ベルギーが生んだ世界的なジャズ・ミュージシャンであり、ジャズ・ハーモニカのスタイルを完成させたトゥーツ・シールマンス(1922~2016)。生誕100周年の節目を迎えたタイミングに、生地ブリュッセルのKBR(ベルギー王立図書館)で回顧展『TOOTS 100: THE SOUND OF A BELGIAN LEGEND』が始まった。KBRと楽器博物館の提携によって運営される回顧展の会期は4月22日から8月31日までで、これは4月29日生まれ~8月22日没のシールマンスに合わせたものと思われる。
2016年の他界後、トゥーツ・シールマンス財団が個人アーカイブをKBRに寄付したことで、今回コレクションが初めて一般公開される運びとなった。楽器、レコード、手紙、楽譜等の展示物を通じて、シールマンスの業績を知ることができる構成だ。
この回顧展はトゥーツ・シールマンス遺産協会が、トゥーツ・シールマンス財団およびvisit.brusselsと提携した年間イベント“Toots Year 2022”の一環として、ベルギーばかりでなく欧米各地で開催されているもの。4月29日にはオフィシャル・アニバーサリー・コンサートが行われ、フランク・ヴァガネ指揮のブリュッセル・ジャズ・オーケストラ(フィリップ・カテリーン、グレゴア・マレ、トゥトゥ・プワネ)と、ヴィンス・メンドーサ指揮のメトロポール・オルケスト(ケニー・ワーナー、カテリーン、プワネ、イヴァン・リンス)が出演。また芸術センターBozarとブリュッセル王立音楽院の共同事業として「トゥーツ・シールマンス・ジャズ賞」が制定され、5月10日には記念イベントを開催した。
2022年12月までの他のスケジュールとしては、イヴァン・パドゥア(p)&オリヴァー・カー・オゥリオ(hmca)、ジェフ・ニーヴ(p)&テウス・ノーベル(tp)、ジャンフランソワ・プリン(g)らのトゥーツ・トライブ・ミュージシャンズ、マイク・デル・フェロ(p)、ワーナー(p)&マレ(hmca)等のスケジュールが決定している。
●KBR website:https://www.kbr.be/en/agenda/toots-100/