8月26日に東京・紀尾井ホールでの公演を成功させたアヴィシャイ・コーエン(b)のトリオで頭角を現し、独立後は1作ごとに話題を呼んでステージ・アップしてきたイスラエル人ピアニスト、シャイ・マエストロ(31)が、名門レーベルECMからリーダー作をリリースすることが明らかになった。
『ザ・ドリーム・シーフ』と名付けられた新作は、2012年の初リーダー作『シャイ・マエストロ・トリオ』(Laborie)から盟友関係を続けるペルー人ベーシストのホルヘ・ローダーと、2016年の前作『ザ・ストーン・スキッパー』(Sound Surveyor Music)までレギュラー・ドラマーだったジヴ・ラヴィッツから交代した若手のオフリ・ネヘミヤが参加。マエストロの自作曲を中心に、スタンダード曲やピアノ独奏も盛り込んだプログラムとなっている。
マエストロとECMの関係は上記『ザ・ストーン・スキッパー』にゲスト参加したテオ・ブレックマン(vo)の『エレジー』(2017年)で、ECMデビューを果たしており、他の若手アーティストの事例と比べるとかなり速いタイミングでのリーダー・デビューとなった。
マエストロは関係者向けのインフォメーションで、以下の内容を発表している。
「私は契約と録音を行い、自分のトリオでECMから『ザ・ドリーム・シーフ』を遂に発表できることに興奮以上のものを感じています。これは誰も奪えない私の夢の実現です。ECMの世界に導かれたのはキース・ジャレットの作品がきっかけで、それ以来絶え間なく続く深いカタログのファンです。ホルヘ、オフリと私は特別な精神を与えてくれた伝説的なマンフレート・アイヒャー(produce)と一緒に仕事ができたことを誇りに思います。このレコーディングは私にとってとても個人的なものになりました。アルバムの重要な部分はメロディ。時空間のストーリーに展開するメロディです」。
マエストロは10月から12月にかけて、ヨーロッパ&ジャパン・ツアーを控えており、11月11日の丸の内コットンクラブと11月12、13日のブルーノート東京への出演が決定している。