アメリカ出身のパーカショニスト、ジョーイ・バロンとロビン・シュルコフスキーは20年以上にわたってベルリンをベースに、パーカッションの持つ無限の可能性を追求し、アメリカ、ヨーロッパ、南米、中国でコンサートやワークショップの形で広めてきたデュオ・チーム。これまでにCD『Dinosaur Dances』(Micx, 2003 / 2010)、『Now You Hear Me』(Intakt, 2016 / 2018)をリリースしている。今回、ゲーテ・インスティトゥート東京が二人を東京に招き、3 日間それぞれ方向性の異なる日本のトップ・ミュージシャンをゲストに迎えて、パーカッションを中心とした無限の音世界を探求する旅に誘う。
「ラヴィッシュ・ジョイ」とは「溢れんばかりの喜び」を多くの人たちと分かち合うこと。オープンスペースに組み上げた、何の変哲もない日用品のインスタレーションから生まれる豊かで多彩な音を、そこにいる人たちと分かちあって体験するイヴェントとなる。
●イヴェント詳細:
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/ver.cfm?event_id=25526821
【プログラムと出演者】
4/25(木) 18:00~ 大友良英(g)、山本達久(per) ライヴインスタレーション
4/26(金) 18:00~ 吉原すみれ(per)、三橋貴風(尺八)
武満徹「シーズンズ」演奏及びライヴインスタレーション
4/27(土) 14:00~ 「声とパーカッション」のワークショップ
18:00~ 足立智美(vo) プレゼンテーション&ライヴインスタレーション
(※各回とも途中入退場可)
会場: ゲーテ・インスティトゥート東京、ホワイエ・ホール
東京都港区赤坂 7-5-56 ドイツ文化会館1階
料金:3 日間通し券 4/25 (木)~4/27 (土) 3,000 円
1日券: 4/25 (木)、4/26 (金)、4/27 (土) 各 1,500 円
ワークショップ参加(コンサート入場券兼用):4/27 (土) 1,500 円
前売り:PEATIX https://peatix.com/event/3898781/view
予約(当日清算):https://www.goethe.de/ins/jp/ja/ver/-lavish-joy.htm
「声とパーカッション」ワークショップ 4/27(土)14:00-17:00
(ロビン・シュルコフスキー、ジョーイ・バロン、足立智美)
参加条件:高校生以上 定員:20 人程度
参加料: 1.500 円(18 時からの入場券を兼ねる)
【出演者プロフィール】
■4/25-27 ロビン・シュルコフスキー Robyn Schulkowsky
アメリカ、サウスダコタ州生まれ。世界中の人々に打楽器の素晴らしさを伝えることに専念し、新しい変わった楽器を創作するなど、音の可能性と新たな次元を探求し続けている。1980年、実験音楽の盛んだったドイツを訪れると、現地を活動の拠点としてシュトックハウゼン、ケージ、フェルドマン、クセナキスなど 20~21 世紀の最も重要なソロ打楽器作品を初演・録音し、旧ソ連、インド、アフリカ、南米、韓国、日本を含むツアーやヨーロッパの主要な音楽祭で作品を発表した。旺盛な実験精神により、さまざまな分野のアーティストとのコラボレーションを実現している。その中には、伝説的なアフリカン・ドラマー、
コフィ・ガナバ、映像作家ギュンター・ユッカー、作家で映画監督のヘルベルト・アハテルンブッシュとマノン・デ・ブール、劇作家ローランド・シンメルプフェニヒ、振付家のマース・カニングハムとサシャ・ヴァルツなどがいる。また欧米全土の駅、船、バス停のためのサイトスペシフィックな作品を制作。教育にも情熱を注いでおり、98年以来、パーカッション・ワークショップを多数の都市で開催している。
■4/25-27 ジョーイ・バロン Joey Baron
その卓越した音楽性で世界的に知られるパーカショニスト。アメリカ、ヴァージニア州リッチモンドで生まれ、9 歳から独学でドラムを始め、当時抱いたジャズと即興演奏への興味が現在までもその作品に反映されている。これまでに共演したミュージシャンには、カーメン・マクレエ、ルー・リード、トゥーツ・シールマンス、ローリー・アンダーソン、チェット・ベイカー、ロン・カーター、デヴィッド・ボウイ、ジョン・ゾーン、ビル・フリゼール、ルー・ロウルズ、エンリコ・ピエラヌンツィ、スティーヴ・キューン、リー・コニッツ、ゲイリー・ピーコック、アル・ジャロウ、ジョン・アバクロンビー、ブライアン・イーノ、ジム・ホール、ジョー・ロヴァーノなどがいる。近年は革新的なジャズ集団、MiXMONK や、ロビン・シュルコフスキーとのプロジェクトの他、ソロ・コンサート、ワークショップなど多彩な活動を行い、インスピレーションと驚きをもたらし続けている。
■4/25 大友良英 Yoshihide Otomo
1959年横浜生れ。十代を福島市で過ごす。即興演奏やノイズ的な作品からポップスに至るまで多種多様な音楽を作り続け、その活動範囲は世界中におよぶ。映画音楽家としても数多くの映像作品の音楽を手がける。2008 年 YCAM(山口情報芸術センター) での展示をきっかけに、様々な人たちとのコラボレーションを軸に展示する音楽作品や特殊形態のコンサートを手がけると同時に、障害のある子どもたちや一般参加型のプロジェクトにも力を入れ、2011 年の東日本大震災を受け福島で様々な領域で活動をする人々とともにプロジェ
クト FUKUSHIMA!を立ち上げるなど、音楽におさまらない活動でも注目される。2017
年札幌国際芸術祭の芸術監督。2013年 NHK連続テレビ小説『あまちゃん』の音楽を担当。
■4/25 山本達久 Tatsuhisa Yamamoto
主にドラムを担当。独創的なソロや即興演奏を軸に、ジム・オルーク/石橋英子との
様々な活動をはじめ、カフカ鼾、石橋英子ともう死んだ人たち、坂田明と梵人譚、禁断の
翼棟、オハナミ、NATSUMEN などのバンド活動多数。ex.芸害。青葉市子、UA、岡田
拓郎、カヒミ・カリィ、笹倉慎介、七尾旅人、phew、藤原さくら、前野健太、山本精一など歌手の録音、ライヴサポート多数。マームとジプシーなど演劇の生伴奏・音楽も担当。
2011 年ロンドンのバービカンセンターにソロ演奏で招聘されるなど、海外公演、録音物も
多数。2020 年オーストラリアの Black Truffle Records よりリリースした「ashioto」はイ
ギリスの MOJO Magazine 誌において、2020 年の Best underground record 部門で 1 位を獲得。
■4/26 吉原すみれ Sumire Yoshihara
東京生まれ。幼少の頃より、マリンバのレッスンを受ける。高校入学時より打楽器を学び、東京藝術大学に入学して打楽器を専攻。1972 年、同大学大学院在学中に、ジュネーヴ国際コンクール打楽器部門で優勝。以後、ヨーロッパ・日本を中心にソロ活動を続ける。77 年、ミュンヘン国際コンクールで 1 位なしの 2 位を獲得。ソロ・レコードが RCA より全世界に発売される。以降、多くのソロ、デュオ、アンサンブルのレコードを発表し、多数の賞に輝いた。91、97 年にミュンヘン国際コンクール、92 年にジュネーヴ国際コンクールで審査員を務める。93 年、ニューヨークにてミュージック・フロム・ジャパン公演を行う。アンサンブル・タケミツメンバー。武蔵野音楽大学特任教授。
■4/26 三橋貴風 Kifu Mitsuhashi
東京生まれ。1980年に第1回尺八リサイタルを開催後、国際的に活躍の場を広げる。
91 年、カーネギーホールの 100 周年記念公演、94 年東京フィルハーモニー交響楽団のヨーロッパ公演にソリストとして参加。2004~2016 年武満徹作曲「ノヴェンバー・ステップス」をベルリン・ドイツ交響楽団とベルリンとパリで演奏した後、ニューヨーク、バルセロナ、リヨン、京都、フィレンツェ、プラハなどで演奏。2016 年ナント市および東京のラ・フォル・ジェルネにおいてリサイタル、春日大社の式年造替の折、公演を行う。国内外におけるリサイタルは 150 回を越えている。琴古流尺八大師範。琴古流尺八貴風会家元。大阪音楽大学客員教授。2009 年文化庁芸術祭大賞。2010 年文化庁芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2011 年紫綬褒章受章。
■4/27 足立智美 Tomomi Adachi
パフォーマー/作曲家、音響詩人、楽器製作者、視覚芸術家。自身の声とエレクトロニク
スによる作品、音響詩、即興演奏、現代音楽作品の上演から、サイト・スペシフィックな作
曲、技術を持たない人々のための合唱曲などを、テート・モダン、ハンブルガー・バーンホフ美術館、ポンピドゥー・センター、ベルリン・ポエジー・フェスティヴァルなど世界各地で発表。2012 年 DAAD ベルリン芸術家プログラムによりベルリンに招聘。2019 年アルス・エレクトロニカ Award of Distinction 受賞。オペラ《ロミオがジュリエット》で文化庁芸術祭賞大賞及び佐治敬三賞受賞。国際芸術祭「あいち 2022」展示部門、パフォーマンス部門に参加。2023 年米ニューヨークのジャパン・ソサエティー「ジョン・ケージと日本」企画監修。2022 年より拠点を出身地の金沢に移す。