1970年代に高い音楽性とエンタテインメント性を融合させて一世を風靡したアース・ウィンド&ファイア(EW&F)が、3月から7月にかけてのツアー・スケジュールを発表した。3月2日から6月5日までの約3ヵ月間は、初日のオクラホマ州タルサを皮切りに北米で全26公演に出演。続く6月30日からはヨーロッパ・ツアーがスタートし、まずグラスゴー、マンチェスター等イギリスの5都市を回った後、パリへ移って、ベルリン、ミュンヘン等のドイツ4都市を訪れる。

これらのうちで注目されるのは7月1日の《ラヴ・シュプリーム・ジャズ祭》と、7月14日の《ノース・シー・ジャズ祭》。《ラヴ~祭》は7月最初の週末に3日間、ロンドンから電車で1時間半のイーストサセックス州サウスダウンズで開催されるもので、人気ラジオ局Jazz FMとの共同運営。創立者のシロ・ロマノによれば、ロンドン、モントルー等のヨーロッパを代表するジャズ祭と、キャンプで音楽祭を楽しむ英国の文化の融合を理念とする。ヘッドライナーとコンテンポラリー・アーティストのための“メイン・ステージ”、内外のジャズ・アーティストが登場する“ビッグ・トップ”、ジャズ、ソウル、ファンクの若手が楽しめる“アリーナ”、地元のジャズ・クラブが最上のジャズを紹介する“バンドスタンド”の、4つのステージで構成される。今年の会期は6月29日から7月1日で、出演者はエルヴィス・コステロ&インポスターズ、デイヴ・ホランド+ザキール・フセイン+クリス・ポッター・トリオ等。2013年創立の新興組ながら、すでに英国屈指のジャズ祭に成長している。

オランダ・ロッテルダムの《ノース・シー・ジャズ祭》は76年に設立された欧州の代表的ジャズ祭として知られ、数多くのライヴ・アルバムを生んできた。今年の会期は7月13日から15日で、マーカス・ミラー、ファラオ・サンダース4、パット・メセニー4、ジョシュア・レッドマン、マティアス・アイク、イブラヒム・マーロフらのラインアップが発表されている。
現在のEW&Fは72年のオリジナル・メンバーであるフィリップ・ベイリー(vo,per)、ラルフ・ジョンソン(vo,per)、ヴァーディン・ホワイト(b)が核になっており、70年代後半の『暗黒への挑戦』、『灼熱の狂宴』、『魂』、『太陽神』、『黙示録』で頂点を極めた黄金時代の3名がフロントを務めて、当時の若者たちに与えた興奮と感動を再現してくれることだろう。
2017年5月には日本武道館、大阪フェスティバル・ホールを含むジャパン・ツアーが大成功。今年は10人編成のバンドが予定されている。昨年のツアー・メンバーはロバート・バーンズ Jr. (tp)、レジー・ヤング(tb)、ゲイリー・バイアス(sax)、マイロン・マッキンリー (musical director,key)、モーリス・オコナー (vo,g)、サージ・ディミトリジェヴィク(g)、ジョン・パリス(vo,ds)、B・デヴィッド・ウィットワース(vo,per)、フィリップ・D・ベイリー Jr. (vo)。