米BMI(Broadcast Music Incorporated)が制定するチャーリー・パーカー・ジャズ作曲賞とマニー・アルバム・コミッションの今年度の受賞者が、韓国人作曲家ジアイ・リーに決定。去る6月14日にニューヨーク、マージョリー・S・ディーン・リトル・シアターで、記念公演となる「第30回BMIジャズ作曲家ワークショップ・ショーケース・コンサート」を開催した。審査員を務めたのは、バンド・リーダーのダーシー・ジェイムス・アーギュ、ピアニストのアラン・ブロードベント、トロンボーン奏者エド・ニューマイスターの3名。過去1年間に同ワークショップで制作された、優れて将来性のある新しいビッグ・バンド、ジャズ・オーケストラの楽曲が対象となった。17人編成のBMIニューヨーク・ジャズ・オーケストラが、9名の作曲家の候補作を演奏。リー作曲の「アンシェイカブル・マインド」が最優秀作に選出された。BMI基金から3000ドルが授与され、リーは来年のショーケースで新曲の初演が予定されている。
© BMI (写真は左から)ジャズ作曲家ワークショップ(JCW)副音楽監督テッド・ナッシュ、ジアイ・リー、JCW音楽監督アンディ・ファーバー、BMIジャズ&ミュージカル・シアター事務局長パトリック・クック
現在ニューヨーク在住のリーはポップ歌手出身で、バークリー音楽大学に進学してジャズに開眼。卒業後はさらにマンハッタン音楽院でジム・マクニーリーに師事し、マリア・シュナイダーやテレンス・ブランチャードの個人レッスンと、ジョン・クレイトン、ロビン・ユーバンクスのワークショップに参加して、作曲家の才能を磨いた。在学中に2年連続で《デューク・エリントン賞》を受賞している。
クラウドファンディングのキックスターターを利用して制作し、昨年2月にリリースされた初のオーケストラ作『April』(Jihyemusic)は、バークリー音大関係者20名と特別ゲストのショーン・ジョーンズ(flh)が参加。2014年4月に韓国で起こったセウォル号沈没事故に触発されて、悲劇を希望に変えるためのプロセスを、物語性を持った自作曲で描いた内容だ。