サックス奏者デヴィッド・サンボーンは自身のホームページで、新しい動画シリーズを発表した。「サンボーン・セッションズ」と名付けられた音楽番組は昨年、サンボーンが従兄弟のスティーヴ・フリードマン父子と食事中の会話から生まれたアイデアが発端。番組制作とインターネット上での公開がずっと安易になった環境を踏まえて、サンボーンが前向きに取り組むことを決意した。
サンボーンの音楽番組と言えば、1988年から90年に放映された米NBCの「ナイト・ミュージック」がファンに強く記憶されている。サンボーンがホストを、マーカス・ミラー(b)、オマー・ハキム(ds)らがハウス・バンドを務めて、マイルス・デイヴィス、ソニー・ロリンズ、パット・メセニーらのジャズ・ミュージシャンばかりでなく、エリック・クラプトン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、カーティス・メイフィールドら、ロック、ソウル、ポップ、ワールドと、多ジャンルのミュージシャンを迎え、サンボーンとの共演を通じて新鮮な音楽的成果を生み出したことで人気を博した。
https://www.youtube.com/watch?v=Vw3ZDAhSreA
Night Music #111 1988 Earl Klugh, Patti Austin, Joe Sample, Donald Fagen, Muddy Waters, Sister Carol
「サンボーン・セッションズ」はニューヨーク州タリータウンに位置するサンボーンの自宅スタジオで撮影。サンボーンのアコースティック・ツアー・メンバーであるアンディ・エズリン(key)、ベン・ウィリアムス(b)、ビリー・キルソン(ds)が、番組のハウス・バンドを務める。
公開中の動画は約14分の2本で、第1回はフランス出身のジャズ・ポップ歌手シリル・エイメーと、ブラジル人バンデイロ奏者セルジオ・クラコウスキがそれぞれの演奏に続いて共演。第2回はギタリストのチャーリー・ハンターとシンガー・ソングライターのジョナサ・ブルックが出演している。「ナイト・ミュージック」がリハーサルを含めてTV番組として作り込んだ内容だったのに対して、「サンボーン・セッションズ」は選曲を含めてその場で決める手作り感が特色だ。
サンボーンとフリードマン父子は今後の制作費を調達するために、クラウドファンディングのIndieGoGoを活用して、来年の早いタイミングで本格始動を計画。番組は15分から30分の内容をイメージしている。
David Sanborn and Cyrille Aimee / Photo by Sam Zang