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テーマ曲:⑩Believe / Bob Baldwin (from『B Positive』City Sketches Records) 4:57
1) ①Fire In The West / Neil Swainson (from『Fire In The West』Cellar Live CM111821) 5:46
■Brad Turner(tp) Kelly Jefferson(ts) Renee Rosnes(p) Neil Swainson(b) Lewis Nash(ds) 2021.11.18,19, Langley, BC
87年録音作『49th Parallel』に関してCellar Liveのコーリー・ウィーズが再発作業を進める中で、スウェインソンの新曲を収めた新作を立案。同じ2管クインテットのための人選を進めた結果、ベテランのために米加の一流人が参集。全10曲からのタイトル曲①は典型的な2管ハードバップで、ジェファーソン、ロスネス、ターナー、ナッシュがソロで貢献。
2) ①Flamenco Sketches / Roxana Amed (from『Unánime』Sony Music Latin 19658748082) 6:03
■Roxana Amed(vo) Chucho Valdes(⑦⑩:p) Julio Reyes Copello(⑨:p) Niño Josele(①:ac-g) Chico Pinheiro(③:g) Pedro Aznar(②:vo,el-b) Tony Succar(⑤:cajon) Linda Briceño(⑧:vo,flh) © 2022
パット・メセニー所縁のペドロ・アスナールに導かれて女優から歌手に転身したアルゼンチンのロサーナ・アメーは、ジャズ・ミュージシャンを迎えた作品を重ねてキャリアを蓄積。ラテン・グラミー候補の前作に続く新作は、ラテン・アメリカ産の楽曲のソングブック。全10曲中では異色と言えるマイルス・デイヴィス作①は全編スキャットで、楽曲の世界観を描く。
3) ⑧Celeste / Maxime Bender Universal Sky (from『Fall & Rise』CAM Jazz CAMJ 7970-5) 7:31
■Maxime Bender(ts,ss) Jean-Yves Jung(org,p) Manu Codjia(g) Jérôme Klein(ds) 2021.9, Tuntange, Luxembourg
発展著しいルクセンブルクにあって、サックス部門の若手トップと呼べるベンダーが、2015年頃に始動し、2018年発表作のアルバム名をユニット名に冠したカルテットの続編。オルガンとギターがモダン・ジャズの流儀ではなく、浮遊感の演出として機能するのが特徴。⑧はそのような雰囲気を醸成し、後半でテナーからソプラノに持ち替えて見せ場を作る。
4) ⑦Sometimes It Snows In April / Julia Hülsmann Quartet (from『The Next Door』 ECM 2759) 3:59
■Uli Kempendorff(ts) Julia Hülsmann(p) Marc Muellbauer(b) Heinrich Köbberling(ds) 2022.3, Studio La Buissonne, Pernes-les-Fontaines
68年ボン生まれのヒュールスマンはトリオによる2008年のECMデビュー作以来、着実にレーベル内でのキャリアを継続。そこにはドイツ人だから、というECMの支援体制があったに違いない。2019年発表の前作『Not Far From Here』でお披露目したカルテットの第2弾は、メンバー全員が自作曲を提供。作曲者のプリンスが86年に発表した⑦は作品を象徴するバラード。
5) ⑤Impressions Of Little Bird / Gunter Baby Sommer & The Lucaciu 3 (from『Karawane』Intakt CD 384) 3:37
■Antonio Lucaciu(sax) Simon Lucaciu(p) Robert Lucaciu(b) Günter Baby Sommer (ds,vo) 2022.1.10,11, Koln
1943年ドイツ生まれのフリー派ドラマーは2010年代以降も様々なプロジェクトで制作活動が旺盛。今回が初共演のルカチュウ三兄弟はソマーよりも2世代若いミュージシャンで、複雑なリズムのナンバーでも良好なコンビネーションを聴かせる。ベーシスト作曲の⑤はアルバート・アイラー「ゴースト」が現代に甦ったような曲調とアルトの音色がマッチ。
6) ④Cascavel / Antonio Adolfo (from『Octet And Originals』AAM Music 0716) 4:11
■Jesse Sadoc(tp,flh) Rafael Rocha(tb) Danilo Sinna(as) Marcelo Martins(ts,fl) Antonio Adolfo(p,arr) Ricardo Silveira(g) Jorge Helder(b) Rafael Barata(ds,per) (c) 2022
過去10年はウェイン・ショーターやアントニオ・カルロス・ジョビンのソングブック等、毎年の新作が定例化しているブラジル人ピアニスト(1947~)が、お馴染みのミュージシャンを迎えた自作曲集。哀愁味を帯びた4管サウンドが全体を貫いている。④はブラジリアン・サウンドに特徴的なリズムとメロディが、リズミカルでメランコリックな世界へ誘う。