ドイツ・ベルリン生まれのピアニストで、1960年代からヨーロッパ・フリー・ジャズ・シーンを牽引してきたアレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ(80)が、トリオを率いて来日ツアーを行う。シュリッペンバッハ・トリオはエヴァン・パーカー(ts,ss)、パウル・ローフェンス(ds)をオリジナル・メンバーとして、70年代初頭から活動をスタート。73年に初作『Pakistani Promade』(FMP)をリリースし、81年イタリア《ピサ・ジャズ祭》(『Detto Fra Di Noi』Po Torch)、91年ベルリン《Workshop Freie Musik》(『Physics』FMP)、パーカーの節目を記念した94年ロンドン公演(『50thBirthday Concert』Leo)と、欧州各地のステージに立ってきた。
2000年以降になると以前にも増してアルバム・リリースが加速し、2002年のベルリン《Total Music Meeting》でのライヴ『Compression』(a/l/l) 、2009年のドイツ公演を収めた『Bauhaus Dessau』(Intakt)等、9タイトルを発表。最新作『Warsaw Concert』(Intakt)は2015年のポーランド《Ad Libitum Festival》でのライヴで、エリック・ドルフィーの「ミス・アン」と「アウト・ゼア」のテーマ・メロディが顔を出すのが興味深い。
今回の来日ドラマーはオリジナル・メンバーのローフェンスに代わって、近年ライヴに出演する機会が多いポール・リットンが参加する。また東京の2公演には公私共にシュリッペンバッハのパートナーでもあるピアニストの高瀬アキが加わるので、そちらにも期待が寄せられる。