショップも行った。
11月8日からはキャメロン・ブラウン(b)とのデュオで、ヨーロッパ・ツアーを続行。スペイン~ポーランドを経て、15~17日にはデンマーク・コペンハーゲンの名店“ジャズハウス・モンマルトル”に出演。さらに90歳の誕生日にあたる11月18日には英ロンドン“ザ・フェザントリー”で、「Sheila’s 90th Birthday Celebration」が開催された。
帰米後は11月26日にブルーノートNYで、生誕90周年の祝賀公演を控える。12月はケンブリッジ、ホーンズデール等、北米各地でコンサート、マスタークラス、ジェイ・クレイトン(b)とのワークショップに出演。2019年1月サンフランシスコ、サンタクルーズを含むカリフォルニアでのライヴ・スケジュールが発表されている。
ジョーダンの最新作はロベルト・チッペリ(p)らイタリアン・トリオと共演した『Lucky To Be Me』(Abeat)