PJでたびたび情報を伝えている米国人ピアニストのフレッド・ハーシュが、新たなシリーズをスタートさせた。“フレッド・ハーシュ&フレンズ”と名付けられたプロジェクトは、デュオによる楽曲を定期的に発表するもの。第1弾は3月6日発表のミゲル・ゼノン(as)との「リトル・スウェード・シューズ」で、第2弾は3月20日にサラ・ガザレク(vo)との「ドリームズ/ダーン・ザット・ドリーム」がリリースされる。シングル曲はPalmetto Records 、iTunes、Spotify、Amazonからのリリースになる。
●試聴:https://open.spotify.com/album/6fDa6tmnFarZ8I4Sqaqrzl
ハーシュのデュオ活動は、約15年間にわたって毎年5月にNY“ジャズ・スタンダード”で1週間、“インヴィテーション・シリーズ”と題した企画のホストを務めており、今年は5月12日から17日の開催が決定している。
「私がデュオ公演に興味を持ち始めたのは、ニューイングランド音楽院に在学していた70年代半ばです。当時はリズム・セクションに優秀な学生がいなかったので、管楽器とピアノを専攻する学友と練習室でデュオを始めました。“フレッド・ハーシュ&フレンズ”は様々なライヴ環境で私が好きなミュージシャンと即興的な音楽的出会いを発表するために企画されました。自動的配信や無限的編集が普通の昨今、このプロジェクトは生演奏だけで提供されるのです」。
第1弾のゼノンについて、ハーシュは以下のコメントを発表した。「ミゲルは私のお気に入りのミュージシャンです。約5年前に行ったジャズ・スタンダードでの最初のデュオ以来、スケジュールが許す限り、他の会場での共演を楽しんできました。彼はゴージャスなサウンド、ジャズの言語に関する深い知識、完璧なタイム感覚、開かれた聴覚を持ち、音楽制作の私の考えに不可欠な“瞬間的な”アプローチで何でもプレイすることができます。そこでチャーリー・パーカーのカリプソ「リトル・スウェード・シューズ」を選曲。私のソロでいくつかの異なるキーを使いながら完奏しました。素晴らしいエネルギーが生まれて、クラブの聴衆はそれを気に入ったのです」。
サラ・ガザレクとの共演曲は、2019年4月12日にUC Davisで収録されたライヴ音源だ。
「サラ・ガザレクとの共演はこれが初めてでした。私は作品を通じて親しんでいて、彼女への関心は最近自分の中で非常に強くなっています。2020年グラミー賞の〈ベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバム〉にノミネートされていますし。自発的な能力を持つ一流のミュージシャンであり、歌詞に深く関係して歌うシンガー。“ドリームズ”のイントロはサラ・ティーズデールの歌詞を自由に即興で取り入れたものであり、スタンダード曲“ダーン・ザット・ドリーム”と連続的に結びついています。魔法のような雰囲気が生まれ、深いパフォーマンスを現出。これは昨年カリフォルニア州デイビスのモンダヴィ・センターで録音された、西海岸版インヴィテーション・シリーズの第1弾です」(フレッド・ハーシュ)。